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6コアにGTX1050Tiそして4Kなのに低反射液晶が魅力なのだっ

新XPS15(2018)試用レポート = 挟額縁15インチの元祖が超強化されたぞっ!!

2018年07月30日 13時00分更新



 デルといえばXPS、XPSといえば狭額縁の元祖「XPS13」なのですが、初代が発表されたのは2015年1月のCESで、すでに3年たちました.

 15型のほうは、同年の10月に発表となり、こちらは、テンキーレスの薄型軽量に加え、上位CPUとGeForceを搭載した、新ジャンルのマシンでした.

 各PCメーカーはXPS15をお手本(?)としたマシンを今年も次々と発表しています.ASUSの「ZenBookProシリーズ」に、HPの「EliteBook1050G1」はまさに15型スリムスタイルに6コア+GTXと同じスペックです.MSIも14型ですがビジネスノート「PS42-8RB」を発表しました.

 ゲーミングPCメーカーも、スリム15インチのパワフルマシンを、ゲームだけでなくエンジニアリングや写真・映像編集に使ってもらおうとアプローチしています.今年の秋冬にはさらにこの「プレミアム15」の世界へ参入するメーカーが増えます.モバイルは13型、リアル仕事は15型というカタチですね.

 元祖であらせられる「XPS15」は、2017年1月に、第2世代となり、ディスプレイも4Kが選べるようになりました.そして今年、日本では5月25日に2018年モデルを発表.もちろん最新の8G(第8世代)コアのTDP45W版「H」プロセッサーと、GeForceのほうはGTX1050Tiが選べるようになりました.

 製品版が編集部に届いたので、さっそく試用してみましょう.

狭額縁の元祖もついに6コアに
4Kの低反射ディスプレイと
指紋認証電源ボタンもナイスです

 まず搭載するCPUはi5-8300H(4コア8スレッド)とi7-8750H(6コア12スレッド)の2種類で、ともにモバイル最上位=TDP45WのHシリーズです.メインメモリは8または16GB、ストレージはHDD+SSDのハイブリッドドライブの1TBと、純SSDの256、512、1TBの4種類が用意されています.きちんとSSDの1TBを用意されているのはキモチいいですよね.

 液晶は15.6インチでフルHD(1920×1080ドット)のアンチグレア・ノンタッチと、4K(3840×2160ドット)のアンチリフレクティブ・タッチの2種類で、ともにsRGB100%の色域と、400nitの明るさを誇ります.特に4Kのほうは、他社の15型では必ずといっていいほど「光沢+タッチ」になっていますから、ここに「低反射コーティング採用」は、さすが天下のデルなのでござる.

低反射コーティングの4K液晶を選べるのはデルだけっ!!(編集部予想)

 GPUはインテルCPUの内蔵(630)と、NVIDIAのGeForce GTX1050Ti+4GBVRAMの2種類です.昨年はGTX960Mから1050へ向上し、今回、CPUのアップグレードのみならず、GPUも「Ti」へと上がりました.ボディデザインは基本的に前モデルと同じなので、4月に北京で公開されたときには、1050TiがMAX-Qデザインで搭載されており、なるほどと思ったのですが、製品版として発表された現在はMAX-Qの表記はありません.

i7-8750HにGTX1050Tiとワンランクアップしたが、内部構造は変わらない.

 前モデルでもそうだったのですが、デルのXPS15は内蔵するバッテリー容量が2種類あります.なかなか珍しいですが、これはユーザー思いの施策だとおもいます.重くてもバッテリーの持ちが必要なユーザーさんもいれば、できるだけ軽量にしたいユーザーさんもいますからね.

 今モデルも56Whと97Whの2種類で、本体重量はそれぞれ1.8キロと2キロになります(ディスプレイのタッチ・ノンタッチの違いも含む).

おなじみ、アルミシルバーな天板はきれいですね~

 さて、XPSの唯一の弱点としていつも指摘しているのが日本語キーボードである.これは今回も相変わらずリターンキーが小さいもので、原因は以前とおなじくXPS13と共通のキーボードを使っているからである.横幅に余裕があるのだから、15型のキーボードを設計しなおして欲しいのだ.

もう何年間も書き続けていますが、日本語キーボードのリターンキーは、あいかわらず小さすぎです.

 これも毎回書いているが、オレのような「US配列キーボード主義者」のばあい、デルの直販サイトでは英語配列が選べるのはとてもいいのである.

 キーボード面でいうと、今回は電源スイッチ(キーボードの右上にある●型ボタン)に指紋リーダーが内蔵された.なので、キーボードの左手前にあった指紋リーダーの凹みはなくなっている.

 HuaweiのMateBook Xシリーズに続く快挙で、これは全メーカーが真似してほしいのである.指紋登録をした指で電源をONすれば、自動的にログインされるというのは超絶便利なのだ.

パームレスト面はおなじみの「カーボン模様」で高級感あります.

本体右側にはいちばん奥に丸い電源入力、タイプA、HDMI、タイプC、ヘッドセットがならぶ.左側のは奥からケンジントンロック、バッテリーチェックボタンとインジケーター、タイプA、SDカードスロット.

ベンチマークはいつもどおり優等生
バッテリーの持ちも変わらずモバイルも○

 さて、速度のほうはどうなっているのかというと、まずCinebenchのCPU値は1097と、他社モデル同様に1000を超える好成績である.OpenGLは114でこちらもいい数字だ.

ファンやバッテリー、各種ボードのレイアウトは前モデルと同じ.メモリースロットは×2構成で、SSDもおなじみM.2なので交換しやすい(ユーザーによる分解は保証を受けられなくなることがあります).

 3DMarkのFireStrikeは6692もきちんと速度が出ている証拠である.ちなみにXPS15の2017年モデルはi7-7700HとGTX1050だったが、CPUは749、OpenGLは93、FireStrikeは5518だった.3つの測定値は、1.46倍、1.23倍、1.21倍向上している.GPUよりは、コアが1.5倍増えたCPUのほうが速度を引っ張り上げているのである.

 SSDは試用機は512GBの東芝KXG50を搭載していたが、マルチのシーケンシャルリードが3053、ライトが超高速だったのだが、ライトは462と若干遅めだった.

底板のデザインも変わらずで、空気取り入れ口が印象的ですね.

おなじみの「フタ」はXPS13は廃止されましたが、15では健在です.

 試用機は4Kモデルでバッテリー容量は97Wh搭載していた.バッテリーはいつものBBenchで「最も高いパフォーマンス」で省エネオフで液晶輝度最大で実施したところ、3時間36分稼働した.97Whの威力といえばそれまでだが、TDP24WのHプロセッサーと明るい4K液晶でここまで持つのはきちんと設計されているからに他ならない.

 付属のACアダプターは19.5V×6.67Aの130Wのもので、出力のわりには小型で、重さはケーブル込みで432グラムだった.

形状、性能ともに前モデルと同じACアダプターは丸みが好きです.

 充電時間は、放電と同条件で使用しながらで、50%までが55分、70%までが79分、90%までが110分と、バッテリーの総量が大きいので、これだけはノンビリ型だった.バッテリーの寿命にはいいことだし、アダプターが重くなるよりはいいのである.

付属の「パワーマネージャー」ではバッテリーの管理ができます.

サーマル管理を選ぶと、どれだけ「高速回転」させるかを指定できる.

ライバルの増加は
ブームのチャンスなのである

 冒頭にも書いたが、今「プレミアム15インチ」が熱い.RazerBladeやMSIのGS65といったゲーミング側からの攻撃もあるし、SurfaceBookも15インチはGTX1060を積んでいる.

 重さでは1.8~2.0キロあたりがこのタイプの主流で、XPS15もまさに同じだ.試用機は97Whバッテリーの4Kタッチモデルだが、実測すると1986グラムで、2キロは切っていた.

 NECや富士通、東芝、VAIOといった日本のメーカーが参入してくるとぐっと軽くなる予感もするので期待しているのだ.

 とにかく元祖のXPS15は指紋認証電源ボタンや、4Kの「ノングレア」で一歩前を走っている.英語キーボード派のオレとしては唯一の救世主でもある.同胞の諸君は迷わず買っておこう.あ、そうそう忘れていました、シルバーではない「黒モデル」もお願いしますね~

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