AI導入は実証実験段階で止まりがち、大企業との格差も浮き彫り
続けて、AI白書2020で実施した調査および第5章の特集について、IPA 社会基盤センター 社会基盤センター リサーチグループの遠山真氏が、解説と見解を語った。
AIの導入状況を把握する目的で、約7000社(AIベンダーは除く)に送付したアンケートの結果によると、回答した企業541社の中で、実導入が進んでいるのは4.2%、実証実験まで実施しているのが4.8%だった。遠山氏によると、この数値はAI白書2019での調査結果とほぼ変わらないという。「IPAが導入を支援するAIベンダーにヒアリングしたところ、実証実験止まりで終わってしまうケースが多く、AIの普及については懸念が残る」と遠山氏は話す。
導入コストやAI人材の確保に難しさを感じる声
AIの導入を検討するにあたっての課題では、「自社内にAIについての理解が不足している」「導入効果が得られるか不安である」といった回答率が、AI白書2019の調査に比べて減少しているものの「導入費用が高い」「AI人材が不足している」といった課題はほぼ横ばいで、企業の悩みが浮き彫りになった。
この結果について遠山氏は、「近年のメディアを中心とした情報提供により、AIに対する理解度は高まっているが、いざ導入する段階になると資金や人手が足りていないという企業の実情がうかがえる」と話した。
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