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小学生の1割近くが危険な目に遭った経験あり

2018年07月25日 18時40分更新

 ALSOKは7月25日、小学生の防犯や生活に関する記入式アンケート調査「第3回 担任の先生に聞く、小学生の防犯に関する意識調査」の結果を発表した。本調査は児童の防犯意識、児童の被害状況、留守番時の注意点、インターネットリスク教育の4つの観点からまとめている。

 調査期間は2017年4月1日から2018年3月31日までで、調査対象は出前授業「ALSOKあんしん教室」を実施したクラスの担任教諭の計1031名。

小学3年生が殺害された千葉県、危機感が高い

 クラス担任の先生に、現在担当するクラスの児童たち自身の「安全・安心」への危機意識の変化について聞くと、「以前(昨年)より高まっている」が40.7%。昨年の41.7%、一昨年の42.7%とほぼ同率だった。

 2017年3月末、千葉県松戸市の小学3年生が登校中に連れ去られ殺害される事件が発生し、大きく報じられた。千葉県に勤務する先生の回答結果を抽出すると、「児童の危機意識が高まっている」と回答した先生の割合が、全国の集計値と比べて10.9%多かったという。昨年のアンケートでは、誘拐・監禁されていた女子中学生が2年ぶりに保護された事件が起きた埼玉県でも、同様の回答傾向が見られたとのこと。

 児童の防犯意識を高めるための取り組みとして最も多かったのは「集会・ホームルームでの注意喚起」で、7割以上のクラスで実施されていた。「学校だより」などの紙媒体での注意喚起がも多く、防犯に特化した「授業」の形式で指導を実施するのは全体の3割程度とだった。

 防犯ブザーの所持率を聞くと、1年生では6割以上のクラスで全児童が防犯ブザーを所持。4年生以上に進級すると、所持率は4割を割り込んでおり、学年が上がるにつれて所持率が下がる傾向が見られたという。自治体によっては小学校入学時に、全員の児童に防犯ブザーを配布しているが、日常生活を送るなかで風雨や衝撃を受けて壊れたり、紛失してしまったりすることも少なくないとしている。

危険な目に遭った児童は1割近い

 現在担当するクラスに「危険な目に遭った経験のある児童がいる」と回答した先生は8.8%だった。

 被害に遭った時期を聞くと、新学期シーズンにあたる「4月から6月」が36.3%。

 時間帯別にみると、「下校中」が49.5%、「外出中(日没前)」が36.3%だった。

 「危険な目に遭った児童がいる」と回答した先生のうち、「声掛けにより連れていかれそうになった」児童がいるのは42.9%。

 子供が興味・関心を持つ物事で誘おうとする「興味系」は47.4%、子供の親切心につけ込む「親切系」は31.6%だった。

不審な電話は10分の1の割合

 過去に留守番中に不審者が訪問してきたり、不審な電話がかかってきた経験のある児童の有無を聞いたところ、「留守番中に不審な電話や訪問者が来たことのある児童がいる」は10クラスに1クラスの割合だった。

インターネットリスク教育は低学年で低い

 インターネットのリスクの教育が以前(昨年)より必要と感じるか聞くと、「以前よりも必要性を感じる」は84.8%。

 実際にインターネットのリスク教育を実施するのは、前回同様に学年が大きいほど割合が高い傾向があったという。前回と比べ、低学年のうちから指導を実施している割合は増加したとのこと。

 指導を実施している先生に、どのような内容の指導をしているのかを聞くと「個人情報や顔写真の公開・送信」が最多だった。全般的に「情報を受信・閲覧するとき」に比べ、「情報を発信するとき」の注意点について指導を実施する傾向があるとしている。

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