週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

毎回美容室を変える人向け予約アプリが最優秀賞、sprout#21レポ

2018年03月22日 07時00分更新

 みなさんこんにちは、pilot boatの納富隼平(のうとみじゅんぺい)です。toCをテーマに業界ポジトークを担当しております。今回は筆者が主催者の1社であるsproutというイベントのレポートです。

 筆者は2ヵ月に1回程度、sproutというイベントを開催しています。これはtoCサービスを運営しているスタートアップだけが登壇する、スタートアップのピッチイベントです。トータルで21回目の開催となる2018年初回は、東京渋谷の朝日新聞メディア・ラボで開催しました。

sproutではお酒を片手にスタートアップのピッチを楽しみます

面倒な美容室予約をユーザーファーストに

 この日オーディエンスが最優秀賞に選んだのは「requpo(リクポ)」。”検索がいらない”サロン予約アプリです。

 私は毎回同じ美容師さんにカットしていただいているのでビックリしたのですが、毎回のように美容室を変える女性は非常に多いそうです。一般的な美容室の予約手順は、ウェブで店舗検索してから、店舗情報確認→メニュー選択→日程選択といったところでしょうか。ただ美容室ごとにサイト上での操作方法が違ったり、要望を伝えたいといった、ちょっとしたカスタマイズがしにくかったりますよね。ユーザーファーストじゃないものです。

 そこで登場するのがrequpo。requpoのコンセプトは「自分が主役のわがまま予約」。ユーザーはアプリから、エリア・メニュー・希望金額・おねだり(トリートメントも付けてほしいなどの追加リクエスト)・時間などを入力。その内容はエリアの美容師さんに通知されます。受注したい美容師さんは「こういう条件ならできますよ」という内容を返してくれて、ユーザーが納得すれば予約完了です。ユーザーは提案してくれた美容師さんのポートフォリオなども確認可能で安心感があります。あとは美容室に行ってカットしてもらうだけ、というわけです。

 ユーザーからは「美容室をふらふらするタイプなので、使いたい」などの声が聞かれ、対象ユーザーの心を掴んだことが、最優秀賞に選ばれたポイントのようです。

requpoを開発・運営する株式会社リクポの代表取締役CEO 木崎智之氏

水に溶かして栄養を簡単に摂取できる「すごい粉」

「NICE n EASY」クラウドファンディングページ

 「NICE n EASY(ナイスンイージー)」は、野菜・果物・スーパーフードを粉にして、独自のレシピで配合したパウダー製品です。元々が野菜や果物なので栄養満点。水や牛乳などの飲料に混ぜて飲めば、簡単に栄養が摂取できます。代表の清水さん曰く「ようするにすごい粉」だそうです(笑)。

 NICE n EASYの種類はトマト・ビーツなどが入ったENJI(赤)と、ほうれん草やカボチャが入ったMOEGI(緑)の2種類。クラウドファンディングで目標の500%を達成するような注目商品です。

不動産×クラファンに大事なのはストーリー

クラウドリアルティ

 不動産特化の投資型クラウドファンディング、なんて言われたらちょっと難しそうでしょうか。でも「みんなで建物をリノベーションしたり街づくりをしたりする」と言われればちょっと身近かもしれません。

 クラウドリアルティが提供するサービスは一種の不動産投資なのですが、大事なのはストーリー。たとえば京都はインバウンド観光で賑わっているのに、京町家は老朽化がすすんで取り壊されていることも多いそう。そこでクラウドファンディングも使って街の保全を図ろう、というわけです。

スワイプして探す、新世代の求人アプリ

「GLIT」

 近年の転職市場は売り手市場と言われています。だからといって転職するのは非常に面倒で、時間がかからないのならそれに越したことはありません。

 「GLIT」は”カジュアルに出会えるリクルーティングサービス”。求人情報をスワイプするだけで、求人している企業とマッチングすることが可能。とにかく簡単なことがポイントなので、転職意欲が高くない段階から使うこともあるし、どんな会社なのかが調べるのに最適です。ミレニアル世代など若い層を中心に使わているのだとか。

こだわり野菜が産直で届くマーケットプレイス

「食べチョク」

 伝統野菜はロットが小さいし、規格外の野菜は出荷できない。なのでこれらの野菜はスーパーに並びません。通常の野菜も中間流通が多くて、消費者の手元に届くまでに時間がかかってしまいます。そんな野菜の流通に新しい風を吹き込むのが「食べチョク」。野菜や果物を消費者へ直接消費者へ届けるマーケットプレイスです。

 食べチョクを使うと、審査を通過したオーガニック農家が、その日に採れた旬野菜を消費者へ直送してくれます。野菜単体ではなく旬の野菜セットなどがあるので、季節のオススメを楽しむことも可能。直販による中間流通の省略は、コスト削減や生産者の顔が見えるといったメリットを生み出しています。

納富隼平(pilot boat)

著者近影 納富隼平

合同会社pilot boat 代表社員CEO。
1987年生まれ。2009年明治大学経営学部卒、2011年早稲田大学大学院会計研究科修了。在学中公認会計士試験合格。大手監査法人で大手電機メーカーを中心に会計監査に携わった後、トーマツベンチャーサポート株式会社に参画。毎週開催ピッチイベントMorning Pitchをはじめ、300超のピッチ・ベンチャーイベントをプロデュース。
2017年独立して合同会社pilot boatを設立し、引き続きベンチャー支援に従事する。スタートアップ紹介メディア「pilot boat」、podcast「pilot boat cast」、toCベンチャープレゼンイベント「sprout」を運営。得意分野はFashionTechをはじめとするライフスタイル・カルチャー系toCサービス。各種メディアでスタートアップやイノベーション関連の執筆も務める。
Twitter: @pepepe_pei

■お知らせ
 さてrequpoが最優秀賞となって幕を閉じたsprout #21。アスキー読者の皆さんならきっと楽しんでいただけると思います。次回はぜひ遊びに来てください! toCスタートアップのプレゼンイベント「sprout」を、2ヵ月に1回程度渋谷で開催しています。詳細はsproutのFacebookページから!

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

この連載の記事