週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

アニメ「第1話切り」の実態も“見える化”

レグザ視聴データとTwitter比較で見えた「アニメ視聴スタイル」

2017年10月22日 12時00分更新

マーケティングにも役立つ? アニメ視聴分析

 気付けば毎週50作品以上が放映されている、深夜アニメ。

 「ここまで多いと見切れない」「そもそも自分に合った作品はどれなんだ」と途方に暮れてしまう人も少なくないかもしれない。膨大な作品の中から、ヒット作の秘密を見つけたり、狙った趣向の視聴者に向けた別の作品を探していくにはどうすればいいか。

 そんな分析を進めているのが、東芝映像ソリューションの片岡秀夫さんたちだ。

アニメの見られ方のエロマンガ先生の項目

 レグザクラウドサービス「TimeOn/みるコレ」の責任者を務めている人物。片岡さん自身が、毎クール放送されるアニメのほとんどを観る、コアなアニメファンであることは、AVファンならご存知の通り。

 TimeOnのブログでは、これまでも「アニメ視聴分析」として、レグザの視聴データから毎クールごとに集計した“アニメの録画・視聴データ”を公開してきた。このデータは誰でも再利用が可能で、片岡さん自身も“アニメ視聴ログ分析ギルド”名義で、作品解説やファンならではの独自の視点を加えた、同人誌アニメの見られ方を頒布している。

 その内容についてはASCII.jpでも、坪井創吾さん、中村さやかさんを交えたインタビューなどを通じて紹介してきた。

 単にどの作品が支持されているかだけでなく、ウェブで公開しているデータの見方を加えることで、アニメがより多くの人に見られる手掛かりになればと考えているそうだ。8月に出た最新巻の話を中心に聞いていく。

アニメ視聴分析とは?

 レグザを使用しているユーザーの“録画予約”履歴や“視聴ログ”をもとに、“アニメの見られ方”を分析する取り組み。それが、東芝映像ソリューションのTimeOnブログで定期的に発表されている「アニメ視聴分析」だ。

 各クールごとにアニメ作品がどのようにユーザーに視聴されたかを浮き彫りにする。テレビの視聴率に近い“接触率”という数値の集計を各クールごとに続けている。夏発表のデータで、通算5クール目の集計になった。

2017年 冬アニメにおけるライブ+再生率のデータ

 特徴は10万台を超える「膨大な数」の機器から取ったリアルタイム視聴とタイムシフト視聴を合算した統計である点だ。直近の調査では、母集団が関東18万台(春)/15万台(冬)が対象だ。“ライブ+再生率”とはオンエアもしくは録画で作品を見たユーザーの割合のこと。テレビの“視聴率”をイメージすると分かりやすい。ただし、アニメ視聴分析の母集団は、視聴率調査より圧倒的に大きいため、通常は誤差となる数%の差も、より正確に計測できる。

同じく2017年 春アニメのライブ+再生率

 TimeOnブログでは当初、この“ライブ+再生率”を元に、各クールの人気作品を紹介したり、各話が継続してどのぐらい観られたか(残留率)といった情報を提供していた。

 一方、5クール目の分析となった、8月発表の「2017年冬アニメ」(1~3月期)、「2017年春アニメ」(4~6月期)のデータでは、○○の作品が好きな人は、××という作品も好む……など、趣向のグループ分けに注力している。これは、2016年秋クールの調査でも「ファン層分析」として取り組んでいたが、今回は「作品固有ファン層分布」として、よりいっそう深堀りした形だ。

 過去の分析結果とインタビューについては下記の記事でまとめているので合わせて読んでほしい。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう