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VAIO SX12/SX14に6コア高速チューニングモデル追加、レッドとオールブラックの特別版も

2020年01月23日 09時00分更新

 VAIOは1月23日、「VAIO SX12」(12.5型)「VAIO SX14」(14型)の新モデルを発表した。価格はオープンプライス。税別の実売価格はともに12万円弱程度から。

VAIO SX14

VAIO SX12

 第10世代のCore iシリーズ(Comet Lake)の搭載が可能となった。Core i7-10710U(6コア12スレッド)、Core i5-10210U(4コア8スレッド)、Core i3-10110U、Celeron-5205Uが選べる。なお、法人向けの「VAIO Proシリーズ」については、まだ新ラインアップが発表されていない。

主な仕様
機種名 VAIO SX14 VAIO SX12 備考
CPU Core i7-10710U(6コア12スレッド)●
Core i5-10210U(4コア8スレッド)●
Core i3-10110U(2コア4スレッド)○
Celeron-5205U(2コア2スレッド)○
●VTP対応
○VTP非対応
メモリー 4GB、8GB、16GB
ストレージ 128GB(SATA)、256GB(SATA)
256GB(PCIe)、512GB(PCIe)
1TB(PCIe)、2TB(PCIe)
解像度 4K、フルHD フルHD
LTE 搭載可
指紋認証 搭載可 搭載
顔認証 搭載可
キーボード 英語、日本語
英語(隠し刻印)、日本語(隠し刻印)
通常モデルは
隠し刻印×
TPM 搭載可
OS Windows 10 Pro、Windows 10 Home
重量 約999gから 約888gから
カラー ブラウン
シルバー、ブラック
ALL BLACK、RED
ブラウン、ピンク
シルバー、ブラック
ALL BLACK、RED


※SPECIAL EDITIONは上位仕様のみ

6コア時代に合わせた新しいチューニング

 VAIOならではのチューニングで、パフォーマンス向上が得られる「VAIO TruePerformance」(VTP)は、第3世代に進化。CPU側のコア数が最大6コアに増えたことで、チューニングの余地が上がり、より高性能を追究する余地が生まれたとする。

 CPUの性能は動作クロックによって上下するが、同じCPUだからといって常に同じ動作クロックが選択されているわけではない。高負荷がかかると、アイドル状態から瞬間的に動作クロックが最大値付近(最大パフォーマンス)まで上がるが、その後は定格クロック程度(持続可能パフォーマンス)まですぐに下がって処理が続く。つまり、高負荷だからといって常に最高パフォーマンスで動作させられるわけではないのだ。

 ただし、この持続可能パフォーマンスは、しっかりとした冷却をし、安定した電源でCPUに高い電圧をかけられれば、底上げができる。VAIOはここに注目し、持続可能パフォーマンスをなるべく高く維持できるチューニングを施した。これがVAIO TruePerformanceだ。同じCPUでも一段高い性能が引き出せるため、コストを抑えつつ高性能を得られる点がメリットだ。

 VTPは、2018年1月発表のVAIO S11/S13で初採用。2019年モデルでは、パフォーマンスの引き上げ幅を拡大。最新世代となる2020年モデルでは、持続可能パフォーマンスの底上げに加え、最大パフォーマンスをより長く継続させる点にも挑戦した。アプリケーションやOSの立ち上げ時などの性能向上に効果的だという。

 ちなみに、同じパフォーマンスを得ようと思った場合、4コアモデルよりも、6コアモデルのほうが1コア当たりの電力を低く抑えられる。つまり6コアモデルのほうが、電圧を上げることによる性能向上のマージンが広く、パフォーマンスの上昇幅が大きくなる。VAIOの調査では、第8世代のCore i7-8565Uと、第10世代のCore i7-10710U搭載モデルでそれぞれVTPをオンにした状態の比較で、約40%も性能がアップする。一方、4コアのCore i5-8265UとCore i5-10210U搭載モデル同士でも約14%性能がアップするという。

MAXON Cinebench Version20.0.6.0でのベンチマークスコア。※VAIO株式会社調べ。試作機における測定結果で、使用環境やスペック構成により、結果が異なる場合がある。

 なお、冷却性能を上げるために、サーマルパッドは従来の2.5倍程度の面積とし、伝導率を上げた。下の写真はヒートパイプ。左がSX14で、手前のほうが太くなっているのが分かる。右のSX12ではフィンの部分の素材をアルミから銅に変更している。

 なお、発熱する場所が集中すると、底面にヒートスポットができる。これを避けるため、SX14は銅シートを追加。SX12ではグラファイトシートを利用している。異なる素材を使っているのは、ボトム面と基板との間隔がSX12のほうが近いためだ。

シールド部は電磁波の干渉を防ぐためのものだが、放熱にも使っている

 また、細かな工夫としてはファンの下に、ゴムのブッシュを入れている。これによって風が発熱の多い部分を中心に流れる。細かい配慮だが、重要なポイントだという。

バッテリー駆動時間は公称20時間越えに

 もうひとつの改善点は、バッテリー駆動時間。SX14のFHDモデルでは、リフレッシュレートの動的制御と高効率なバックライトの採用により、従来の液晶ディスプレーより大きく消費電力を低減できた。結果、公称で最大約20.5時間のバッテリー駆動(VAIO SX14のフルHDモデル)が可能となっている(なお、SX14の4Kモデルは約8.5時間、SX12のフルHDモデルは約14.5時間)。

 ストレージには最大2TB(PCIe接続)のSSDも選択できるようになった。

 セキュリティ面では、顔認証と指紋認証のダブル生体認証に対応。また、起動時BIOS認証(Phoenix PassKeyのPowerOn パスワード)については、新モデルではキー入力だけでなく、Bluetooth接続のスマホやUSBフラッシュメモリーの代用もできるようになった。特にBluetooth接続は自動で行われるので、ノーアクションでWindowsログインが可能となり便利だ。

 従来機種の特徴だった、薄さと快適な傾斜角が両立できるチルトアップヒンジ、5Vアシスト充電、静寂キーボード、キーボードバックライトなどは継承する。ペンはさみ試験など堅牢性に関するテストも同様だ。USB Type-C経由でのディスプレー出力も可能だが、Thunderbolt 3ではなくDisplayPort経由となる。

 USB Type-C経由の多彩な充電方法が選べる点はVAIO SX12/14の特徴だが、今回から専用アクセサリーとして、純正の「Type-C ドッキングステーション VJ8PRA2」(1万2400円+税、2月25日発売)やサンバレー製の「Type-C薄型ACアダプター RP-OPCF001」(8100円+税、1月23日発売)を投入する。

 前者は、本体とケーブル1本で接続でき、充電、ディスプレー出力、外付け機器の接続などをまとめられるもの。HDMI、VGA、USB 3.0、Ethernetなどに対応(HDMIとVGAは同時利用不可)。サイズは幅125×奥行き48×高さ17mm。後者は、45W出力で厚さ約16mm、約85gと薄型軽量なつくりだ。なお、CTOで同時購入すると価格が安くなる。

 VAIO SX12の本体サイズは、およそ幅287.8mm×高さ15.7~18.0mm×奥行203.3mm、SX14の本体サイズはおよそ幅320.4mm×高さ15.0~17.9mm×奥行222.7mm。カラーバリエーションは、SX12が4色、SX14が3色。ブラック・シルバーに加え、ゴールドのオーナメントを持つブラウンモデルが好評。SX12ではピンクも選べる。

英語キーボードと、日本語キーボードの両方が選べる

 加えて、Core i7搭載の高性能な構成のみに対応した、SPECIAL EDITIONとして「ALL BLACK EDITION」を投入する。「ALL BLACK EDITION」では、新たに、隠し刻印キーボードの選択も可能となった。これは、使う人には見えるが、遠くからは見えないキートップの設計にチャレンジしたものだという。キーピッチは約19mm、キーストロークは約1.2mm。

通常刻印と隠し刻印のキートップの違い

 通常刻印では、レーザー刻印を使用している。成型した樹脂の上に白の塗料を塗り、その上にさらに黒の塗料を塗って、レーザーで白の部分が出てくるように溶かす。印刷に比べて禿げにくいのが特徴だ。さらに摩耗性の対策のために、フッ素含有UV硬化塗装を使っているが、ここがちょっとした問題になる。コントラストが少し、悪くなるためだ。そこで中間塗装を2度塗り、レーザーがばらついて強く当たっても真ん中の層がしっかり残るようにしたのが隠し刻印となる。

 また、VAIO S11で限定販売した「RED EDITION」も改めて投入。塗装方法は基本的には同じだが、上質な光沢塗装と深くて吸い込まれるような赤が印象的だ。パームレストも天板に合わせて特別に手間暇をかけて、鮮やかな色にするとともに、赤を引き立てるようにレッドとブラックのツートンにしている。VAIOでは、S11ではできなかった、隠し刻印キーボードにすることで、赤と黒の対比がより高まったとする。パッケージも赤で、VAIO Storeでは、RED EDITION特別仕様のレザーPCケースも入手できる。タンニンなめし、最高級のイタリアンレザー。革の黒の質感に加えて、赤のステッチが印象的だ。

 なお、新生活応援キャッシュバックキャンペーンとして、最大1万5000円(学生)のキャッシュバックが選べる。

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