非公開の寺院を余すことなく撮影せよ!
さて、今度は場所を嵐山の方へと向かう。ここから先に紹介する寺院は通常は非公開。だが3月15日(日)のみ行なわれる京都駅発着バスプラン「京の庭を楽しむ非公開石庭めぐり」の参加者のみ見学できる。
まずひとつ目の寺院は臨川寺。天龍寺の東に建つ開山堂で、1335(建武2)年に後醍醐天皇が第2皇子・世良親王の菩提を弔うために建てられた。賑わいを見せる街において、凜とした静けさの寺がある。嵐山の賑わいとは無縁といえる静寂さを保つ境内は、おごそかな雰囲気。それもそのはず、かつては門前(渡月橋~芹川橋間)に関門を設けて通行禁止にするほど、国師入定の霊地として重要視された寺院なのだ。門をくぐると中門まで一直線に石の参道が伸びている。
歩き進めると中門へ。山門額は足利義満の筆によって書かれたものだそうで、その先には見た事もないような広大な石庭と、臨川寺三会院と呼ぶ開山堂(本堂)がある。
枯山水の「龍華三会の庭」の中央の三尊石は、それぞれ釈迦如来、文殊菩薩、普賢菩薩を意味し、その四方に十六羅漢が跪いて佛菩薩の法話を伺おうとするさまを表しているという。iPhone 11 Pro Maxの超広角モードでなければ、この16羅漢を写真に納めることは不可能だ。ここで中門から本堂への参道がないことにお気づきだろうか。これは本尊の弥勒菩薩から庭が美しく見えるようにしているためだとか。
弥勒菩薩像に拝礼した後、その奥に進むと開山・夢窓国師の像と、その下に墓(棺)が安置されている。
本堂を出て裏に回ると、後醍醐天皇が第2皇子・世良親王の墓が。その前には宮内庁の木製看板が立てられ、聖なる土地であることが示されていた。ちなみに宮内庁の職員が定期的に訪れては清掃をしているそうだ。
臨川寺を出て次なる非公開寺である弘源寺へ。
臨川寺の荘厳さとは異なり、一見普通の民家かと思える寺院なのだが、それがとんでもない。まず嵐山を借景とした石庭は、その美しさにため息が出るほど。
庭を眺めていると、柱に傷があることに気付く。これは幕末の頃、 池田屋事件をきっかけとする蛤御門の変(1864年夏)を起こした長州藩士が弘源寺に逗留した際、日本刀で試し切りした際の傷跡というから驚き。
そして別棟に移動して毘沙門天を拝む。よく見る毘沙門天像と比べて、体がかなり曲がっている様子。ここまで曲がっているものは文化庁の職員でも見たことがない、という貴重なものだそうで、国の重要文化財に認定されている。天井には四季草花四十八面の絵画が描かれていた。
こうして石庭巡りの旅は終了。京都にはほかにも石庭は数多くあり、寺院によっては坐禅体験も行なっている。禅宗は見て体験する宗教でもあるので、悟りを開くことは無理だとしても、その一端にこの冬触れてみてはいかがだろうか。
【まとめ】超広角モードのiPhone 11 Pro Max
ユーザビリティーのPixel 4 XL
2台を使ってわかったのだが、撮影だけを考えたら超広角モードを有するiPhone 11 Pro Maxでキマリだ。仏像などを撮るなら両機の広角モードで十分だが、庭までカバーするとなると超広角モードがなければ全体像はつかめない。それだけで購入するに十分価値がある。15mmや14mmの超広角レンズは買おうとすると恐ろしい値段になるだけに、その画角がポケットに入るというだけでも魅力的だ。
ではPixel 4 XLは不要かというと、その色味や画質に魅力を感じる。なによりファイルサイズが小さいというのは最大の利点だ。撮影後のiPhone 11 Pro Maxを見て驚いたのは、10MB超えのJPEGファイルが大量にあったことで、それゆえ撮影データの転送にやたら時間がかかった。また本体が重たく、たかだか30gの差と思われるかもしれないが、いざ長時間持ち歩くとシンドイ。その意味で、Pixel 4 XLのほうがユーザビリティーが高く思えた。
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