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エアコンをサポートする新開発サーキュレーターを発売:

ダイキン「エアコンのファンだけ売ったろ」

2018年05月25日 16時00分更新

 エアコン「うるるとさらら」で知られるダイキン工業が10日、新開発のサーキュレーターを発売。同社が欧州で展開してきた薄型エアコンに搭載していたファンをそのままサーキュレーターとして流用した一品です。たんなるアイデア製品ではなく、たとえば窓ぎわにエアカーテンとして設置することで冷気・暖気をさえぎる効果も見込める、機能的にもおもろい製品でした。

アシストサーキュレータ
MPF07VS-W
5月10日発売
実売想定価格4万円前後
ダイキン工業
https://assist-circulator.com/

 「アシストサーキュレータ」は、縦置き/横置き/壁かけができるサーキュレーター。「すわバルミューダ」となるシンプルデザインが特徴です。ダイキンロゴさえ入っていません。外装は穴のあいた金属で包まれたパンチングメタルで、一見するとどこから風が出ているかわかりません。パンチの穴が小さいので子どもやペットが手足をつっこんでけがをする心配もありません。

 ダイキンでは3種類の使い方を提案しています。ふつうのサーキュレーター、エアコンのアシスト、そしてエアカーテンという使い方です。

●サーキュレーター

 気流を循環させて室内の温度ムラをなくします。ふつうの使い方ですね。スイング角度は約50度、首振り機能はありません。

縦置きでサーキュレーター使用

専用の円形スタンドが付属する

●エアコンのアシスト

 エアコンの設置場所によって生じてしまう、風(気流)の死角に送風する使い方。たとえばリビングの横にある和室が間仕切られて風の流れがまわらないようになっているとき、エアコンが冷やした(暖めた)リビングの空気を寝室に送ります。いままで同社は「市販のサーキュレーターを使ってみてね」と言っていたのですが、ついに自社で専用機を作ったわけです。

 吸気口と送風口はL字になっているので、エアコンから出てきた気流を「カクッ」と直角に曲げることができます。

横置きでエアコンのアシスト

空気をかくはんさせる役割に

●エアカーテン

 真下あるいは真上に風を送ることで、室内に「空気のカーテン」をつくるという使い方です。たとえばリビングに階段がある場合、暖房の暖気は上に逃げるため室内は暖まりにくくなります。エアカーテンで階段をふさぐことで、熱をリビングにとじこめるという発想です。窓の上に設置すれば、外からの熱をさえぎり、窓をあけても冷気・暖気が逃げにくくなります。

 同社では外気温2℃という寒さの中、ドアをあけっぱなしにしてエアコンを設定温度23℃で運転する試験を実施。エアコンだけでは約6℃まで室温が下がってしまいましたが、ドア上部にサーキュレーターを設置してエアカーテンをつくると室温は約16℃になったそうです。その差は約10℃。エアカーテンは窓を閉めているとき輻射熱(冷却)にも効果があるそうです。

壁かけでエアカーテンとして使用

 家庭用エアカーテンは他社からも2~3万円で出ているのですが、壁かけだけでなく床置きでもエアカーテンとして使えること、利用者のアイデア次第で使い方が変えられることがおもろいですね。ちなみに壁かけは同社のエアコン取りつけ金具を流用できます。

エアコン取り付け金具で固定できる

●Wi-Fi装備 アプリで操作

 Wi-Fiモジュールも積んでいて、アプリでリモコン代わりに操作ができます。やはりWi-Fi経由でネットにつながった同社製エアコンがあれば、電源のオン・オフも連動できます。

Wi-Fiでエアコンと連動する

●中身はエアコンのファン

 送風部品はエアコンのクロスフローファンそのまんま。筒状のファンを勢いよく回転させ、風を約9メートル先まで届ける力強さをもちながら、運転音は35~50dB程度とおだやかなのが特徴です。同社製ファンの中でも径が短いもの、具体的には欧州向けの薄型デザインエアコン搭載品を使っています。送風口はエアコン並みの大きさなので、送風幅もプロペラ式扇風機に比べると広めです。

カバーをはがすとクロスフローファン

筒状のファンが回転して風をおこす

同社の欧州向けエアコンに搭載している

 本体底部には「秘密のオプション」としてこっそり外部拡張用コネクターを用意。いまはまだ使途がありませんが、照明ユニットやスピーカーユニットなどをとりつけられるようにしたいそうです。おなじく温度・湿度センサーも積んでおり、まだ使途がありませんが、今後はエアコンと連動させて使っていきたいということでした。いろいろ前のめりな感じがいいですね……

謎のコネクターがもやしのように出ている

●わずか半年で完成

 アシストサーキュレータは同社の新企画「アイデア創出プロジェクト」から生まれた製品。今までとはちがうものづくりの方法を試そうと、昨年11月に出たアイデアをもとに、1月末から開発をはじめ、わずか半年で発売までこぎつけました。コア技術が流用とはいえとんでもないスピードです。デザインも悪くなく、ダイソンなどの高級サーキュレーターとどう戦えるか注目したいところです。



書いた人──盛田 諒(Ryo Morita)

1983年生まれ、家事が趣味。赤ちゃんの父をやっています。育児コラム「男子育休に入る」連載。Facebookでおたより募集中

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