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ベンチャーとのイノベーション促進に活用されるドコモのもつ資産

2016年04月18日 06時30分更新

グループ内から協業テーマが続々提案される

 前述の3つの目的を掲げて2013年春より取り組んできたDIVだが、目的は変わらずともその内容はかなり変化している。当初はおもにベンチャー育成支援に重きを置きシードアクセラレーションプログラムを展開していた。数チームを4、5ヵ月かけたメンタリングプログラムで育成し、その過程の中でドコモや同グループの人間を巻き込んで新しいビジネスを学んでいくというものだった。しかし2014年12月より、軸足を“育成”から“協業推進”へと移行したのである。その理由について大前氏は次のように語る。

「シードアクセラレーションプログラムに応募してくる人たちの動機のほとんどが、当社の特定のアセットの活用に期待してでした。それならばうちのアセットを前面に出して、これらを使って協業してくれるベンチャーを募っていく方向へと転換しました」(大前氏)

 大企業のもつアセットに期待するベンチャーと、シナジーを期待できるアセットを管轄する社内の部署が、最初から膝を付き合わせて協業を進めるようにプログラムを再設計した。2014年12月には社内に向けて、その持てるアセット使って協業したい部署を募ったところ、8部署から8テーマが寄せられた。

 そこで大前氏らがそれぞれのテーマに合いそうなベンチャーを見つけ出し、事業部とマッチングさせていくようにした。その後も、2015年6月には13テーマ、同年12月に10テーマが提案されており、ベンチャー企業とのマッチングが進められている。これまでに掲げたテーマの例としては、“体験の定期便サービス『すきじかん』におけるサービス/ビジネスの連携可能性”、“翻訳サービスと訪日外国人市場の活性化ビジネス”などがある。

「2015年6月に寄せられた13テーマのうち5テーマはドコモ以外のNTTグループ企業からのものでした。投資活動と同様にDIVもまた、NTTグループ全体とベンチャーとの協業促進の意味合いが強くなっています」と大前氏は言う。

 これまでのDIVの協業成果と、2015年秋より新たに開始したコミュニティー活動については、最終回に紹介したい。

NTTドコモ・ベンチャーズ ドコモ・イノベーションビレッジ運営責任者 大前浩司シニアディレクター

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