上位モデルに匹敵する転送速度を示す860 EVO
今回は860 PROと860 EVO、そして旧世代の850 PROと850 EVOの500GBモデルをお借りして、いくつかのベンチマークテストを行った。検証環境は下記の通りだ。
テスト環境 | |
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CPU | Intel「Core i5-8600K」(3.6GHz) |
マザーボード | ASUS「ROG STRIX Z370-I GAMING」(Intel Z370) |
メモリー | CFD販売「W4U2400PS-8G」(8GB×2) |
システムSSD | SanDisk「SSD PLUS SDSSDA-480G-J26」(480GB) |
まずはおなじみの「CrystalDiskMark 6.0.0」の結果から見ていこう。シーケンシャルリードはスペック通り560MB/秒に限りなく近い数値で、シーケンシャルライトもおおむねスペック通りの数値を示した。
850 PROとの比較では、正直あまり大きな違いは見られない。ランダム4KQ1T1の数値では860 PROの方がややリード、ランダム4KQ32T1ではわずかながら850 PROの方が優れていた。とはいえ、このくらいなら誤差の範囲内だ。
860 EVOの結果も素晴らしい。シーケンシャルリードとシーケンシャルライトは、やはりスペック通りの数値を示しており、上位モデルの860 PROに勝るとも劣らない。Intelligent TurboWrite機能を検証するため、データサイズを8GBにしてテストしたが、シーケンシャルリードの低下は見られなかった。
850 EVOとの比較では、860 PROと850 PROの結果と同様に大きな違いはなく、やはりSerial ATA 3.0インターフェースの限界を示す結果となった。
「AS SSD Benchmark」は、SSD専用に開発されたベンチマークテストの1つで、ファイルの転送速度やランダムアクセス性能を計測できる。まずファイルの転送速度を860 PROと850 PROで計測してみると、シーケンシャル性能はほぼ同じで、ランダム性能は860 PROがやや優れるという結果だ。ランダムアクセスだけを細かく比較できる項目でも、おおむね同じ結果になっている。
860 EVOと850 EVOでの比較では、むしろ微差で850 EVOの方が優れているという状況もあったが、これもほぼ計測誤差の範囲内にとどまっている。860 PROと860 EVOの比較では、全体的に860 PROの方がやや上の数値が出てはいるが、これもワンランク上と言い切れるほどの差ではなく、少なくとも転送速度の面では860 PROと860 EVOに大きな違いはなさそうだ。
価格だけに目をとらわれずに
「安心感」という価値に注目したい
現状の2.5インチSSDでは、リード/ライト性能だけを見ればプロ向けの上位モデルと一般ユーザー向けのスタンダードモデルの間に、大きな違いはない。これは今回の860 PROと860 EVOの結果からも見て取れる。そのためユーザーは、どうしても価格を重視しがちだ。
とはいえ一度PCを組めば、さまざまな拡張を行ないながら5~7年程度は愛着を持って使い続けるというユーザーも多いだろう。そうした中でデータを保存するストレージには、「安心感」も重要になる。読み書きの頻度が高いシステムストレージとして使われることが多いSSDでは、なおさらのことだ。
こうした状況で、「長く安心して利用できる」というファクターを数値としてしっかり示したのが、新モデルにおける最大の特徴と言えそうだ。
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