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演算量削減技術など先端技術が集結したマイクロソフト「Innovation Award」

2018年06月14日 09時00分更新

 マイクロフトは2018年4月16日、東京都内にて「Microsoft Innovation Day 2018」を開催。アメリカ本社が主催する学生向けの世界大会「Imagine Cup 2018」の日本大会と、日本マイクロソフトが主催する企業や団体、個人向けの「Innovation Award」と、2つのITコンテストを同日に開催した。

 Innovation Awardは、日本マイクロソフトが2007年から主催しているコンテスト。参加資格は企業、組織/団体、個人(学生可)となっており、マイクロソフトのテクノジーを使ったソリューションが評価の対象となる。優勝賞金は100万円で、過去には法人向けクラウド名刺管理/共有サービス「Sansan」など、Innovation Awardの受賞がきっかけで、さらに成長した企業も多い。

Innovation Awardをきっかけに大きく飛躍したスタートアップ企業も多い

 審査ポイントは「イノベーション(独自性、新規性)」「社会的価値(Value Proposition)」「インパクト(産業・社会)」「技術的難易度(ただし完成度は問わず)」の4つ。2月18日にエントリーが締め切られ、4月16日の最終審査には選抜された12社が登壇。それぞれ5分のプレゼンテーションと、審査員からの質疑応答によるコンテストが行なわれた。

プレゼン時間は5分と短いため、いかに簡潔にアピールするかがポイント

コンテストのあとブースも用意され、来場者へ自社ソリューションをアピールする機会が設けられた

UsideU
「コラボロイド」

 アニメーションするアバターを使った接客サービスで、AIによる自動応答が可能。さらに実際には人が応対しているが、ディスプレー上はアバターが映し出され、オペレーターの声や表情、動きをシンクロさせるハイブリッド機能も装備。

オペレーターの動きや声に合わせて、アバターもアニメーションする

すでに複数の箇所でプロジェクトがスタートしている

EmbodyMe
「Xpression」

 人の表情や話している状態を検知して、まったく別の写真や動画に写っている人の顔に反映させるシステム。カメラとビデオ、画像生成それぞれにディープラーニングを稼働させて実現している。Xpressionを使えば、別のキャラクターになってオリジナルのアニメーションを作成したり、すっぴんのままビデオ会議に参加したりといった使い方が可能とのこと。

スマホのインカメラを使って、手軽に利用できる

技術的には3つのディープラーニングを走らせている

Origin Wireless Japan
「Time Reversal Machine」

 センサーを使わず、無線LANの電波を検知することで位置情報を掴むシステム。対象物にセンサーなどを取り付ける必要がなく、既存の無線LAN電波を使うので低コストで導入可能。現状では50cm単位で位置情報が検知できるが、今後は数cm単位にまで精度を上げる予定。

無線の技術に加え、AIやディープラーニングなどを組み合わせたソリューション

人の集まる場所や駐車場の混雑状況など、ユースケースは幅広い

ストックマーク
「Anews」

 AIを使って最適のニュースをピックアップして配信するサービス。個人ではなく会社やグループへのニュース配信に特化しており、チーム内での情報共有にも役立てられる。対象ニュースは3万媒体だが、収集しているのは検索によるトラッキングデータのみのため、特に媒体と契約して記事の提供を受けているのではない。

AIがニュースを整理・分析をして最適なニュースを提供してくれる

チーム内でニュースの閲覧状況などもチェックできる

エイシング
「DeepBinaryTree」

 Raspberry Pi3などでもリアルタイム学習が行なえる軽量な、IoTエッジデバイス向け機械学習AI。パラメーターの調整が不要で、自動追加学習にも対応しているのがポイント。船体の予測制御では、PID制御に比べて53%の時間短縮を実現している。

組み込みをターゲットに作られたAIで、小規模な入力に対して素速い応答が可能

古典的なPID制御に比べて、DBI制御は格段に性能が向上している

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