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コスパ最強VRデバイス爆誕!

Oculus史上最高解像度で3万円台からのスタンドアローン型VRHMD「Oculus Quest 2」が登場

2020年09月17日 02時30分更新

PC VRも超えるOculus史上最大の解像度

 Quest 2は付け心地だけでなく、スペック面でも大きくパワーアップしている。6Dof対応なのは初代Questと変わりないが、そのうえでQuest 2では、ディスプレー解像度が3664×1920ドット(1眼あたり1832×1920ドット)になり、2880×1600ドットのQuestから50%増加している。3664×1920ドットという解像度はOculusとしては史上最高、現行のVRHMDのなかでもかなり上位で、ほとんどのPC接続型VRHMDよりも高精細だ。

 近年のVRHMDは高解像度化が進み、ディスプレーのドット間のスペースが網目状に見えてしまう“スクリーンドア効果”などは感じづらくなっているが、Quest 2ではそのなかでもトップクラスの精細さになる。

 リフレッシュレートは、ローンチ時で72Hz、今後90Hzにも対応するとのこと。スタンドアローン型VRHMDは最大リフレッシュレートが72Hz~75Hzのものが多い中、PC接続型VRHMDにも匹敵する90Hzをサポートするというのは驚異的ともいえる。VRゲームはもちろん、高解像度のVR映像作品などを楽しみたい人にも、Quest 2はピッタリなデバイスだ。

 また、Quest 2はベースステーションを使わず、本体のカメラで6DoFの位置情報を判断するが、トラッキングにおいて不具合や遅延などは全くない。コントローラーなしで素手だけで操作可能なハンドトラッキングも実装しているが、その精度もかなりのものだ。

コントローラーなしでもハンドトラッキングで操作可能

トラッキングの精度はかなりのもので、指の動きなどもしっかり認識している

 もう1つコンテンツ体験に影響を与える要素として、本体のみで3Dオーディオを表現可能なシステムを搭載している点も見逃せない。ヘッドストラップ部に搭載されたスピーカーで、ゲームなどでの位置オーディオを再現できるようになっている。

ヘッドストラップ部のスピーカーは、位置オーディオを再現可能

 今回、試遊としてVRバトルロイヤルゲーム「POPULATION: ONE」をプレイしたところ、上空の飛行機が通り過ぎていくときの音の流れや、敵の銃声の方向なども、このスピーカーだけで結構判別できた。

 もちろん3.5mmジャックにイヤホンやヘッドホンを差して使用してもいいのだが、VRHMDは目元を完全にふさぐデバイス。そのうえヘッドホンなどで耳までふさぐと、その圧迫感は意外と馬鹿にできない。そんな中、耳をふさがずにこれだけ3Dオーディオを再現できるというのは、快適かつ高品質なゲーム体験をサポートする上で有用な機能だ。

 ちなみにQuest 2のSoCには、クアルコムのXR向けプラットフォーム「Snapdragon XR2」を採用している。Snapdragon XR2は、SoCのポテンシャル上では、次世代の移動通信システム5Gや、8K 360度動画の60fps再生にも対応しているという。こちらにおいてもQuestのSnapdragon 835から大きくスペックアップしていることになる。

最大の魅力は価格! コスパ最強VRHMD

 次世代機になって一番注目すべき変化は、実は性能よりも価格設定かもしれない。ここまで見てきた通り、Quest 2は前世代に比べて大きくスペックアップしている。にもかかわらず、価格はQuestよりも安価だというのだから驚きだ。

 前世代のQuestは最もストレージ容量が少ない64GBモデルが5万円前後という価格だったため、Quest 2では同容量で1万円以上安いことになる。また、Questは128GBモデル、Quest 2は256GBを上位モデルとして用意しているが、なぜかQuest 128GBモデルよりもQuest 2 256GBの方が安くなっている。

Questは128GBまでしかないが、Quest 2の上位モデルは256GB。しかも安い

 加えて、今回はOculus初の日本での店頭販売も実施する。ビックカメラ、ヤマダ電機、ヨドバシカメラ、GEOなどで販売するとのこと。大型の家電量販店にも入荷することで、通りすがりの人の目にも留まりやすくなり、なかなか知識を得る機会のないVRデバイスについて、販売員の方に尋ねることも可能。場合によっては、店頭で体験もできる可能性もある。

 なおQuest 2本体のほかにも、各種のアクセサリーも発売される予定だ。本体やコントローラーなどを収納して携帯できる「Quest 2携帯用ケース」(税別6100円)や、顔の大きさに合わせて取り換えられる大小2個のフェイシャルパッドなどを同梱する「Quest 2フィットパック」(税別4800円)などが販売予定。

 加えて、バッテリーを内蔵することでQuest 2の駆動時間を延ばせる専用ヘッドストラップなどが入った「Quest 2 Eliteストラップ バッテリーおよび携帯用ケース付き」(税別1万6000)も販売する。Quest 2はバッテリー駆動時間が2~3時間と少々短めだが、このバッテリー内蔵ストラップをつけることでより長い時間VRを遊んでいられるわけだ。

 そのほか、初代Questでも対応していた拡張機能「Oculus Link」用のケーブルも販売する。価格は税別9800円。Oculus Linkは、スタンドアローン型のVRHMDをPCと接続することで、高性能なビデオカードの演算能力などを活用し、より多様なVRコンテンツを遊べるようにする機能だ。手軽に遊びたいときはQuest 2単体で、じっくり遊びたいときはOculus LinkでPC VRを楽しむといった使い方もできるようになっている。

これからVRを始めるならコレに決まり

 過去のOculusデバイスの日本での人気を見てみると、もっとも安価な価格設定だったOculus Goが比較的広い購買層を獲得したのに比べ、その後に発売したQuestは、Oculus Goほどの話題性を得ることはなかった。スペックは格段にアップしたものの、「ちょっと買ってみる」というレベルの値段ではなかったことで、もともとVRに興味があった人たち以外にはそれほど受け入れられなかったのだろう。

 その点においてQuest 2は、Oculus Goほどは安くないものの、手の届く価格帯には収まっているといえる。そのうえで性能の向上は著しく、負荷の高い高品質なVRコンテンツも大いに楽しめる。

 セッティングも既存のVRHMDと比べて非常に簡単。セットアップにiOSまたはAndroid端末が必須になるものの、本体を起動して画面の指示に従っていけば、実作業は30分もかからずに完了するだろう。めんどくさいPCとの接続やトラッキングのためのベースステーションの設置も必要もなく、VR初心者でもすんなりゲームを遊べる段階に入れるはずだ。

セッティングはスマホアプリと連動して行なう

 総じて、VR体験のハードルを下げながらも、遊べるコンテンツの質は高いレベルに確保された、非常に完成度の高いプロダクトだと感じる。これからVRを始めたいという人にとって、入門機としても大いにオススメできる製品だ。

 前述の通り、Quest 2は日本での店頭販売も実施するので、気になるけど買う決心がつかないという人は、とりあえず置いてある店に見に行ってみるという手もあり。お近くの家電量販店をチェックしてみよう。

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