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マウスの新モデル「m-Book J320SN-S2-LTE」で試す

通信モジュール内蔵モバイルノートPC、親機なしでLTE通信できるのは便利!

2018年06月30日 10時00分更新

「m-Book J320SN-S2-LTE」

 マウスコンピューターの「m-Book J320SN-S2-LTE」は、Celeron 3865Uを搭載する13.3型ノートパソコン。SIMロックフリーのLTE(4G)通信モジュールを内蔵し、外出先でもウェブ接続可能なのが特徴だ。今回は、m-Book J320SN-S2-LTEの通信機能と、その設定方法を中心に紹介する。

IIJmioのSIMと組み合わせて、ネットワーク設定をしてみる

LTE通信をするための設定は
とてもカンタン!

 これまでは、総評に加え、通信性能の高さやバッテリー容量の多さなどを実現している点を紹介。前回は、LTE通信を実現するための設定を解説した。

解像度は1366×768ドットと低めだが、ドットの荒さは思ったよりも目立たない

フルサイズのSIM(標準SIM)が利用できる

SIMロックフリーのLTE(4G)通信モジュールを内蔵。採用モジュールはNTTドコモ網の3G(バンド1/19)とLTE(バンド1/3/19/21)に対応しているため、多くの格安SIMを利用できる

 前回も紹介したが、m-Book J320SN-S2-LTEが採用しているモジュールは、NTTドコモ網の3G(バンド1/19)とLTE(バンド1/3/19/21)に対応している。いわゆるドコモMVNOの「格安SIM」が使えるため、汎用性が高い仕様といえるだろう。

 デフォルトでは、Wi-Fiネットワークへの接続が途切れた際に、自動的に携帯ネットワークに切り替わるようになっている。片方をオフにし、いずれかのみの使用も可能だ。

LTEとWi-Fiはどっちが快適?

 とはいえ、実際にはLTEとWi-Fiを併用しての運用が基本になると思う。室内ではWi-Fi、屋外ではLTEというスタイルが一般的だろうか。光回線を据え置きのWi-Fiルーターで無線化したものと比較しても、結果は目に見えているので、iPhone Xを使用したテザリングと内蔵の通信モジュールでのウェブ接続の速度を比較してみることにする。

 ASCII.jpのトップページから任意のページを開き、その際の速度を計測するというテストを実施。双方の快適さを確かめる。

ASCII.jpのトップを表示した状態

 上の画像がASCII.jpのトップを表示したところ。

週刊アスキーの紹介ページを開いたところ

 週刊アスキーの紹介ページが紹介され、読み込みが停止した時点での速度を計測した。テストは各3回実施したが、計測結果に大きな違いは現れなかったため、もっとも数値の大きかった回を掲載している。なお、テストに使った週刊アスキーの紹介ページは、解像度の高くない画像を7点、リンクを多数、本文テキスト、そのほか、カラムやページ内に表示されるバナーが多数、という仕様だ。

NTTドコモ網はさすがに速い

 比較対象はNTTドコモのSIMをセットしたiPhone Xによるテザリング。特別な設定をしたり、アプリやツールを使ったりせず、iPhone標準機能のテザリングでm-Book J320SN-S2-LTEとペアリングしている。

 iPhone Xのテザリングの場合、ページの読み込みが停止するまでにかかった時間は8.60秒だった。NTTドコモの回線がそもそも優秀なのに加えて、m-Book J320SN-S2-LTEはIEEE 802.11acでの通信に対応している。ストレスはほとんどなく、光回線には及ばないものの、極めて快適に使える速度ではないだろうか。

IIJmioの結果。NTTドコモよりは遅くなってしまった

 一方のIIJmioは、19.27秒という結果に。NTTドコモと比較して10秒ほど長くなってしまった。iPhoneやAndroidの高速LTE通信に慣れていると、わずかにたつきを感じる速度だ。

 しかし、ペアリングをしたり、テザリングの親機となるスマートフォンの電源管理も気にしなくていい点は大きなアドバンテージだだろう。

専用ツールで速度計測を実施!

 ページを読み込んでの時間だけでなく、ツールを使っての計測も実施した。使用したのは、スマートフォン向けの速度計測アプリでも定番のひとつとなっている速度.jpによるブラウザーツールだ。

 この方法では、画像やテキストの割合や、全体的なコンテンツの重さにかかわらず、通信性能が数値化される。コンテンツによっては、純粋な通信性能の差が計測できない場合もあるので(例えば、テキストのみのサイトは、通信方法のポテンシャルにかかわらずスグに表示される)、こちらも参考にしてほしい。

 テザリングでは下り32.51Mbps/上り2.81Mbpsに対し、内蔵の通信モジュールでのLTE通信では下り1.32Mbps/上り0.31Mbpsという結果になった。上りはこんなものか……といったところだが、下り速度では予想以上に大きな差がついてしまった。

 まず、テザリングする子機にあたるノートパソコンでこれほどの速度になるNTTドコモの通信性能は、優秀すぎると評価できると思う。それを踏まえて、IIJmioの下り1.32Mbpsは、高速とはいえないまでも、十分使えるといった評価が妥当だろうか。

 そもそもIIJmioのSIMはドコモ網のMVNOのため、回線の親元とも言えるNTTドコモと差がついてしまうのは、仕方のない部分もある。

 使用するSIMの性能によって、m-Book J320SN-S2-LTEのLTE通信は早くも遅くもなる。普段から使っていて、通信性能に信頼のあるSIMを使うといいだろう。今回テストしたIIJmioのSIMも、コストパフォーマンスなど含め、いい選択肢のひとつになる。使用環境や、求める速度、料金など、自身の希望とランニングコストの予算を考えながら選ぼう。

試用機の主なスペック
機種名 m-Book J320SN-S2-LTE
CPU Celeron 3865U(1.8GHz)
グラフィックス HD グラフィックス 610
メモリー 4GB
ストレージ 240GB SSD
ディスプレー 13.3型(1366×768ドット)、ノングレア
内蔵ドライブ
通信規格 有線LAN(1000BASE-T)、無線LAN(IEEE 802.11a/b/g/n/ac)、Bluetooth 4.2
LTE ワイヤレスWANモジュール内蔵、SIMカードサイズ : 標準SIMカード、対応バンド : NTTドコモ網 3G (バンド1/19)、LTE (バンド1/3/19/21)
インターフェース USB 3.0端子×3、HDMI端子、D-sub 15ピン、マイク入力、ヘッドフォン出力、有線LAN端子、SDカードスロット
サイズ/重量 およそ幅324×奥行234×高さ25.5mm/約1.5kg
OS Windows 10 Home(64bit)
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