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持ち運び可能な杖型デバイス

東大、VRに使えるロッド型の触覚デバイスを開発

2018年08月20日 15時20分更新

 東京大学は科学技術振興機構(JST)の支援を受け、持ち運び可能なロッド状の触覚デバイス「LevioPole(レビオポール)」を開発した。「LevioPole」は、ロッドの両端に取り付けられたプロペラにより触覚を再現する。本デバイスは可動範囲の広いデバイスで、VR/ARコンテンツでの触覚提示などへの活用が期待されている。

プロペラを制御して触覚提示

 従来の触覚デバイスは、装置を地面などに固定する「設置型」と、使用者に取り付ける「非設置型」の2種類に大きく分類される。非設置型は可動範囲が広いため、全身運動に連動したコンテンツに使用可能な一方、非設置型はデバイスのサイズや出力が制限され、提示できる触覚には限界があった。

 今回開発されたデバイス「LevioPole」は、全身を用いたインタラクションで、新しい方法で空中での触覚提示を実現する。全長約1メートルのロッド状のデバイスは、両端にマルチローターを取り付け、プロペラにより推力を発生させる。それぞれのプロペラを個別に制御、様々な方向への力を生成することで、利用者に触覚を提示することが可能となっている。また、各プロペラの出力を短時間に個別制御することで、特徴的な触覚パターンを提示することもできる。

 その他の特徴として、
・棒状の単純な形であり、持ち方や動かし方などを直感的に理解しやすい
・ローター可動部には直接触れないため安全
・様々な触覚パターンを本デバイスのみで提示できる
といった点が挙げられる。

VRゲームのコントローラーとして触覚再現

 本デバイスは、VRヘッドセットと組み合わせることで、VRコンテンツ内での触覚フィードバックも実現できる。例えば、VRゲームのコントローラーとして、バーチャルな物体に触れた際の触覚の提示が可能だ。また日常の活動と組み合わせ、触覚による歩行ナビゲーションのガイドデバイスといった使用方法も考えられる。

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