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KDDI、防災の日を前に災害・イベント対策を公開、5G対応基地局車も披露

2020年08月28日 09時00分更新

イベント対策用に5G対応車載型基地局も開発

 さらに建設本部 エリア品質管理部 計画推進G 課長補佐の赤松諒介氏は、イベントでの通信品質向上に向けた取り組みについて説明した。

 赤松氏が所属するエリア品質管理部では基地局の状況や利用者からの申告、現地調査などを基にネットワークの品質向上を進め、ネットワークの不満解消に取り組んでいるとのこと。中でも花火大会や音楽フェスなどの大規模イベント開催時は、一時的に多数の人が集まりトラフィックが急増することから、電波の一時的な増強が必要になるという。

 そこで同社ではイベント対策に特化した車載型基地局車を用意している。災害用の車載型基地局は素早く最小限のエリア復旧を重視して作られているため、バックボーンに衛星回線を用い、射出する電波の周波数帯も広域をカバーできる低い周波数帯に限定されているが、イベント用のものは多数のトラフィックに対処するためバックボーンは光回線の活用を前提としており、KDDIや傘下企業が保有する周波数帯をフル活用して大容量通信ができる設計になっている。

 さらにKDDIでは、これをベースとして5G対応の車載型基地局を新たに開発した。こちらは4Gの全周波数帯に加え、KDDIが免許を持つサブ6、ミリ波の双方に対応し、5Gでの通信が可能なことからさらなる大容量通信に応えられる。

5Gにも対応したイベント対策用の車載型基地局。通常の車載型基地局とはカラーも異なる

アンテナを伸ばしたところ。上部のひし形のアンテナが全ての4G周波数帯、その下にある2本のアンテナがサブ6(n78)、隣の長方形のアンテナがミリ波(n257)用だという

5G車載型基地局の内部。多くの周波数帯に対応するため、多数の無線設備を搭載していることがわかる

 赤松氏は「今はイベントを開催できないが、チャンスを見て積極的に展開していきたい」と話している。コロナ禍が収束し再び大規模イベントが開催できるようになり、「au 5G」ロゴの入った車載型基地局が多くの場所で活躍する日が来ることを期待したいところだ。

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