2018年04月16日09時00分

シェアサイクルを通じて日本と世界の違いを垣間見た

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IoT、スマホアプリと最新技術で作り上げられたモバイクは契約もスマホのみ

 桑園駅に到着した筆者は、駅のポートにポロクルを返却して近くのモバイクステーションに向かった。こちらも、いきなり使ってみる想定で何の準備もなしにモバイクが並んでいるエリアに向かった。ポロクルのポートが説明書きでうまっていたのとは対照的に、モバイクステーションはあっさりしたものだった。

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キーカラーのオレンジが映えるものの、看板などの説明は見つからないモバイクステーション

 スマホアプリが必要だという事前知識はあったのだが、何も知らない人はどうするのだろう。そう思いつつモバイクステーションに近づいてみると、使い方の説明は後輪フェンダーにシンプルにまとめられていた。こまかい操作はアプリの指示に従えばいいので、これだけの情報量で十分なのだ。

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3ステップで簡潔にまとめられた利用方法のシールが後輪フェンダーに貼られていた

 指示に従ってモバイクアプリをインストールし、個人情報と支払いに使うクレジットカード情報を入力。初回はデポジットとして3000円支払う必要があるが、これは解約時にクレジットカードに払い戻される。それとは別に、モバイクを利用するための料金をウォレットにチャージする。こちらは500円から。アプリは各ステップがシンプルに作られているうえに日本語化もバッチリで、スマホの操作に慣れていれば数分で済む作業だ。

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会員登録、デポジット、ウォレットへのチャージが済みライド準備が完了

 会員登録などの準備が整ったら、モバイクについている2次元バーコードをアプリで読み取る。何度か試したところ、ロック解除までは早くて数秒、場所や通信状況によっては数十秒といったところ。この間にバーコードで認識された自転車とモバイクのシステムがセルラー通信網を通してロック解除の手続きを行なっているのだから、稼働台数を考えるとかなり優秀なレスポンスと言うべきだろう。

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ロック解除画面。QRコードをスキャンする

シェアライド専用開発車の乗り味は独特の硬さ、悩みはステーションの少なさ

 乗り始めてすぐに感じるのは、自転車全体の硬さ。シェアサイクルを前提にオリジナルで設計されたというモバイク。その指標となったのは、3年間ノーメンテナンスで使えることだと聞く。デザイン性と剛性とを両立させる太いフレームが印象的なデザインだが、硬さを感じるのはフレームだけのせいではない。パンクとは無縁のエアレスタイヤは、慣れるまではゴツゴツした感触を体に伝えてくる。また、サビが問題になりやすいチェーンやギアを排するため、シャフトドライブを採用してフレーム内に収めてある。チェーンのような遊びがなく、こちらも慣れるまでは硬さを感じさせる要因のひとつと感じた。しかし乗り方に慣れてくれば硬さは心地よい剛性感に変わる。独特の乗り味を楽しむだけでも、乗ってみる価値はある。そんなことを考えながら、実証実験エリア内でサイクリングを楽しんだ。

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エアレスタイヤに片持ちの太いフレームという独特なデザインにはそれぞれ理由がある

 悩んだのは、途中で自転車を停める場所がないということだ。ポロクルの場合はワイヤー錠が備え付けられていたので、店舗や観光地の駐輪場を利用できる。モバイクの場合はそうした一時的ロック手段が用意されておらず、ロックすなわちライド終了という扱いになる。ここで問題になるのが、モバイクのライド終了時にモバイクステーションに停めなければならないということ。それ以外の場所でライドを終了するのは、厳密にいえば許されていない。しかし、サイクリングで乾いた喉を癒すためにコンビニに立ち寄りたいことだってあるし、モバイクステーションを備える店舗は少ない。

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後輪を手動でロックするとライド終了となる

 試しに、モバイクステーションを備えるコンビニと、一般の駐輪場しか備えないドラッグストアの双方に立ち寄り、通常通りロックして買い物をしてみた。モバイクステーションに駐輪すると、正しい場所でライドを終了したとしてポイントが加算された。逆に一般の駐輪場に停めた際にはポイントは加算されなかった。どうやらペナルティ方式ではなく、正しく停めた場合にプラス評価するという方式のようだ。もっともこれは実証実験段階での話。市民の足となり、ポロクルと同等程度にステーションが増えれば、停車場所の悩みもなくなることだろう。

それぞれの良さはあるものの、モバイク流が世界の流れか

 ポロクルは地元に根付いた交通系ICカードを使えるなど、地元住民の使いやすさに配慮され、自転車を戻すためのポートも多く整備されている。実証実験から10年近くをかけて築いてきた交通網だ。ホテルで1日乗車券を手軽に入手できるなど、観光地札幌ならではの対応も練られている。しかし多くの人手を介することでサービスが成り立っていると言わざるを得ない。特に自転車のメンテナンスについては、サビ対策などでかなりの手間がかかっているのではないかと感じる。

 対してモバイクは、良くも悪くも硬い。乗り心地だけではなく、サービスに人を介さないので冷たく硬い印象が残るのだ。しかし、そのおかげでグローバル展開もしやすく、一度会員になれば世界中で同じ品質のサービスを得られるというメリットがある。

 どちらにも良い部分はあるものの、これからのビジネスを考えたとき、どちらが有利かははっきりしている。日本の自治体はとかく同じようなサービス、システムを個別開発する傾向にあるが、地元最適にこだわっているとあっという間にモバイクのようなグローバル視点のサービスに席巻されてしまうのではないか。そんなことを考えたライド体験だった。

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