あえてネットワーク接続機能を省いた理由
サウンドバーは多機能化が進んでいる。サラウンド再生用の各種モードの搭載に加えて、Wi-Fiや有線接続のネットワーク機能を持ち、音楽ストリーミングサービスの利用やスマホや音声を使った操作などをアピールするものも増えてきた。
しかし、サウンドバーにどこまでの機能が必要かは考えてみる必要がある。というのも、最近のテレビは、放送だけでなく、「Netflix」や「Amazon プライムビデオ」といった動画配信サービス、「YouTube」に代表される動画共有サービス、「AbemaTV」や「DAZN」のようなネット放送、さらには「Spotify」のような音楽ストリーミングサービス……など、標準で多機能なネットワーク再生機能を装備しているからだ。
これらの音声は、テレビのHDMI出力端子(ARC対応の端子)や光デジタル出力端子から、サウンドバーに送ることができる。また、Android TVのChromecast built-inやAirPlay 2のように、スマホアプリで再生中のコンテンツをテレビに直接送れる機能なども用意されている。さらに、テレビは複数のHDMI入力端子を持ち、必要に応じてゲーム機や外部のUltra HD Blu-ray Discプレイヤーなどを接続することも可能だ。
つまり、最近のテレビは様々なAV機器やスマホをつなぐハブとして進化している。サウンドバー自体に機能がなくても、テレビがプレーヤーやセレクターの機能を果たしてくれるのだ。
こんな背景もあって、DHT-S216は“ネットワーク接続機能”をあえて省略した。多機能なサウンドバーは魅力的だが、テレビと接続して使うのであれば、多くの機能がかぶってしまう。であれば、浮いたコストを肝心の音質を向上させる方向に振ってしまおうという発想が、DHT-S216にはある。
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