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PCI Express 4.0対応でリード5GB/sはもう古い

リード最大7GB/sの衝撃!待望のSamsung製Gen 4対応SSD「980 PRO」を速攻レビュー

2020年09月23日 00時00分更新

 2020年9月23日午前0時、ついにストレージ業界の雄であるSamsungがリテール市場向けに初めてPCI Express 4.0(以下、Gen 4)対応NVMe M.2 SSD「980 PRO」を発表した。国内では250GBモデル(MZ-V8P250B/IT)、500GBモデル(MZ-V8P500B/IT)、1TBモデル(MZ-V8P1T0B/IT)が10月中旬より発売する。想定実売価格は税込みで250GBモデルが約1万円前後、500GBモデルが1万6000円前後、1TBモデルが約2万5000円前後。なお、ラインアップには2TBモデルもあるが、こちらは2020年内の発売を予定している。

遅れてやってきたGen 4対応SSDの大本命

  Gen 4対応SSDと言えば、GIGABYTEがCOMPUTEX TAIPEI 2019で初公開したのが始まりだ。Phison製コントローラー「PS5016-E16」と東芝製の96層3D NANDフラッシュ「BiCS4」を搭載し、シーケンシャルリードが最大5GB/s、シーケンシャルライトで最大4.4GB/sという、Gen 3世代のSSDをはるかに上回る速度をアピールし、その後他社もPhison製コントローラーを採用した近いスペックのモデルを発表して追随した。

 そんな最中において、ド定番SSDメーカーのSamsungが参入していなかったのはやはりいささか不自然であった。同社の抱えるストレージ事業は最先端技術を持ち、市場シェアもかなり巨大なので、最新規格のSSDなどはいの一番に発表しそうなものだからだ。そんなSamsungがGen 4対応SSDについて、国内で初お披露目したのが2019年11月19日都内で行なわれた「Samsung SSD forum 2019 Tokyo」だ。

 この時お披露目したのは、現在自作PC市場で主流のM.2タイプではなくOEM向けでボード型のHHHLタイプだった。しかしその後、今年年初に開催したCES 2020の自社ブース内にて980 PROを展示し、正式発表時期は第2四半期と予告。そして、このたびついに正式発表となったわけだ。なお、CES 2020時はまだ詳細スペックは非公開で、シーケンシャルリードが最大6.5GB/s、シーケンシャルライトが最大5GB/sとしていた。

 ところが今回蓋を開けてみると、なんとシーケンシャルリードが最大7GB/s、シーケンシャルライトが最大5GB/sとCES 2020展示時よりも速くなっていた。しかもこれは1TBモデルの公称値で、いずれ販売される2TBモデルのスペックは未だ公開されていない。Gen 4対応SSDの理論値は最大で約7.9GB/s。ゆえに、さらにNANDを積んだ2TBモデルではさらなる高速性が期待される。

 今回はそんな980 PROの1TBモデルを入手できたので、わずかな期間ではあるが触ってみた感触をレポートしたい。なお、比較対象はGen 3世代の同社の看板SSD「970 EVO Plus」の1TBモデル(シーケンシャルリード:最大3.5GB/s、シーケンシャルライト:最大3.3GB/s)を用意した。コントローラーもNANDもPCI Expressの世代も違うこの両者で、果たしてどの程度の差が出るのか、ご覧いただこう。

Samsung初のGen 4対応NVMe M.2 SSD「980 PRO」の1TBモデル。今回はシールなどの剥がしがNGだったため、外観の紹介のみでご勘弁していただきたい

980 PRO(1TBモデル)の裏側

980 PRO(上)と比較対象の970 EVO Plus(下)を並べてみた

980 PRO(上)と970 EVO Plus(下)の裏側。970 EVO Plusは右辺寄りのシール下に放熱性を高める銅箔層があったので、おそらく980 PROも同様の仕様になっていると思われるが、若干スペースは狭まっている

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