2018年02月12日23時00分

ZenとVegaが合体した「Ryzen G」は低予算自作における革命だった!

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 それでは今回発売されたRyzen Gシリーズのスペックを従来のCPU/APUと比較してみよう。同価格帯にあるRyzen 1000シリーズのCPUとスペックを比べると、Ryzen Gシリーズは若干クロックが高めになっているほか、メモリーの上限がDDR4-2933まで引き上げられている点が重要だ。GPUを内蔵しているにも関わらず、TDPは65Wに収まっている部分も興味深い。

 そしてRyzen Gが採用したGPUコアはVegaベースだが、CU(Compute Unit)は8基ないし11基と、CPUコアと同一パッケージ内に入れるためにVega 56の5分の1から7分の1にダウンサイズされている。さらにGPUや周辺回路を内包した結果からか、外部GPUへの接続バスはPCI-Express Gen3のx8が上限であるなど、これまでのRyzenとは微妙に仕様が違う点もある。

Ryzen Gシリーズと既存のAMD製CPU/APUを比較
製品名Ryzen 5 2400GRyzen 5 1400Ryzen 3 2200GRyzen 3 1300XA12-9800E
アーキテクチャーZenZenZenZenExcavator
コア/スレッド数4/84/84/44/44/4
ベースクロック3.6GHz3.2GHz3.5GHz3.5GHz3.1GHz
ブーストクロック3.9GHz3.4GHz3.7GHz3.7GHz3.8GHz
L3キャッシュ4MB8MB4MB8MB-
搭載GPUVega 11-Vega 8-Radeon R7
CU数11基-8基-8基
SP数704基-512基-512基
GPUクロック(最大)1250MHz-1100MHz-900MHz
対応メモリーDDR4-2933DDR4-2666DDR4-2933DDR4-2666DDR4-2400
外部GPU接続PCI-E Gen3 x8PCI-E Gen3 x16PCI-E Gen3 x8PCI-E Gen3 x16PCI-E Gen3 x8
TDP65W65W65W65W35W
RyzenG
RyzenG
「CPU-Z」でRyzen Gの情報を拾ってみた。左がRyzen 3 2200G、Ryzen 5 2400Gとなる

 内部構造的にはInfinity Fablicを起点に、4基の物理コアを持ったCCXと、Vegaベースのグラフィックスコアが接続される。CCXを2基備える上位Ryzenシリーズから、片方のCCXをVegaに置換したモデルであるため、物理コアは4コアが限度。CCX2基にVegaコアを入れるのは、発熱的に無理があるようだ。

RyzenG
Ryzen Gのブロック図。Ryzen 7が備える2基のCCXのうち片方をVegaに置換し、映像出力用の回路等を付け加えたものがRyzen Gという理解でよいだろう(AMD資料より抜粋)

 さてRyzen Gの型番が従来の1000番台でなく2000番台に増えた理由は、Ryzen GシリーズのCPUコアはRyzen 1000シリーズより改良されているためだ。CCXの基本構造は同じだが、各コアの負荷に応じてクロックを調整する“Precision Boost”が“Precision Boost 2”に更新されている。

 Precision BoostはCPUの使用状況をチェックする。3コア以上がアクティブなら“全コアブースト”2コア以下なら“2コアブースト”という2つのステートに切り替え、クロックを調整していた。Precision Boost 2も基本は同じだが、クロックの調整幅がより細かくなった。結果として中途半端にコアを使う時は、Ryzen 1000シリーズよりも(わずかだが)高クロックになるためパフォーマンスが稼げる、というものだ。

RyzenG
Precision Boost(橙色)とPrecision Boost 2(黄色)の挙動の違い。横軸はアクティブな論理コア数、縦軸がクロックを示す。2コアブーストと全コアブースト時のクロックは同じだが、Precision Boostはすぐクロックを落としてしまうのに対し、Ryzen Gに搭載されたPrecision Boost 2はアクティブな論理コア数増加に応じて緩やかにクロックを下げていく
RyzenG
上のグラフをもう少しわかりやすくしたもの。「OCCT」で負荷をかける論理コア数を増やしていくと、除々に各コアのクロックが下がっていくことが示されている

 Ryzen Gシリーズも全て倍率ロックフリーであり、OC用のツール「Ryzen Master」もVer 1.2以降でRyzen GのOCにも対応する。Ryzen 1000シリーズやThreadripperと共用のツールになっているせいか、本来RyzenやRyzen Gシリーズでは不要なメモリーアクセスモードの設定項目が残されているが、やれることは同じのようだ。

RyzenG
Ryzen MasterはVer 1.2以降でRyzen Gに対応する。中盤やや下の「APU GFX Speeds」でGPUのクロック変更も可能だ

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