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CES ASIA 2018レポート

世界よ、これが中国だ! トイレの踏み台だってIoT化でスッキリ

2018年06月21日 12時00分更新

 中国・上海で開催されたCES ASIA 2018。アジア地域では世界最大規模のコンシューマー向けの展示会ということで、世界各国のメーカーが出展し、幅広いジャンルの製品を展示していた。このレポートでは、会場で見つけた気になるデバイスやガジェットをピックアップしていく。

中国版のXperia Touch!?

 本体に搭載したプロジェクターで映像を机の上などに投影し、さらにタッチ操作が可能……というXperia Touchとまったく同じコンセプトの製品が「puppy cube」シリーズ。

机に置いて投写して使う「puppy cube」

10点タッチ対応なので、ピアノなどのアプリも問題なし

 上位版となる「puppy cube s」のスペックは、チップセットが中国メーカーのスマートテレビなどに採用されているMStar製のMSD6A93で、メモリーは4GB、内蔵ストレージは64GB。さらにプロジェクターの明るさは400lmでバッテリーでの連続使用時間は2.5時間となっており、Xperia Touchを凌駕している。OSはAndroidをベースに独自に開発したpuppy UIを搭載。

壁への投影なら最大100インチまで対応

インターフェース類は背面に配置

机置き以外でのスタイルで使用するリモコンも付属している

 価格は上位モデルが8999元(約15万3000円)でメモリー4GB、内蔵ストレージ32GBの下位モデル「puppy cube」は7999元(約13万6000円)。現在11月の正式発売に向けてクラウドファンディングでユーザーを募集中とのことだ。

デジタルノート技術でコンシューマー市場を狙うワコム

 日本メーカーもブースを出していたが、中でも注目を集めていたのがワコムのブース。今回ワコムはコンシューマー向けの展示会ということで、液晶タブレットやペンタブレットではなく、eインクやデジタイザーペンを使った「文房具のデジタル化」をテーマに、同社製品だけでなく提携メーカーの製品も多数展示していた。

 たとえば教育向けではタッチタイプのカラーディスプレーとeインクの2画面を装備した中国メーカーOKAY製の教育用デバイス。カラー画面を教科書や教師の書く黒板のように使い、eインク側をノートとして使用できる。

OKAY製の教育用デバイスで2画面搭載のクラムシェル型ノート

 またワコムの「クリップボード PHU-111」は、紙に書いた情報を即座にデジタル化できるアイテム。用紙の記入フォーマットはユーザーが自由に作成でき、その情報はバーコードで管理。入力フォームを印刷してバーコードを貼った紙をクリップボードにセットすれば、デジタル上のデータもそのフォーマットが反映されている。

 手書き入力をお願いする会員証の発行などで使用すれば、記入した紙をコピーやスキャンする必要がなく即座にデジタル化できるので、記入した用紙はそのまま持ち帰ってもらうこともできる。

ワコムのビジネスソリューション「クリップボード PHU-111」

用紙を挟み込むと、このバーコードを認識して入力フォーマットも反映される

 また、eインクなどに対応するペンのコア部分は非常にコンパクトになっているため、提携先のメーカーが自由な発想でペンの作成が可能。本物のボールペンのように、ノック式でペン先を出し入れできるようなデジタイザーペンも作れるようだ。

eインクを使ったデジタルノート

定規をあてて書き込んだりと、ボールペンと紙のような使い心地

ノック式でペン先を出し入れできる

デジタイザーペンのコア部分はかなり細く小さい

Android版HoloLens「Action One」

 現地会場ではVR用のHMD(ヘッドマウントディスプレー)がいくつか展示されていたが、筆者が特に気になったのがSHADOW CREATORの「Action One」。マイクロソフトのHoloLensのように、周りの風景を見ながらそこにウインドーなどを表示できるMRタイプのHMDだ。

フロントパネルが透明なので、実際の視界にデジタルの映像を組み合わせるMRタイプのHMD「Action One」

屈折反射光学系のディスプレーを使って映像を映し出している

 Action Oneをかぶって見える風景を写真に撮れないので伝えにくいが、できる作業や操作はHoloLensに近く、ジェスチャー操作や音声操作にも対応。OSはAndroidだが、独自のカスタマイズがされており、アプリごとにウインドーを開いて配置できるようになっていた。価格は6999元(約11万9000円)。別途コントローラーも用意されている。

左右にポインター操作用のパッドとボタンが配置されている

メガネにスピーカーを付けたヒアラブルデバイス

 最近のイヤホンやヘッドホンは傾向として、遮音性や雑音をカットすることよりも、回りの音を聞きつつ再生している音楽なども流すタイプのモデルが増えてきている。「Musiclens」もそういったデバイスのひとつで、メガネに骨伝導タイプのスピーカーを搭載。実際にかけてみると、回りの音はしっかりと把握でき、さらに音楽もきちんと再生されて聞こえてくる。

骨伝導タイプのスピーカーを搭載した「Musiclens」

 Bluetooth搭載でPCやスマートフォンと連携。マイクも搭載しているのでヘッドセットとしても使用可能。フレーム部分がタッチセンサーになっており各種操作が行なえる。またFMラジオも搭載しているので、単体でもラジオ番組が楽しめる。ラスベガスで開催されたCES 2018でも展示されていたが、日本でも公式サイト(→こちら)で発売がスタート。価格は1万5120円から2万2680円。

丸い部分が骨伝導スピーカーで耳のそばにあてることで音が発生する

充電用のmicroUSB端子や電源ボタンはフレームの下に配置

最新のトイレトレンドを取り入れた健康器具

 最近ヨーロッパなどでトレンドになっているのが、トイレ用の踏み台。洋式トイレを使用するとき足下に踏み台を置くことで、和式トイレ使用時に近いスタイルになり直腸を排泄しやすい角度にできるため、スムーズにトイレができるというもの。「Squatty Potty」で検索をすると、いろいろと情報が出てくる。

洋式トイレで和式に近いスタイルになれる「Asian Squat」

 「Asian Squat」はそんなトイレ用踏み台にデジタル要素を取り入れた製品。足を置く部分はヒーターになっていて、さらに音楽再生機能もあるためトイレでさらに快適にすごせるというもの。機能としては単純だが、ちょっとしたモノでもデジタル化に目を付けるのはおもしろい。ちなみにAsian Squatは、いわゆるヤンキー座りのこと。

足を置く場所がヒーターになっているので、真冬などに重宝しそう

中央のパネルで温度や音量を調節する

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