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IFA2018は8月開幕で世界最高の家電展示会になるのだっ!!

世界のコンシューマー・エレクトロニクス市場はついに1兆ドルになる!! IFA GPCレポ 前編

2018年04月25日 20時00分更新

 IFAは毎年秋にドイツ・ベルリンで開催される世界最大のコンシューマーエレクトロニクス展示会。2018年は8月31日開幕だが、それに先立ち、世界60ヵ国から320人の報道関係者を集め、イタリアのローマでプレスカンファレンスを実施した。

 IFAはテレビ展示会から始まり、民生機器の総合展示会へと成長してきたのだが、従来のAVおよびIT機器に、白物家電を導入して11年目となり、世界最大の展示会へ成長した.製品展示はもちろんだが、OEMメーカーやスタートアップについても、展示だけではなく、人と人との交流に力を入れている.

2018年世界のIT家電市場は1兆ドル越え
スマホはついに15億台出荷となるのか!?

 調査会社GfKによると、2018年の民生電器市場の世界売り上げは、対前年比3.9%の成長でいつに1兆ドル(約110兆円)を超える.地域別ではヨーロッパと北米、中国がほぼ全体の22~23%とほぼ同サイズで、この3地域で全体の70%を売り上げることになる.

世界のCE市場予測

 2018年に成長が期待される一番の地域はラテンアメリカで9%、アジア新興地域は相変わらず好調で7%、ヨーロッパも景気がよく6%で、逆に牽引車だった中国は1%と鈍る予想だ.

地域別の成長予測

 ジャンル別では、スマホが全体売り上げの48%を占め、約4900億ドル(約54兆円)市場ということになる.続いてテレビとモバイルPCがそれぞれ全体の12%つまり1200億ドル(約13兆円)市場となる予想だ.

カテゴリー別の成長予測

 台数ではスマホが対前年3%増で、ついに年間出荷台数が15億に達し、PCは4%減で2億8300万、テレビは6%伸びて2億3600万台と予想している.

スマホ・PC・TVの成長予測

 スマホは画面の大型化とカメラ機能の向上、商品サイクルの短さが追い風となっており、PCはコンパクトモデルが人気だが、スマホに市場をくわれている状況は変わらずだ.テレビは大型化と高機能はもちろん、買い替え需要と1家複数台設置が世界に広がっているという.

世界のスマホの30%は中国人が
パソコンの30%はアメリカ人が買っている

 ジャンルごとの地域差もおもしろい.金額ベースで世界のテレビはヨーロッパ、北米、中国で仲良く20~22%が売れているのに対して世界のスマホの30%は中国で売れていて、PCはなんと29%が北米で売れているという.アメリカ人はパソコン好きなのである.

3種の神器=地域別売り上げ

 テレビといえば4K(UHD)が伸びており、2018年には台数で対前年38%増でついに1000万の大台に乗る予想である.売上高は780億ドル(約8.6兆円)だから、台数で割ると1台の平均価格はなんと7800ドル(約86万円)と高額だ.

 スマートスピーカーの成長は著しく、2016年には1100万台だった出荷台数が、2017年には3倍の4500万台となり、2018年には1億5000万台以上売れると予想しているがそれよりもっと伸びそうである.

 スマートウォッチやトラッカーをあわせたウェアラブルのジャンルもいまだ成長中で、2018年には対前年32%増の2億1110万台、金額では280億ドル(約3兆円)市場となる.2017年の地域別では一番大きいのが中国の36%、北米の34%でヨーロッパは17%とほかの製品に比べて少なめだ.

アジア太平洋地域のノートPC種類別シェア= ジャンル別では、「超薄型」と「ゲーミング」が人気沸騰中で2018年第四四半期には超薄型が38%を占めることになる.

大型白物家電の2018年予想は10%成長2160億ドル市場へ
小型白物家電は8%増の680億ドル

 冷蔵庫や洗濯機に代表される大型家電もいまだ成長中で、9大ジャンル(洗濯機、乾燥機、食洗機、冷蔵・冷凍庫、オーブンなど)の合計販売台数は2017年は対前年4%増の5億2700万台だった.

大型家電の地域別売上高

 地域別ではやはり中国と西ヨーロッパ、北米が20%づつで並ぶ.冷蔵庫、洗濯機は「スマート」型が、レンジフード付きのガス台や電磁コンロも成長株である.また、ヨーロッパでは省エネが人気で、最上級のA+++マーク付きが23%、A++が22%、A+が30%を占める.

新製品と新機能が市場を牽引

 掃除機や小型調理器具といった小型家電の分野は8%の成長で2017年に世界で650億ドルの市場.成長が著しいのが南米の13.5%とオセアニアの13.4%で、南半球である.金額ベースでの成長株は、ダイソンが火をつけたハンディ掃除機と空気清浄機、そして日本でも人気のノンフライヤー、電動歯ブラシなどである.

小型家電の成長地域

 一時期家電メーカーが高らかに唱えていた「スマートホーム」については、期待する人々の度合いは、世界平均が50%で中国が最高の75%、ブラジル、韓国が続き、米国が51%、日本はなんと19%と低い.

小型家電のネット通販・国別比較=ヨーロッパで一番直販率が高いのがチェコの41.7%でイギリス、ドイツが続く.逆に非常に少ないのがポルトガルだ.

IFA2018は成功した2017を継承
新ベルリン空港はまだ先なのだ

 ベルリンメッセのCEOであるGoke氏は、2107年は記録的な年であったと発表.入場者数は25万2000人、商用では121の国から14万5000人が訪れた.

 出展社は1800で24万平米の開場規模で、58億ドル(約6400億円)の取引がおこなわれ、160カ国から5700人の報道関係者も参加.ついに世界一のコンシューマーエレクトロニクスショーとなった.

 今年もそれ以上の成果をあげたいが、ブースの数や参加者数よりも質を追求していく姿勢は従来どおりで、昨年から始めたスタートアップの交流の場である「IFA NEXT」や、2016年から始めたOEM/ODMメーカーと依頼社のマッチングゾーン「IFA GLOBAL MARKET」も好評ということで、2018年も継続して設置される.

 会場面積については、現在新しいホールを建設中で、今年はまだ利用できないが、来年のIFA2019はさらに巨大化するらしい....

 ちなみに、ベルリンメッセはIFA、シンセンのCE Chinaに続き、北米のCEweek、ヨーロッパではデジタルヘルスのSmartCounty、車載機器のShiftと手を広げているらしいですはい.

 9月31日におこなわれるキーノートはHuaweiのCEO、Richard Yu氏が登壇する.ベルリンのブランデンブルグ新空港はいまだ開港できないが(2020年になるらしい)、今年もテーゲル空港からIFAに向かって出撃するのだっ!!

ベルリン・ブランデンブルグ新空港(Photo: Flughafen Berlin Brandenburg GmbH)

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