週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

大切な人を抱きしめたくなる映画「潔く柔く きよくやわく」 - 10月26日公開

2013年10月22日 17時30分更新

 最近、漫画が原作の映画作品が増えつつあります。本作の原作も2004~2010年まで集英社の「Cookie」で連載されたオムニバス形式の恋愛漫画です。「なんだ。またよくある純愛ものの女性向け映画か」と思っている方も多いのではないでしょうか。しかし、原作「潔く柔く」は女性はもちろん男性ファンも多いところが特徴。1人の人物を中心に揺れ動く男女の心の機微を、作者いくえみ綾がリアルに描いています。本作は、原作「潔く柔く」の根幹となる人物のストーリーを抽出したもので、幼なじみのハルタを失った主人公カンナの心の再生を描く物語です。

 15歳の花火大会の夜、カンナへの1通のメールを残してハルタは交通事故に遭い帰らぬ人に。ハルタの想いを知っていたカンナは誰かを好きになることができないまま、8年の時が流れます。そんなカンナの前に、同じく過去に傷を負った赤沢禄が現れカンナを救おうとするが――というのが作品の流れです。

 正直なところ、さすがの長澤まさみももう20代後半、高校生を演じるのはなかなか厳しいのでは……と作品を観る前まではハラハラしていました。しかし、上映開始から5分も経たないうちにその不安はあっさり裏切られます。思春期にありがちな異性や恋愛への戸惑いを自然体で演じる長澤に、終始胸キュンしっぱなし!さらに高良健吾や波瑠、中村蒼など、魅力的かつ実力派のメンバーによってぐいぐい作品に引きこまれてしまいました。
 そして岡田将生が演じる赤沢禄も、幼いころの記憶に苦しむひとり。逃れられない罪悪感と葛藤しつつ、「ずっと消えない」とわかっている心の傷と生きる赤沢を印象的に演じています。自身に向き合い、乗り越えようとするふたりの姿に幾度も心を締め付けられました。

 また、斉藤和義による主題歌「かげろう」も見逃せないポイントです。優しいメロディーを彩る歌詞のひとつひとつが登場人物たちを物語っており、本作の世界観を見事に歌い上げています。原作を読んだことがない方でも楽しめる作品に仕上がっているので、ぜひ劇場でご覧になってください!

 

 

記事アイコン
©2013「潔く柔く」製作委員会 ©いくえみ綾/集英社

作品名:潔く柔く きよくやわく
公開日:2013年10月26日(土)
劇場:全国東宝系ロードショー
配給:東宝
映画『潔く柔く きよくやわく』公式サイト

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります