2017年12月12日15時00分

第2世代「wena wrist」が登場、ソニーらしい「作品」としての存在感

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 12月7日にソニーはスマートウォッチ「wena wrist」の第2世代モデルを発表しました。腕時計のバンド側にスマート機能を持たせるというアイデアはそのままに、小型ディスプレイを搭載。さらにスポーツ用途を意識したアクティブモデルも加わりました。

第2世代「wena wrist」が登場、ソニーらしい「作品」としての存在感
wena wristの第2世代モデルが登場(写真は機械式ヘッドを組み合わせた状態)。

バンドに小型ディスプレイを搭載

 wena wristの特徴は、腕時計の文字板があるヘッド側ではなく、バンド側にスマート機能を持たせている点です。wenaも独自のヘッド部を発売していますが、必ずしもこれを買う必要はなく、時計バンドをつけられる腕時計なら自由に合わせることができます。

第2世代「wena wrist」が登場、ソニーらしい「作品」としての存在感
wena事業室の統括課長を務める對馬哲平氏。wena wristは對馬氏の学生時代のアイデアがベースになっている。

 第2世代の「wena wrist pro」は、新たにバンド部に有機ELのディスプレイを搭載しました。画面サイズは防水性能との兼ね合いであまり大きくはないものの、電話番号などちょっとした情報を表示できます。

第2世代「wena wrist」が登場、ソニーらしい「作品」としての存在感
wena wristの本体であるバンド部に小型ディスプレイを搭載した。

 スマートウォッチといえばApple Watchのように文字板全体がディスプレイになっているもの以外に、従来型の時計にスマート機能を搭載したハイブリッド型も増えており、小型ディスプレイの搭載もトレンドの1つになっています。

 小型でも画面があれば、スマホを取り出す必要があるかどうか、判断するための情報を表示できます。wena wristの新モデルは、これをバンド側で実現したものといえるでしょう。

 新たに登場したスポーツモデル「wena wrist active」も面白い存在です。シリコン素材のスマートバンドとしてアクティビティトラッカー機能を利用できる上に、時計のヘッド部を取り外しできるのが特徴。従来型腕時計とスマートバンドを1本にまとめることを可能にしています。

第2世代「wena wrist」が登場、ソニーらしい「作品」としての存在感
マウントの構造。スマートバンドと従来型時計の組み合わせが面白い。

Suica対応の可能性はあるか

 残念な点としては、第2世代モデルでも電子マネーとして「Suica」には対応していません。アンテナ特性としてはFeliCaの検定に合格しているものの、フェリカネットワークスによる「おサイフリンク」アプリはSuicaに未対応で、今後は「関係各社と協議を進めていく」(對馬氏)との説明にとどまっています。

第2世代「wena wrist」が登場、ソニーらしい「作品」としての存在感
電子マネー機能にSuicaは含まれていない。

 実のところ、電車に乗るという目的だけならPASMOユーザーやJR東日本エリア外の人にとって、モバイルSuicaは必須ではありません。とはいえ交通系電子マネーが使えるに越したことはなく、対応すれば確実にセールスポイントになるでしょう。

 囲み取材では「(Suica対応は)悲願であり、なんとかしたいという思いはある」と漏らしつつも、道のりは長そうな印象です。「自分だけでは決められないレベルの話になる。新たな投資が必要になり、ビジネス的な判断は難しい。いかに簡単にできるかというプラットフォーム作りが重要。フェリカネットワークスとも話をしている」と對馬氏は説明しています。

wena wristの「作品」としての存在感

 ところで、今回の発表会でちょっとした注目を浴びたのが、「wena wristは商品ではなく、作品である」という對馬氏の主張です。

 商品と作品の違いとは、「普通の商品はポジショニングマップに当てはめるように作っていくが、wenaには”世界はこうあってほしい”という思想が入っている」と定義します。いわば市場ニーズに合わせた商品を作る「マーケットイン」ではなく、メーカーが作りたいものを作る「プロダクトアウト」と言い換えることもできるでしょう。

 発表会自体は「新商品発表会」であり、ソニーがwena wristを1つの商品と位置付けていることは間違いありません。しかし對馬氏は「使いやすさなどユーザーの意見を入れるべき部分はあるが、コアとなるコンセプトの部分には自分の思想が入っているべきだ」と線引きをしています。

 まだまだwena wristには完成度の面で不満を覚える部分はあり、普通の会社なら出る杭は打たれるとばかりに叩かれる表現です。しかし無難で優等生的な「商品」ばかりでは、誰もが期待する「ソニーらしさ」に届かないのもたしかです。近い将来、ソニーのブランドイメージの一翼を担う存在へと成長することに期待です。

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