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日産「キックス」は微笑みの国生まれの「誰もが笑顔になれる」SUVだった

2020年09月06日 15時00分更新

街中の走行性能をチェック!
大きいけど静かに走れる

ワインディングを走行している車内

 まずは街中ではエコモードで走行。すぐに感じたのは「大排気量SUVと変わらないのでは?」と思えるほどの静かさ。エンジンに起因する振動がないから当たり前、と思われそうですが、ノートe-POWERやセレナe-POWERと発電用エンジンが動き出す制御が異なるようで、時速35km前後ではあまりエンジンがかからない様子。いっぽう速度を上がるとエンジンがかかるのですが、ロードノイズが増えるために気にならない。それゆえ、静粛性の向上しているように感じるのです。

山道を走るキックス

 次なる驚きは「軽快さ」。サスペンションはやや硬めなうえに、モータードライブらしい低速トルクの太さ、そしてコンパクトな車体と相まって、街中でも運転していて楽しいし、高速道路では乗り心地の良さにつながっています。一方で、キャッツアイなどを踏むと、ボディー全体が大きく揺れたりします。

燃費と加速が両立したS(スマート)モードのディスプレー

燃費を重視したエコモードのディスプレー

ノーマルモード。こちらは高速道路の運転に向いているとしている

エコモードに加えて完全電気だけで走行するマナーモードをオンにした状態

 キックスのワンペダル動作は、過去のe-POWER搭載車よりも動きがマイルドというか滑らかという印象。従来はアクセルペダルをリリースした瞬間に、つんのめるような感じを受けたのですが、キックスではそのような感じを受けることなく、スーッと減速し停車します。基本的に街乗りや高速道路の巡行などはエコモードで事足りますが、峠道の上り坂になると、パワー不足を感じることも。その時はSモードにすればグングン登っていきます。

ステアリングコラム右側に設けられたプロパイロットボタン。速度のほか車間距離設定も可能

プロパイロットを動作させて巡行している様子

高速道路において、アクセルのほかハンドル操作も支援し、同一車線での巡行に役立つ

 近年の日産車といえば高速道路における運転支援「プロパイロット」が広く知られているところ。スカイライン・ハイブリッドのようなハンズオフはできませんが、キックスにも搭載されています。最高で時速135kmまで設定できますので、新東名の最高速度120km/h区間にも十分対応できます。

 早速使ってみると、安定感は今までと大きくは変わりありませんが、従来のプロパイロット搭載車に比べて介入感が弱まったように感じました。また、ハンドルを完全に手放してから警告が出るまでの間が、少し短くなったようです。これは想像ですが、介入感を強くするとドライバーが「クルマに任せていいんだ」と思ってしまうから、弱めのセッティングに変えたのでしょう。

 気になる燃費は高速道路と一般道を合わせた試乗で16.5km/リッター。ちなみにレギュラーガソリン対応車ですので、経済性も悪くなさそうです。

取材時の燃費。リッター16.5キロを記録した

 SUVに何を求めるのかは異なりますが、「荷物の積載性」「静粛性」の2点を求めるなら、キックスは期待に十分応えてくれる1台。なにより他のSUVに比べて「運転して楽しい」と思わせてくれる走りの良さは魅力十分。SUVを検討されている方は、キックスに触れてみることを強くオススメします。

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