Q 今回のスーパーボウルの見所について教えてください
春日:NFL倶楽部で開幕からスーパーボウルまでの道を追いかけてきたんですけど、我がスティーラーズが行ったというのは感慨ひとしおですねえ。
若林:……ファンになって1週間ですよね、まだ?(※)
春日:いや、最初からですよ。黒いユニフォームで。最初のほうはローちゃんがいなかったんでねえ。どうなることかと思ったんですけど、そのぶんを取り返すくらいのプレーオフでの活躍があったんで、ローちゃんを
若林:ロスリスバーガーね。(※)
春日:パッカーズのディフェンス陣がどう止めるのかというね。こちらのスティーラーズ側はパッカーズのオフェンス陣をどう止めるのか、パッカーズくんはカーテン(※)を開けることができるのか、というところですね。
あとスティーラーズのロスリスバーガーくんとメンデンホールくん、名前の長い選手2人の(※)の活躍は見所ですね。
若林:パッカーズもスティーラーズもディフェンスが非常に強いチームなので、ディフェンスでいろんなトリック(※)を仕掛けたりするのを楽しめると思います。
あまりアメフトを知らない人でも、スーパーボウルはもともと熱さがあるものですから、見ていればわかると思いますね。
あとカウボーイズスタジアムのモニター(※)が、縦が22m、横が48mと非常に巨大なスクリーンなので、個人的にはそれを見るのが楽しみです。
※ファンになって1週間:春日はシーズン開幕当初はカウボーイズを応援。1勝7敗とプレーオフが絶望になると、ジャイアンツに乗り換えていた。
※ロスリスバーガー:ピッツバーグ・スティーラーズのエースQB、ベン・ロスリスバーガー。その巨体をもじって“ビッグベン”と呼ばれている。
※カーテン:鉄鋼労働者を意味するチーム名をもじり、スティーラーズディフェンスの強さは「鉄のカーテン(スティールカーテン)」と呼ばれている。
※名前の長い選手:ロスリスバーガー( Roethlisberger )は、地元ファンでもスペルを正しく書けない人が多い。ピッツバーグには 、その名も『Roethlis-burger』という特大ハンバーガーを出すレストランもある。
※トリック:NFCチャンピオンシップでパッカーズは、体重150kgの巨漢ラインマン、B.J.ラジをパスカバーに下がらせ、まさかのインターセプトTDを奪取した。
※モニター:三菱電機の『オーロラビジョン』が天井から吊るされており、世界最大のフルハイビジョンスクリーンとしてギネスブックに認定された。
マジメなアメフトトークの最中でも、春日が言葉に詰まると若林が絶妙なツッコミでフォロー。ディフェンスとオフェンスの組み合わせの妙と言えよう。 |
Q 今季のNFLで印象に残っている試合やプレーはありますか?
春日:ひとつだけというのは難しいですが、やはりマックス・ホール(※)くんですかねえ。ヘルメットが取れながらボールの行方を追っているときの顔、そしてサックやらタックルを受ける姿。受けた後に控え室に戻っていく背中。っていうのしか思い返せないですねえ。
若林:それ以外は忘れちゃった(笑)。
春日:やはりなかなかいないキャラクター、チームに愛されているというか、チーム全体にイジられているロッカールームが簡単に想像できるんですよね。だから感情が入ってしまうというか。面白い男が現われた、来シーズンが楽しみだというのがありますね。
若林:ボクはジェッツを1試合目から応援してきて、カンファレンスチャンピオンシップまで進んだということもあり、1試合1試合が楽しみでした。とくにコルツとペイトリオッツに勝った試合は、選手の誰それというよりチーム全体の雰囲気が非常に焼きついてましたね。
それだけにスティーラーズとの戦い(AFC決勝)。誰に聞いてもどっちが勝つかわからないという試合を本当に楽しみにしていて、知り合いに録画してもらったんですけど、母親からのメールで試合結果を先に(知ってしまった)というね、すごくベタな、こすられたエピソードトークになってしまいましたけど、それが残念です。そんなわけでプレーオフのジェッツが印象に残ってますね。
※マックス・ホール:カーディナルスの新人QB。ドラフト外入団ながら10月10日のセインツ戦で初先発、初勝利を挙げた。だがシーズン通算では1TDパス/6インターセプト、5ファンブル(2ロスト)と散々な成績に終わった。
Q 今回の組み合わせは両チームとも何回も優勝を経験していますが、それに対する特別な印象はありますか
若林:スティーラーズがここ最近スーパーボウルチャンピオンになっているという印象があるので(過去5年で2回優勝)、ここらでパッカーズにスーパーボウル獲ってほしいなという気持ちはありますね。
春日:我がスティーラーズが獲ると7度目の優勝ということで、これは最多になるんですよね? そこを見てみたい。ローちゃんの底力というか、(プレーオフでは)レギュラーシーズンと違う力を温存してたんじゃねえかというくらいの輝きを放ってたんで、それを目に焼き付けたいというか確認させてもらいたいですね。そして栄誉をたたえたいですね。
Q 注目の選手は?
若林:もちろんロジャーズ(※)がどんな動きをするかということで、スクランブル(※)を見るのを楽しみにしています。あとランニングバックの44番のスタークスですね。ボクも(高校のアメフト部では)ランニングバックで44番だったんで、非常に感情移入しているという感じです。
春日:挙げたらキリがないですけどねえ。う~ん。
若林:ロスリスバーガーしか知らないんじゃないの?
春日:バカなこと言うんじゃないよ。メンデンくんも気になりますし、私ディフェンスの男でしたので、ポラマル殿(※)がですがね、いま(ユニフォームを)着てますけど、私と共通点がたくさんあって、何をするかわからない、自由奔放な感じ、ワイルドな感じ。
※ロジャーズ;パッカーズのエースQBアーロン・ロジャーズ。長年のエースだったブレット・ファーヴからチームを引き継ぎ、冷静沈着なプレーでチームを再生させた。
※スクランブル:ディフェンス選手に追い込まれたQBが、自らのランで突破すること。もともとは戦闘機の緊急発進の意味。
※ポラマル:スティーラーズのストロングセーフティ(SS)トロイ・ポラマル。ポジションにとらわれない自由な動きで、常にボールのあるところに出現する、近代NFLを代表する名選手のひとり。
若林からのツッコミに過剰に反応する春日。たしかにスティーラーズの各選手のことまではまだ、把握していないようだった!? |
あと、髪型ですよね。向こうは髪が長いという特徴があって、私も髪型に特徴をもってやらせてもらっているんで、そういう共通点から他人じゃないなあと。
あと、スーパーボウルという大舞台でアイツはけっこうやってくれると思うんです。並みの選手じゃ思いつかないようなプレーを。
若林:そういう選手ですからね、ポラマルは。
春日:(ヒソヒソ声で)そうなんスか?
若林:野生の勘っていうかね。
春日:そうなんスか?
若林:あとレッドマンとか、ランニングバックの。
春日:(さも知っていたかのように)まあ、ランニングバックのレッドマンとか。あとレシーバー誰いたっけ?
若林:レシーバーは、えーっと
春日:(答えを待たずに)レシーバー陣の活躍とか。ただ私はもともとディフェンスですから、ディフェンスのカーテンがどれくらいブ厚いのか、開かないのかっていうのが注目ですね。
ヒソヒソ声で若林にスティーラーズのことを教えてもらおうとする春日。にわかファンながら、勉強熱心(?)なところを見せた。 |
若林:パッカーズだとディフェンスタックルのラジ。フルバックに入ってリードブロック(※)したりとか、インターセプトもして、(そういう選手は)なかなかいないんで。囮になったプレー(※)でファンになってしまいました。
※リードブロック:ボールをもって走るRBの前で、相手をブロックしながら走路を切り開く役目。ディフェンス選手がリードブロックを担当するのは非常に珍しい。
※囮になったプレー:NFC決勝でラジがリードブロッカーの位置にセット。相手にRBによるランを警戒させたうえで、QBロジャーズが右オープンへのランでTDを奪った。
(後編に続く)
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