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富士フイルム「X-A7」と16-80mmレンズで河川敷猫に会いにいく

2019年11月06日 10時00分更新

おじいさんの協力もあり
フェンスの後ろにいる猫の撮影に成功

 しばらくすると毛繕いが終わり、移動をはじめた。また元いた場所(どこかしらんけど)に戻るのかなと思いきや、アスファルト敷きの遊歩道に出て、ごろごろと気持ちよさそうにころがりはじめたのである。こんな風に。

いきなりごろごろ。身体が白くてもふもふしてるのでよけいかわいい。背中をこすりつけてるのである。2019年10月 富士フイルム X-A7

 冒頭写真もその1枚。そして痒みが取れたのか満足したのか、ふうって感じで転がったのだった。やがて朝のメンテナンスも終わったようで、こちらも休憩しようかと、コンクリートの上に座って残ったコーヒーを飲んでいたら、別の猫も現れた。ちょびヒゲっぽい鼻の下の黒い毛がチャーミングな猫。何かもらえると思ったのか、とことこと近くまでやってきたのである。

望遠で撮ってるのですぐ近くのように見えるけど、実際にはそこまで近くない。でも、のそのそと近づいてこっちを覗き込んだので、きっと何か食べ物くれないかなと思ったのだ。きりっとした良い顔である。2019年10月 富士フイルム X-A7

 で、何ももらえないとわかったらまた去っていったのだった。そしてもう1匹いた。フェンスの向こう。いつもならフェンスが邪魔にならないようギリギリまで近づいて撮るのだけど、今回はフェンスの向こうだよってことが伝わるようにちょっと離れて手前にぼかして入れてみた。

この猫も(こっちが一方的に)顔なじみ。この目元が印象的で覚えてたのだ。でも工事用フェンスのこっち側には来てくれない。残念。2019年10月 富士フイルム X-A7

 猫はフェンスの向こうから動かないので、そろそろ諦めようかなと思ったら、朝の定例散歩っぽい風情のじいさんがのんびり歩いてきたのである。手ぶらで普段着なのでほんとに近所の人なのだろう。

 その証拠に、フェンスの向こうにいた猫(名前を呼んでいたのだがなんだったか忘れた)がじいさんの姿を見つけるや、のそのそとフェンスの下をくぐってこちらへやってきたのだ。その上、じいさんの足元にまとわりついてはなれない。そのじいさん、わたしが猫を撮ってるのを知り、面白がって猫をごろんと倒して「ほら、撮ってくれるってよ」といいながら撫で始める。だから撮る。

地面に倒されたまま素直に撫でられてるのですかさずシャッターを。2019年10月 富士フイルム X-A7

 もうされるがままである。気持ちよさそう。

撫でられながら気持ちよさそうに伸び。右前足が砂の上に描いた曲線に注目。伸びをした跡だ。2019年10月 富士フイルム X-A7

 じいさんに「台風が来ても猫が無事でよかったですね」と話しかけると、「でも2匹流されちゃったんだよ」としれっという。真偽は不明だが(見てた人がいるとは思えないし)、数が減ってしまったのは確かなようで、まだ普段より水量が多い川に向かって手を合わせて帰途についたのだった。

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筆者紹介─荻窪圭


著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/


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