2018年08月07日17時00分

Tik Tokにユーザーが集まるのは「投稿する動画内容を考えなくてもいいから」

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アスキーキッズ

 いま10代の若い世代に人気がある動画コミュニティのひとつと言っても過言ではないTik Tok。

 前回の記事でも紹介したように、Tik Tokはスマートフォンを持ち変える必要が無いタテ長の動画を次々とスワイプをしながら投稿された短尺の動画を早いテンポでどんどん見ていくことができます。実際に使うと「閲覧の手軽さ」や「新たな動画や投稿者(Tiktoker)の新たな出会いの容易さ」など、Tik Tokには動画を視聴する「受け手」に気軽に見てもらうための工夫が凝らされていることに気づきます。

 ただ、Tik Tokが人気なのは、「見る手軽さ」や「新たな動画やTiktokerとの新たな出会いの容易さ」だけではないと思っています。動画を視聴する側の人よりも、どちらかと言うと動画を投稿する作り手が「気軽に撮ることができる」というのがポイントであるように感じています。

 Tik Tokに限らず、YouTubeをはじめとする動画やライブ配信プラットフォームは、視聴する側だけが快適だったとしてもサービス全体が繁栄しにくいです。見てもらうコンテンツが自然と集まり、視聴者側が見たくなるような動画がたくさんありすぎて選びきれないぐらい多種多様なコンテンツが増えていかなければサービスが繁栄することはありません。そのため、積極的に動画を投稿したり、ライブ配信してもらったりするための仕組み(きっかけ作り)が必要なのです。

 これまで、動画を投稿するには、投稿する前に「どのような動画を撮影するか」テーマや内容(ネタ、企画)を考える必要がありました。もちろん、何気なく撮った動画も楽しいものですが、見てくれた人の共感を得たり、たくさんの人に見てもらうことを意識したりすると、どうしても「動画を撮ることの心理的なハードル」が高くなってしまいます。

 スマートフォン一台で手軽に動画を撮れる時代であるとはいえ、ネタを考えなければならないというハードルはこれまでずっと続いてきました。Tik Tokは、スマホで手軽に動画を撮影して投稿してもらうために、そのネタさえも深く考えずに気軽に決められるような仕組みがあることが人気となったもうひとつの理由であるように感じます。

「マネしたい」と思ったコンテンツが「ネタ」になる

 例えば、YouTubeへ動画を投稿するとき、これまでは「他人とは違う、まだ誰もやっていないオリジナルなネタを考えて動画を撮らなければいけなかった」という傾向がありました。ところが、Tik Tokでは他の人が既に投稿した「いま人気」とか「やってみたい」「マネしたい」と感じたものが主流なネタです。

 つまり、Tik TokはYouTubeなどこれまでの動画メディアとはネタの選出段階で異なります。「いま人気なもの」「やってみたい」「マネしたい」などと感じたものに乗っかっていくのが投稿者としてのTik Tokの楽しみ方なのです。つまりは、「マネしたい」と感じたコンテンツ(口パクやダンス)がネタとなることで、スマホで撮影しようと決断するまでのハードルが低くなっています。

 加えて言うならば、マネしたいと選ぶ口パクやダンスは「誰でもマネしやすいもの」がほとんど。ここでもさらに動画を撮ることへの心理的なハードルを下げることになります。

 また、YouTubeなどの動画は、撮影後に編集という作業が必要になります。しかし、Tik Tokでは編集作業も不要です。Tik Tokでは流れてくる音楽に合わせながら撮影するので、動画撮影によくある「撮った動画の雰囲気にあったBGMを選ぶ手間」「撮った動画の尺(長さ)にあわせてBGMを編集する作業」もなくなります。

 「マネしたい」と思ったコンテンツが「ネタ」になるTik Tokには、これまであった「動画を撮影してから投稿するまでのハードル」となっていたさまざまな要因を取り除く仕組みがあるのです。この仕組みによって手軽に動画を作り、気軽に投稿してもらうことで、見てもらうコンテンツが自然と集まり、多種多様なコンテンツが並びます。

 結果、動画を投稿することも楽しいし、見ているだけでも楽しめるサービスとなっているのだと感じます。Tik Tokはまだまだ成長性のある動画コミュニティ。いまは若い人が主流になっていて、ネット上でのコンテンツのひとつという扱いですが、今後はさまざまなメディアに進出してくるかもしれません。

 若い人が主流になって広まるコミュニティは非常に貴重です。YouTubeとは異なる方向性の動画プラットフォームとして、今後の展開に期待したいです。

ライブメディアクリエイター
ノダタケオ(Twitter:@noda

noda

 ソーシャルメディアとライブ配信・動画メディアが専門のクリエイター。2010年よりスマホから業務機器(Tricasterなど)まで、さまざまな機材を活用したライブ配信とマルチカメラ収録現場をこなす。これらの経験に基づいた、ソーシャルメディアやライブ配信・動画メディアに関する執筆やコンサルティングなど、その活動は多岐にわたる。
nodatakeo.com

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