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スポーツ業界が外部人材の採用で成功するためには

変わるスポーツ団体、副業は後押しになるか?

 スポーツ庁の忰田氏は、スポーツ団体を取り巻く変化として「求められる役割の変化」「働き方改革」の2つを挙げた。役割の変化とは、オリンピックの後の収益などこれまでのように競技力を強化することだけ考えていれば良いというものではなくなったことを指す。2つ目の働き方改革は、政府が旗振り役となって進めており、今後副業や兼業をする人が増えることが予想されている。

 日本フェンシング協会(FJE)、日本サッカー協会(JFA)、サッカーチームのFC今治などスポーツ団体の外部人材採用を手伝った実績のあるビズリーチは、プロフェッショナル向けの転職サービスで、140万人分の履歴書をデータベースに持つ。「プロフェッショナル」をうたうだけあって、登録者の平均年収は910万円と高い。直近のFJEのプロジェクトでは、会長の太田雄貴氏の下で働く戦略プロデューサー4職種を公募した。副業・兼業限定だったが、1100人を超える応募があったという。

 同社の加瀬澤氏は、このところの転職市場に変化が起きていると語る。「(2011年の東日本大)震災の後、価値観が変わってきている。新しい軸として、(お金だけでなく)やりがいを求める人がプロフェッショナルで多くなってきた」と加瀬澤氏。そこにきて、副業の動きが大きな後押しになっているという。

 スポーツヒューマンキャピタル(SHC)の中村氏は、「スポーツ団体は成長のために何らかの外部人材が必要だ」と言い切る。同時に、「スポーツ組織は経営資源が限られており、人をなかなか採用できない」と実情も明かす。例えばデジタル戦略を進めるには専門知識のある人材が必要だが、どういうアプローチがいいのかわからないといった声も聞かれるそうだ。「ニーズはかなりある」と中村氏。

 ビズリーチの加瀬澤氏も、スポーツ団体の話から「それまでの人材採用はOBが軸。OBしか取っていないところも多く、自然と人が集まったという状況のようだ」とする。それが変化した背景に、「内部で調達できないような人材の必要が出てきている」という外的要因を挙げた。なお、これはスポーツ団体に限った話ではなく、インターネットに代表される産業革命により大企業も数年前より専門人材の確保に走っているという。

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