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「あぶり豊潤焼き」機能を搭載:

シャープヘルシオに低温調理機能 お肉料理いっぱいちゅき♡

2018年05月17日 11時00分更新

 シャープが17日、ウォーターオーブン「ヘルシオ」シリーズ新製品を発表。上位機種は「あぶり豊潤焼き」機能を搭載しました。お肉の外側を250〜300℃の高温で焼きつけたあと、内側を52〜54℃の低温でじっくりと焼きあげる調理機能です。しっとりと焼きあがったローストビーフを試食したときには思わず「お肉料理いっぱいちゅき♡」とクソアニメのような表情になってしまいました。

ウォーターオーブン「ヘルシオ」
6月14日発売
シャープ
http://healsio.jp/

●型番
AX-XW500 30L/2段 AIoT
AX-AW500 26L/1段 AIoT
AX-AS500 26L/1段

●市場想定価格(上から)
17万5000円前後
13万円前後
9万円前後

 新製品の特徴は「簡単」「健康」「おいしい」の3つ。それぞれ「スマートスピーカー対応」「健康まかせて調理」「あぶり豊潤焼き」という機能で実現しています。

●スマートスピーカー対応

 はじめに上位機種はネットにつながる「AIoT」機能対応、スマートスピーカーのGoogle Home、Amazon Echoにも対応。スマートスピーカーからヘルシオにレシピをダウンロードできます。たとえばリビングでテレビを見ていて番組においしそうなポークチャップが出てきたとします。

「アレクサ、ココロキッチンを開いて」
「ヘルシオとお話したいことを言ってください」
「ポークチャップってできる?」

 このやりとりでポークチャップのレシピがヘルシオにダウンロードできます。

 いままでもヘルシオシリーズはボタンを押して献立相談や使い方相談ができる機能を搭載していました。ユーザーの満足度も8割以上と高いです。しかし実際Wi-Fiにつないでいるのは半数以下。同社では原因を「キッチンに行かないと相談できない」「オーブンレンジに話しかけるのは恥ずかしい」ためではないかと考え、居間や寝室に置いてあるスマートスピーカーを使えるようにしたそうです。

●健康まかせて調理

 次が「健康まかせて調理」機能。

 食材の野菜などを皿にのせて入れ、ボタンを押すだけで、焼き野菜や焼きそばなどのグリル調理が簡単にできます。今まで上位機種だけの機能ですが、新製品は全機種に搭載しました。

 代わりに上位機種は赤外線ムーブセンサーで冷凍・冷蔵を自動検知して、上下2段で調理ができます。上段で焼き野菜、下段でお総菜のあたためなどが可能。たとえば上段で焼きそばを作りながら、下段で春巻きをパリッとあたためるといった調理ができます。同社が「ヘルシオグリエ」で提案していたお総菜のあたため機能をヘルシオに実装した形。

 ちなみに、お総菜のポークステーキをヘルシオであたためたとき、フライパン調理と比べてビタミンB1の残存度が約15%上がったそうです。それが健康のゆえんです。

●あぶり豊潤焼き

 最後が「あぶり豊潤焼き」機能です。お肉を一気に加熱して外側を焼きつけたあと、庫内温度を一気に下げてじっくりあたためる低温調理ができるようになりました。

 低温調理時の温度は52~54℃。60℃以上になるとたんぱく質がかたまり、逆にそれ以下では香ばしさが消えてしまい、赤身肉はおいしく仕上がらないそう。低温でじっくりあたためることで、じわっとジューシーでありながら、しっかり火が通ったローストビーフがつくれます。東京・青山のフレンチ「モノリス」石井剛シェフの焼き方を再現しているそうです。

 同社によると水蒸気による無水低温調理は高い気密性が求められ、しっかりシール(密封)して水蒸気が漏れないようにする必要があります。一般的なオーブンレンジでは水蒸気が抜け、しっかりした温度管理ができないそうです。また一部の製品は指定サイズのお肉しか調理できないなど調理上の制限もあったそうですが、新製品はお肉の厚さや形を問いません。

 あぶり豊潤焼きはローストビーフのようなごちそう料理だけでなく、豚肉や鶏肉などでも使えるため、たとえば自家製サラダチキンをつくるなど、ふだんの食事にも使えるそうです。

 あぶり豊潤焼きのローストビーフを試食しましたが、衝撃的なおいしさでした。やわらかく、じゅわっとうまみがあふれます。肉感的で、これ以上書こうとすると表現がきわどくなってしまうエッチな味でした。同じくサラダチキンは鳥むね肉とは思えないほどしっとりとうまみがありました。コンビニのサラダチキンよりおいしかったです。こちらは平常心で描写ができました。

●ヘルシオは今年で15周年

 ヘルシオは今年で発売15周年。特徴は「水で焼く」過熱水蒸気調理、通常のオーブン調理に比べて約8倍という高い熱量で調理できるのが強みです。一方、利用者が機能を使いこなせておらず、たんに図体のでかい電子レンジになってしまっていたところが課題でした。いままでも自動調理機能や音声操作機能などで使いやすくしてきましたが、今回はスマートスピーカー対応をくわえた形です。

 Wi-Fiにつないでいないのは単に面倒くさいからでスマートスピーカーはあまり関係ないようにも感じますが、スマートスピーカーを使うことで音声入力の精度が上がるのはいいですね。スマートスピーカーを通じて操作できる機能がもっと増えていくといいですね。

 なにより「健康においしく」というヘルシオ元来のコンセプトを強めた「あぶり豊潤焼き」機能はたいへん魅力的でした。ヘルシオは普段使いできる業務用調理器具という風情のすてきな製品です。勝間和代さんも「オーブンレンジとして使ってはいけない」と釘を刺すほど普通の調理家電としてオーバースペックですが、味という本質はワンアンドオンリーです。

 ぜひパナソニック「ビストロ」に負けないようがんばってほしいと思います。



書いた人──盛田 諒(Ryo Morita)

1983年生まれ、家事が趣味。赤ちゃんの父をやっています。育児コラム「男子育休に入る」連載。Facebookでおたより募集中

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