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高いスマホだからこそ、補償はしっかりとしておきたい

高価なiPhone Xをなくしたときでも使えるauの即時配送サービスの裏側

2017年11月02日 10時00分更新

無残に壊れた携帯電話。見ているだけでも気が滅入ります

 「iPhone X」や2017年冬スマホが続々と発表になっている今日この頃。ものによっては端末代金が10万円を超えるスマホも珍しくなくなってきました。もちろん、2~3万円程度のいわゆる格安スマホも人気がありますが、常に使う物はいいものが欲しい、というニーズもあるでしょう。

 そんな高価なスマホを買うときに気になるのが、補償制度。SIMフリースマホであれば、メーカー標準の補償制度やMVNOの補償オプションを使えますが、キャリアの端末は店頭やコールセンターなど、SIMフリー機より手厚いサービスが利用できます。

依頼したその日に受け取れるauの「故障紛失サポート」

 今回はそのうちのひとつで、条件によっては即日配送にも対応しているauのオプションサービス「故障紛失サポート」の裏側を見てきました。

 そもそも故障紛失サポートとは、auから販売されているAndroidスマホやタブレット、フィーチャーフォンで利用できる月額380円(税抜)のオプション。端末の故障や紛失時などに交換や修理の一部を補償するというものです。

故障紛失サポート

 故障紛失サポートの中にはいくつかのサービスが含まれますが、とくに注目なのが「交換用携帯電話機お届けサービス」。これは端末が壊れたりなくしたりしたときに、自宅や職場など指定した住所に同一機種・同一色のリフレッシュ品を届けてくれるもの。

 さらに、一刻も早く端末を交換もしくは修理して欲しいわけですが、故障紛失サポートには「お急ぎ便」という交換機を申し込み当日に送ってもらうオプションも利用可能となっています。

 とはいえ、お急ぎ便を利用するには一定の条件を満たしている必要があります。まず、配達先が一部地域を除く関東(東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城、群馬、栃木、山梨)もしくは関西(大阪、京都、兵庫、奈良、和歌山、滋賀)であること。次に、当日の正午までの申し込み完了分のみ、となっています。

交換用携帯電話機お届けサービスの仕組み

お急ぎ便以外にも日時指定配送サービス、コンビニ(ファミリーマート、サークルK、サンクスなど)受け取りなどもある

 auによれば、故障紛失サポートを利用する約8割のユーザーが交換用携帯電話機お届けサービスを選んでいるとのこと。しかし、単に運送会社に即日配送の契約を結ぶだけではなく、円滑かつ素早くユーザーのもとに届けられるよう、サービスをつかさどる配送センターには、さまざまな工夫が施されていました。

徹底的な効率化が実施された配送センター

 配送センター内部は、顧客の重要な情報を扱っているだけあって、セキュリティーは非常に強固。まず、登録された携帯電話以外の通信機器の持ち込みは禁止ですし、入室前に空港の検査場のような金属探知機でチェック。さらに、その先も高い壁も囲まれ、関係者のICカードがなければ入れません。

今回、取材道具として、カメラは許されたものの、携帯電話はすべて置いていき、あとは紙のメモとペンだけという状態でした

 まず、交換の申し込みがコールセンターもしくはウェブから確定されると、配送センター内の情報端末にオーダーが落ちてきます。スタッフはその端末に表示されている交換品在庫をピックアップし、故障した旧端末の返送用封筒やサポート冊子などといっしょに梱包をします。

 この交換機となる端末は、基本的にはリフレッシュ品。auの配送センターでは、破損の状況にもよるものの、回収した旧端末は基本的には修理を行なって、再度別のユーザーへの交換機として使っているとのこと(発売初期の場合は、交換用の端末を別途用意している)。

スタッフ用の情報端末。「○○の棚に端末を取りに行く」など指示が表示された場合、端末のバーコードリーダーで正しい機種を読み取らないと、次の工程には進まない

交換品在庫が置かれている棚。番号で管理されており、より出荷頻度の高い製品が、次の工程に近い場所に配置されている

交換機といっしょにユーザーに送られるもの

壊れた端末を入れる返却用の封筒は二重に緩衝材が入っている

ドライバーや受け取り方に配慮した工夫も

 取材当日、実際にお急ぎ便が配送センターを出発する時間に立ち会えました。当日はある程度の量の配送端末があったようで、午前10時および12時に出荷していました。12時過ぎの出荷で12時ギリギリ前のオーダーが通るか心配でしたが、担当者によれば「オーダーから配送準備完了までは、最速で3分で可能」とのことで、たとえ午前11時59分にオーダーが完了したとしても大丈夫とのことです。

各地域の営業所別にわけられたボックス

荷物を積み込むとチャーター便は発進していった

 ユーザーとしては、もうひとつ心配な点があるとすれば、配送遅延だと思われます。もちろん、センターの方で荷物の追跡も行っているため、もし配送が遅延する場合は、ユーザーの問い合わせが来る前に、遅れる旨を連絡するとのこと。ちなみに、最近遅延が発生した例としては、台風21号が接近したときだったようです。

 また、特徴的だったのは段ボール。実は、ユーザーに届けられる段ボールには「au」のロゴは一切ありません。これは、届けてくれる運転手の人が、ほかの荷物といっしょにauショップなどの販売店に誤配送してしまうのを防ぐため。

上が従来の段ボール、下が新しい段ボール。サイズ以外にも、誤配送を防ぐためにドライバーへのお願いが記載されている

PUDOの宅配ロッカー。まだ、設置場所は全国約1300ヵ所ほどで今後も増加する見込み

 加えて、段ボール自体の大きさも最近刷新。従来に比べて、やや高さを抑えたものになりました。これは即日配送や指定日配送に加え、駅などに設置されている宅配ロッカー「PUDOステーション」の最小サイズに合わせるため。配送方法のニーズの多様化で、より多くのユーザーが宅配ロッカーでの受取を希望しているためだと言います。

iPhoneでも同様のサービスが利用可能に

 今回の故障紛失サポートの負担額は、月額のオプション料金に加えて、1回目は5000円(税抜)、2回目は8000円(税抜)で年2回まで利用可能。auを25ヵ月以上契約しているユーザーなどは割り引かれる可能性がある。

 前述のとおり、今回取材した施設はAndroidスマホなどを対象とした配送を担当。しかし、iPhone 8/8 Plus発売以降は「AppleCare+ & au端末サポート」でほぼ同様のサポートを実現しており、今回発売されるiPhone Xでも加入可能です。(iPhone Xの場合は月額1190円、交換時費用はどの機種も一律1万1800円)。画面破損などの修理はApple Care+を使用することになりますが、紛失・盗難の場合はauが申し込み完了翌日に交換機を配送してくれます。

 いまや日常生活に必須となったスマホ。自分もつい先日財布は家に忘れたのに、スマホだけ持っていてその日の交通費や食費はおサイフケータイ機能でなんとかなったという日がありました。

 月々の通信費を抑えるために外しがちな補償サービスですが、高いスマホだからこそ加入しておき、ストレスの少ない生活を過ごしたいものです。

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