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写真家には最適解!?デスクトップ向けCPU「Ryzen 7 3700X」搭載の15.6インチノートPC「DAIV 5D-R7」をカメラマンが試してみた

2020年10月01日 11時00分更新

文● 周防克弥 編集● ジサトラハッチ
提供: マウスコンピューター

 まずは外観の確認をしていこう。全体的なデザインは従来のDAIV系のデザインと大きく変わることなく、同社のG-Tune系とも共通したシャープなイメージだ。ただ最近の薄く軽い傾向にあるDAIVシリーズと比べると、デスクトップCPUを搭載しているだけに、やや厚みがある。

 本体サイズは幅約361mm×奥行き約258mmで、フットプリントは一般的な15.6インチノートPCと変わらないが、高さは約33mmある。それでも幾世代か前のノートPCと同程度ではあるので、驚くほどの厚みではない。むしろデスクトップ用のCPUにディスクリートGPUまで搭載しているので、筐体サイズには余裕があったほうが安心感が持てる。重量は約2.63Kgと持ち運びするにはちょっと大変だが、デスクトップPCの性能を持ち運べると考えるなら、十分魅力的といえるだろう。

やや厚みはあるが、デザイン的に下部に向かって鋭角に切り込まれているので、それほど目立つわけではない。狭額縁も合わさり、設置状態はコンパクトだ

背面側にはシンプルにDAIVのロゴが入っている。インターフェースは左右と背面に分かれて配置されている

厚みが目立つのは水平方向から見た場合のみ。前面左側に動作状態を示すインジケータが並ぶ

背面は左右に大きく排気口が開いている。インターフェースは映像出力対応のUSB 3.1 Type-C、HDMI出力、Mini DisplayPort、AC電源端子が並ぶ。背面の3つの端子を利用することで、最大3つの外部ディスプレーそれぞれに4Kでの出力が可能だ

左側面には、左からセキュリティーロック、有線LAN、USB 3.1 Type-Aが2つ、microSDカードスロットが並ぶ

左からヘッドホン端子、マイク端子、USB 2.0端子が並ぶ。こちらにも背面同様に大きく排気口が開いている。左右でUSBの規格が変わるので、接続機器は気をつけたい

 インターフェースは、デスクトップPCほどとはいかないが充実している。背面には映像の外部出力用に3つのポートが用意されていて、全てのポートで4K(3840×2160ドット)出力が可能。最大で4Kディスプレー3つ+本体のFHDディスプレーと合わせて4つの画面で運用できる。

 背面のUSB Type-Cポートはディスプレー出力だけでなく、高速転送可能なストレージ接続にも利用できる。左右のUSB Type-A端子は、右側の1つがUSB 2.0で左側の2つがUSB 3.1になっているので、デバイス接続時には注意が必要だ。また本体に厚みがあるものの、カードリーダーはmicroSDカード対応のため、デジカメ等で一般的なレギュラーサイズのSDカードは使用できない。カメラマン目線で使用するなら、別途カードリーダーも必要になる。

テンキー付きのスタンダートな104キーキー配列になっている。最下段のキーは若干狭めになっているが、「」やバックスラッシュ周りのキーは他のキーと同じ幅になっていて、窮屈さがなく快適にタイピング可能

キーボードバックライトは、エリアごとに細かく設定したりはできないが、15色から選んで設定可能だ

 キーボードはキーピッチ約19mmで、キーストロークは約1.8mmと余裕のあるサイズだ。フルキーとテンキーの間には狭いながらもスペースがあり、区切られているので打ち間違いはしにくくなっている。

 十字カーソルキーも、他のキーの半分のサイズではあるが独立していて、左右キーの上部に空間が開いているため、手探りでもキーの位置が把握しやすく、操作性はかなり良い。とくに僕の場合、画像ファイルを左右のカーソルで切り替えながらレーティング(主に1と0でチェックを行なう)をつける作業が多いため、画面から目を話す必要がなく、効率よく作業できた。

 キーの打鍵感そのものも良好だ。剛性感と適度なクリック感があり、原稿の執筆で長くタイピングする場合にも、快適に作業できる。トラックパッドとクリックボタンは区別されていて、左右のクリックもそれぞれ独立した形状なため操作感は良好だ。またトラックパッド左上には指紋センサーが内蔵され、指紋認証により素早くログインできるようになっている。

バッテリーは取り外し可能。底面には空気を吸い込むためのスリットが多く開いている。特に左右の丸い形状のスリットは吸い込みファンの直下にあるので、塞がないようにしたい

 ちょっと頑張れば持ち運びもできる大きさと重さではあるが、気になるのはバッテリー駆動時間だ。カタログスペック上では約1.5時間と、正直モバイルでの利用はあまり期待しないほうがよい。採用しているCPUがGPUを内蔵しないRyzen 7 3700Xということもあり、ディスプレー出力時には常にGeForce GTX 1660 Tiを利用するため、消費電力への負荷がかかると思われる。

 緊急時には一応バッテリー駆動でも作業が行なえる程度に考えておき、基本はAC接続での利用と割り切った運用が必要だろう。しかし、手軽に持ち出せるワークステーションとして考えれば、作業環境をそのまま持ち出せたり、短時間の打ち合わせやプレゼンに利用できたりと、便利な点も多いだろう。僕のようなカメラマンなら、ロケ現場で場所を変えるときにも電源を落とさずに移動できるのは便利だ。

 続いて「DAIV 5D-R7」の基本スペックをチェックしてみよう。ディスプレーはノングレア仕様の15.6インチフルHD表示で、色域はNTSC比 約72%、sRGB比 約102%の高色域に対応したディスプレーを採用している。

 一般的なノートPCのディスプレーに比べると色域が広く、ウェブベースやスマホ用のコンテンツ作成なら色確認まで行なえるだろう。

 ベースモデルの状態でCPUにはAMD製「Ryzen 7 3700X」、GPUにNVIDIA製「GeForce GTX 1660 Ti」、メモリーは8GBが2枚でデュアルチャネル動作の16GB、ストレージはNVMe対応の512GB SSD、無線LANは最新規格のWi-Fi 6に対応していて15万7080円。かなりコストパフォーマンスが高く感じられる。ベースモデルの状態で16GBメモリーとNVMe接続のSSDが採用されているため、よほど負荷の高い作業でなければそのまま運用できるスペックなのは嬉しい仕様だ。

 注文時のカスタマイズで変更できるのはメモリーとストレージで、メモリーは最大64GBまで増やせるが、メモリースロットは2つしかないため、後から追加はできない。目的の作業によっては、最初に大きな容量にしたほうがいいかもしれない。ストレージはベースモデルでもNVMe接続になっているので、めったに困ることはなく、追加ストレージとしてSATA接続のHDDもしくはSSDを1基搭載することも可能。また、追加ストレージとして最大2TBのSATA接続のHDDもしくはSSDを搭載できる。

チップセットはB450を搭載。ノート型なので致し方ない

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