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利活用を推進するアライアンスも結成し、宇宙関連事業の発展に寄与

さくら、衛星データの利活用を促進する宇宙データプラットフォーム構築へ

2018年05月23日 07時00分更新

 2018年5月22日、さくらインターネットは経済産業省の「平成30年度政府衛星データのオープン化及びデータ利用環境整備事業」に関わる委託契約を締結。「政府の持つ衛星データの受託者となり、データをオープンデータと還元する」を謳い、政府が所有する衛星データのオープン&フリー化を受け、企業や政府機関、個人で衛星データを利用しやすい「Open&Free Platform」の構築・運営を進める。

東京大学 柴崎亮介氏、さくらインターネット 田中邦裕氏、経済産業省 露田将範氏、宇宙航空研究開発機構 舘和夫氏、

 課題は衛星データ利活用の障壁だ。現在、グローバルでは「New Space」という名の元に、さまざまな衛星データの活用が進んでおり、多くの民間企業が参入している。一方、日本の政府衛星データは使いやすい状況にはなく、高い専門性やソフトウェアが必要だったという。そのため、今回は経済産業省の委託事業として、複雑で利活用のハードルが高い衛星データをより身近で利用しやすい形で提供し、地上データと含めたマッシュアップをプラットフォーム上で促進するという。

 具体的には、扱いやすいフォーマットに加工された衛星データを無償/有償提供するほか、事業に賛同するアライアンスからのデータも無償提供。そしてこれらのデータを収めるストレージ容量として2018年度時点で5PB(ペタバイト)を用意する。また、データ分析や解析については、「さくらのクラウド」やDockerホスティング「Arukas」、GPUサーバーの「高火力コンピューティング」などに約2億円(2018年度)の無料枠を設け、ライトユーザーや研究者・学生を中心に展開。最終的には新規事業の創出、生活の利便性向上、人材育成・雇用創出に寄与するという。

 また、「Open&Free Platform」の開発と利用促進のためのアライアンスも結成。リーダーとして東京大学 空間情報科学研究センター 教授の柴崎亮介氏を招き、宇宙産業関連を含めた複数の事業者・研究機関・団体を集める。さらにデータサイエンティストの育成や共創資金の提供、政府衛星データと組み合わせる地上データの収集、全国各地でのセミナー、Webサイトでの情報提供も合わせて進める。

 なお、事業は当初経済産業省の委託事業として進めるが、4年目(2021年度)からは完全に民営化する予定となっている。

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