助成金なども有効活用できる
また、2020年度の電波漏洩対策補助事業の助成金についても触れた。
総務省では、「衛星放送用受信環境整備事業(中間周波数漏洩対策事業費補助事業)」を開始しており、7月1日から交付、7月8日から助成金の申請受付を行っている。2021年2月19日が申し込み締め切りとなっている。
家庭内で利用するブースターや分配器から、電波が外部にもれない機器に交換することで、新4K8K衛星放送の受信に影響をおよぼさないようにする際に、費用の一部を負担する。助成規模は8億円。
同助成金は、2018年度から実施してきたが、「業界内の声などを反映して、今回は申請を簡素化。提出書類が減り、申請書や報告写真がシンプルになり、システム系統図も不要となった。来年の東京オリンピックに向けて、ぜひ活用してほしい」(A-PAB 4K8K推進センターの宇佐美雄司センター長)とした。また、JグランツやA-PABのホームページを利用して、7月下旬からスタートする電子申請では、助成金交付申請書、委任状兼助成対象者確認書、身分証などのコピーが揃えば行えるようになっている。
ステイホームはテレビ需要を後押し、しかし話題性が一段落ついた4K/8K衛星放送の関心をどう高めるかが課題
一方、A-PABは、2020年度から執行部が新体制となっている。新たに理事長に就任した相子宏之氏は、「放送は日本人にとって欠かせない文化である。放送が人々によって価値があるものであり続けるために、さらに進化を目指して、努力をしていく。総務省から放送用周波数を有効活用するための技術方策に関する調査検証事業を受託し、衛星放送用受信環境整備事業の交付も得た。ここにしっかりと取り組みたい。一方、新4K8K衛星放送を視聴できるテレビは、家電店のテレビ売り場のメインとなり、価格も手が届きやすくなっている。新型コロナウイルスの影響により、テレビ視聴時間が増加し、新4K8K衛星放送が視聴可能なテレビも順調に普及している。今後も関係団体と連携して普及活動に取り組んでいく」とした。
また、阿部浩二専務理事は「放送と通信の本格的な融合が進むなど、放送をはじめとするメディアが急速に多様化し、新型コロナウイルスの出現により、放送というメディアが果たすべき社会的役割と機能が改めて問われる状況も生まれている。A-PABは時代の変化に的確に対応しながら、放送サービスの高度化に資する業務のほか、技術規格のメインテナンス、ESやRMPの管理など、放送を支えるインフラの安定運用を継続的に実施していく。さらに、新4K8K衛星放送の普及推進に向けて、引き続き周知広報に注力する」と述べ、笹尾敬子常務理事は、「ステイホームの影響で、新4K8K衛星放送視聴可能機器は、順調な伸びを示している。そして、2020年12月には、BS衛星放送開始20年、新4K8K衛星放送開始2周年の節目を迎える。だが、新4K8K衛星放送に対する認知度が放送開始当初より下がっている。積極的な周知広報を心がけていく」と語った。
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