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FOCALの新ヘッドフォンは、音よしコスパよしで好感触

2017年11月03日 12時30分更新

FOCAL初のイヤフォン「Sphere S」

 Sphere Sはドライバーから新規に設計したFOCAL初のイヤフォン。ダイナミック密閉型で、挑戦的な位置付けの製品だという。2種類のカラバリがある。ローズゴールドと黒。シリコンチップのほかに、ケースも付属する。

Sphere S

 最初に検討したのは、装着性と音質の両立だ。耳の凹みに掛けるタイプのイヤフォンは快適だが音が漏れやすい。耳穴にはめ込むカナル型は低域が出せる(逃げない)が長時間の装着性に課題がある。そこで耳の構造から改めて研究し、装着しやすく高音質なイヤフォンの開発に取り組んだという。

ドライバーの特徴

 ドライバーには直径10.8mmのマイラー振動板を使っている。周波数特性は40kHzまで伸びる。エッジ部分を工夫し、不要共振をコントロール。振動板の中央にセンターベントと呼ばれる穴を設けて、スムーズに振動板が動くようにするとともに、振動吸収紙によるダンピング調整を施し、低音の量を調整している。ダイナミック型ドライバーは、密閉しすぎると、耳と鼓膜の間の空気がエアークッションの役割を果たし、動きにくくなる。これをベントしてスムーズに動かすわけだ。

歪みの比較。Sphereの歪みは競合2機種と比べて非常に少ない

 また電気的なクロスオーバーによる歪みの悪影響を排するため、シングルドライバーとアコースティックのチューニングにこだわっているという。

Sphere Sの技術を生かし、より手軽に「Spark/Spark Wireless」

 Sparkは、音楽リスナーが使う機器の70~80%を占めるスマホを想定した製品。スマートデバイスで音楽を聴くのを念頭に置きつつ、リモコン機能なども追加した。

Spark

 ドライバーはSphere Sの開発で生まれた技術を基礎としているが、マイラー素材の振動板を少し小さな直径9.5mmにしている。ハウジングのベント穴をドライバーの前後に置きつつ、吸音用のファブリックで帯域を調整するといった調整を加えている。

 Spark WirelessはSparkのBluetoothモデルで、aptXにも対応する。リモコンとバッテリーを別にしているが、これは重量バランスに配慮したためだという。またバッテリーが劣化しても交換ができるなど、長期利用にも配慮している。クリップも付属し、走りながらでも使える点も利点となる。

Spark Wireless

 なお価格に関しては、Sparkが1万円台前半のエントリークラス機。Sphere Sはこれよりも上のクラスだが、2万円以下の価格に収まる見込み。Spark Wirelessに関しては無線機能を追加するぶん、Sparkより価格が数千円上乗せになるようだ。

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