参加者の顔が見えにくく、開催中イベントの状況も分かりにくい課題を
そして、寺田社長兼CEOは、現在のイベントの課題をいくつかあげる。
「大規模展示会では、受付のわずらわしさのほか、誰が誰だかわからない来場者、会場に行くために時間調整が難しく、限られた時間のなかでしか情報を得られないという課題がある。この課題は残念ながら20年前と変わっていない」とする。
また、コロナ禍で増加しているオンラインイベントの課題も浮き彫りになってきたという。
「どこでどんなイベントが行われているのかといった情報をキャッチアップできない、オンラインでは会った人の印象が薄く新しい出会いが生まれづらい、交流を通じた知識の共有が難しいという課題がある。また、イベント主催者も、参加者の情報を正確に取得できない、参加者をつなげるネットワーキングがうまくいかない、手間がかかった割に、成果が出づらいという声があがっている。オンライン化によって、参加者の顔が見えなくなり、イベント機能低下がしている。イベントテックによって、ビジネスの出会いがより身近で、よりスマートになる世界を実現したい」とする。
そして、「今後、多くの企業にSansanが提供するイベントテックを利用してもらい、出会いの価値の最大化を実感してもらえるように各ソリューションの開発、営業活動に注力していく。現在は個別のソリューションの集合体となっているが、統合パッケージとして提供し、イベントを支えるテクノロジーを全方位でサポートする姿を構想している」と語る。その上で、「イノベーションを必要としている展示会やイベントを、Sansanが提供するイベントテックによって進化させたい。これは、SansanやEightでやってきたように、日本国内に新たな市場を切り開くものになる」とする。
Sansanの今回の新たな事業も、日本に新たな市場を創出するものになる。
「イベントテックのポートフォリオは、これで完成したとは思っていない。世の中の変化や、テクノロジーの進化を捉えて、追加をしていくことになる。我々がやらないと誰もやらないというユニークなものをやっていきたい」とする。
Sansanの新たな挑戦が始まった。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります