週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

2トップ戦略や初音ミクモデルが記憶に残る「Xperia A」

2018年08月29日 10時00分更新

 日本でAndroidスマホといったら「Xperia」! というくらい、スマートフォンのブランドとして認知されている「Xperia」。常に最新の技術とスマホのトレンドを取り入れて業界の最先端を走るXperiaシリーズですが、その歴史は決して順風満帆ではありませんでした。これからのXperia、ひいてはスマートフォンの来し方行く末を、ソニー大好きライターの君国氏に写真とともに紐解いてもらう連載です(基本的に登場するのは国内で発売されたモデルのみです)。

 2013年初頭に発売された「Xperia Z SO-02E」の勢いを受けて、同5月に「Xperia A SO-04E」が発売されました。

 読み方としては、「エクスペリア エー」ではなく「エクスペリア エース」。ドコモが“2トップ戦略”として強力にプッシュしたモデルとして印象に残っています。

 フラットで鋭角的な「Xperia Z SO-02E」と違い、サイドから背面にかけてなだらかにつながるラウンドフォルムを構成する手にフィットする持ちやすいデザインを採用。

 ディスプレー位置を本体のちょうど真ん中に配置したことで、タテ画面にしてもヨコ画面にしてもディスプレーが見やすく、使いやすい左右対称のシンメトリーデザインという特徴でした。

 ボディーは高強度のガラス繊維強化ナイロン樹脂をフレーム素材として、1つのフレームからでも体積を確保できるコアフレーム構造に、Xperia Z以降の特徴であるアルミ素材を使用した電源キー、音量キー、カメラキーを採用しています。

 サイドのパーツは、カラーバリエーションにあわせてそれぞれ異なる色や質感、背面のカメラリングにもアルミ素材を使用してカラーにあわせてるなど、一見シンプルなデザインに見えながらも細かい演出を盛り込んでいます。

 また、ディスプレー正面の下部にあるSONYロゴ直下にLEDイルミネーションを搭載。着信時に点灯したり、電池残量やアルバムで表示している画像に応じて色を変えて光るというギミックがありました。

 スペックはディスプレーが約4.6型(720×1280ドット)であり、Xperia Zの高解像度ディスプレー(5型、1080×1920ドット)とは異なります。SoCはSnapdragon S4 Pro APQ8064(1.5GHz、クアッドコア)、メモリーは2GB、内蔵ストレージは32GBで、ストレージが一段と大容量化したことがトピックス。OSはAndroid 4.1、バッテリー容量は2300mAhでした。さらに背面のカバーを取り外し、バッテリーの交換も可能。本体サイズは、約67×131×10.5mmに、重さは約141g。

 メインカメラは積層型構造CMOSイメージセンサー“Exmor RS for mobile”を採用した1310万画素カメラを搭載し、専用のカメラキーを備えたことでカメラ起動から撮影までがスムーズになりました。

 静止画と動画を切り替える必要がなく、撮りたい方のアイコンをタップすれば撮影・録画ができる「モードレスUI」や、1秒間に最大15枚の速さで枚数制限なく撮影できる「連写モード」を備えています。フロントカメラは31万画素と低めです。まだセルフィーが重要視されていなかったことがわかります。

 WALKMANアプリに「ClearAudio+モード」、「サラウンド(VPT)」、「マニュアルイコライザー」、「Clear Phase」、「ダイナミックノーマライザー」」といった充実のオーディオ機能を搭載。

 撮影した写真や映像、閲覧しているウェブサイトといったコンテンツをかんたんにワイヤレスで転送して映し出す、NFCによるワンタッチシェアリングといった連携も得意となり、テレビやワイヤレススピーカーとの親和性が向上しました。

 ソニー製ブルーレイディスクレコーダーやnasneに録画された番組をリアルタイムに試聴したり、録画番組を転送して外に持ち出しても見られる「ワイヤレスおでかけ転送」で、通勤中や出張先、旅行先でもXperia Aで楽しめます。

 もちろんトレンドであった、防水(IPX5/IPX8)/防塵(IP5X)機能、ワンセグ、おサイフケータイ、赤外線などすべて搭載。当時ドコモが推していた、スマホ向け放送局「NOTTV」にも対応していました。

 また、初音ミクとのコラボレーションモデルとして「Xperia feat. HATSUNE MIKU SO-04E」も登場しました。Xperia Aのミントカラーをベースに、背面に初音ミクのグラフィックを施して、壁紙やオリジナルウィジェットから、内蔵コンテンツまでを初音ミク仕様にしたモデルでした。

Xperia feat. HATSUNE MIKU SO-04E

 ほかにも、初音ミク仕様のきせかえツールやオリジナル着信音、初音ミクに起こしてもらえる目覚ましアプリといったコンテンツに加え、ミクカラーのイヤホンや専用のパッケージなど、ファン垂涎のアイテムとしても記憶に残るモデルだったのです。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

この連載の記事