週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

制裁を受けたZTEのスマホはアメリカで売っているのかをニューヨークでチェック!

2018年08月09日 10時00分更新

文● 山根康宏 編集●ASCII編集部

アメリカのプリペイドスマホにZTEは欠かせないブランド

 アメリカ商務省の制裁によりZTEはアメリカからのスマートフォン部材が購入できなくなり、今年上半期のビジネスに大きな打撃を受けました。4月16日に制裁発動、7月13日に解除となりましたが、この3ヵ月間は「AXON M」などZTEの顔となる製品の製造にも大きな影響が出てしまいました。

 アメリカではZTEのスマートフォン販売は好調で、特にプリペイド向けの製品は価格が安いこともあり人気となっています。制裁が解除された8月、アメリカでどんな製品が売られているかを見てきました。

家電量販店のプリペイドスマホコーナーをチェック

 低価格なスマートフォンといえばMVNOから出ているものと思われがちですが、ニューヨークで宿泊したホテルそばの量販店で一番安かったのはAT&Tが販売する「Maven 3」で34.99ドルでした。Snapdragon 210、メモリー1GB、内蔵ストレージ8GB、5型(480x854ドット)ディスプレー、メインカメラ500万画素、フロントカメラ200万画素のエントリー機で、約1年前に発売になったモデルです。それでも日本円で3000円台で買える価格は魅力的。ただし、通信料金にこだわる人はMVNOを選ぶでしょう。

Snapdragon 210搭載のエントリー機「Maven 3」

 大手のMNOではVerizonもプリペイド機をいくつか出しています。Verizonは通信料金は高めですが、ネットワークの安定性ではおそらくアメリカで一番でしょう。5Gの開始もアメリカ一番乗りを目指していますし、通信品質を考えるユーザーでプリペイド払いを求める層がターゲットでしょうか。Verizonはプリペイドスマートフォンの数も他キャリアより少なめですが、そのうちの1つがZTEというあたり、プリペイド向け端末として人気のブランドです。

独自のプリペイドスマホコーナーも構えるVerizon

 2017年末発売の「Blade Vantage」はSnapdragon 210、メモリー2GB、内蔵ストレージ8GB、5型(480x854ドット)ディスプレーと、AT&TのMarven3とほとんど変わらぬスペック。ところがネットワーク対応がなんとLTEのみという変わり種です。LTEのBandは2/4/5/13のみに対応しており、海外で使うことは意識されていません。ちょっと大胆な仕様です。価格は99.99ドルと、若干高め。

LTEのみ対応のBlade Vantage。このカードをレジに持って行って購入する

 ZTEはMVNO向けにも多数のプリペイドスマートフォンを出していますが、立ち寄ったお店ではVirgin Mobile向けの製品が売り切れ。在庫があるのはCricket Wirelessの「Grand X 4 4G」のみでした。こちらは2016年末発売とやや古い製品ですが、Snapdragon 425、メモリー2GB、内蔵ストレージ16GB、5.5型(720x1280ドット)ディスプレー、メインカメラ1300万画素、フロントカメラ500万画素と今でも十分通用するスペックからか、ロングセラーとなっています。価格も79.99ドルとお手頃なレンジ。

1年半以上も販売されているロングセラーの「Grand X 4 4G」

 ZTEアメリカのウェブページを見るとアメリカのほぼ全キャリアにZTEはスマートフォンを展開しています。プリペイドユーザーにとっても端末のバリエーションは多いに越したことはありません。制裁解除となった今、プリペイド向けにも面白い製品を期待したいですね。できればAXON Mもプリペイドで値引き販売してほしいものです。

山根康宏さんのオフィシャルサイト

「スマホ好き」を名乗るなら絶対に読むべき
山根博士の新連載がASCII倶楽部で好評連載中!

 長年、自らの足で携帯業界を取材しつづけている山根博士が、栄枯盛衰を解説。アスキーの連載「山根博士の海外モバイル通信」が世界のモバイルの「いま」と「未来」に関するものならば、ASCII倶楽部の「スマホメーカー栄枯盛衰~山根博士の携帯大辞典」は、モバイルの「過去」を知るための新連載!

 「アップルも最初は試行錯誤していた」「ノキアはなぜ、モバイルの王者の座を降りたのか」──熟練のガジェットマニアならなつかしく、若いモバイラーなら逆に新鮮。「スマホ」を語る上で絶対に必要な業界の歴史を山根博士と振り返りましょう!

→ASCII倶楽部「スマホメーカー栄枯盛衰~山根博士の携帯大辞典」を読む

ASCII倶楽部は、ASCIIが提供する会員サービスです。有料会員に登録すると、 会員限定の連載記事、特集企画が読めるようになるほか、過去の映像企画のアーカイブ閲覧、編集部員の生の声を掲載する会員限定メルマガの受信もできるようになります。さらに、電子雑誌「週刊アスキー」がバックナンバーを含めてブラウザー上で読み放題になるサービスも展開中です。

→ASCII倶楽部の詳細はこちらから!

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

この連載の記事