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【iPhone 8/Xの料金まとめ】auの「アップグレードプログラム」やソフトバンクの「半額」はオトク?

2017年09月24日 12時00分更新

 iPhone 8やiPhone Xといった新型iPhoneを購入するとなると、どうしても関わらざるをえないのが端末価格や料金プランといったお金の話。いざ契約時にショップで慌てないよう、ASCII.jpではできるだけわかりやすく解説したまとめを掲載しているが、第1回の端末価格第2回の料金プランに続き、第3回は加入を勧められる可能性が高い「アップグレードキャンペーン」だ。

ドコモ「機種変更応援プログラム」

au「アップグレードプログラムEX」

ソフトバンク「半額サポート for iPhone」

 総務省の方針によって「実質ゼロ円」が不可能になるなど、端末割引施策が減少している中、「端末の実質価格が半額!」「次回機種変更時にオトクになる!」といった内容をうたうプログラムを各キャリアが積極的に展開している。

 ドコモは「機種変更応援プログラム」、auは「アップグレードプログラムEX」、ソフトバンクは「半額サポート for iPhone」と名前はそれぞれ異なり、内容が似た部分もあれば、異なっている部分もある。

プログラム利用時に旧iPhoneを回収されるので
本質的にはiPhoneの下取り

 さて、個別の説明に入る前に、これらのアップグレードキャンペーンがどういうものかを、決め打ち気味に結論を言ってしまおう。

1. 次回の機種変更時に残金を免除、またはポイント還元
2. 実質的にはiPhoneの下取り
3. ずっと同じキャリアを使う人向けのサービス

の3点だ。これらのキャンペーンは、今回の購入時に割引があるのではなく、1年後や2年後に機種変更する際に、その時点での残りの端末代金を免除されたり、ポイント還元されたりする。そしてその際にそれまで使っていたiPhoneは回収される。つまりiPhoneを下取りしているのと同じことだ。

 そのため購入したiPhoneを大事に使って買取専門店に高く下取りしてもらうことを狙っている人や、家族用の端末などに流用することを考えている人はそもそも対象外となる。

買取専門店での下取り額の上限は、キャリアでの下取り額より高いが、上限に近い価格で買い取ってもらうためには端末の状態や付属品に左右されるほか、そもそもショップに行ったり、送ったりする手間がかかる

 また、アップグレードキャンペーンの適用には同じキャリアで機種変更する必要がある。他キャリアにMNPで転出したり、解約すると、恩恵は受けられず、キャンペーン加入による制約やオプション料金が無駄になる。各種アップグレードキャンペーンはキャリアにとっては囲い込み策であることを念頭に置いておきたい。

auの「アップグレードプログラムEX」を適用すると
割賦期間が4年/48回払いに

 まずは選択肢が多いauから。「アップグレードプログラムEX」と「アップグレードプログラムEX(a)」があるが、前者から解説しよう。

 これまでスマホの割賦購入の期間と言えば、2年/24回払いが一般的だったが、「アップグレードプログラムEX」を適用すると、割賦が4年/48回払いになる(一括購入では不可)。さらにオプション料金として月390円×24回(総額9360円)が必要。

auのサイトから。48回分割になっていることに注目。2年後に機種変更した際に残りの端末代金の支払いが不要になる

 また、加入の条件として料金プランに「auピタットプラン」「auフラットプラン」の選択が必要となっている。第2回で説明したように「auピタットプラン」「auフラットプラン」は、端末購入にともなう毎月の割引(「毎月割」)が無い代わりに、最初から料金が下げられた料金プランだ。

 4年/48回払いになったことで、当然月々の端末代金は24回払いのときの半額となる。ただし、そのままでは2年後も割賦の残債が半分残ってしまい機種変更しにくい。そこで「アップグレードプログラムEX」では、25ヵ月目以降に機種変更すると、残債の支払いが不要になる。これがauが「機種代金のお支払い負担額が最大半額」とアピールする仕組みだ。

 その代わりにそれまで使っていたiPhoneは回収される(再度同種のプログラムに入ることも必要)。2年使ったiPhoneが半額で下取りされるとはオトクな感じがするが、従来プランと比較するとそうとも断言しきれない。

「毎月割」が適用される従来プランと比較すると微妙に

 というのも「auピタットプラン」「auフラットプラン」では「毎月割」がなくなったが、そのぶんだけ料金が割引されているわけではないからだ。特に新型iPhoneは「毎月割」の額が高いだけに微妙になる。

 以下は機種変更でiPhone 8 64GBモデルを購入し(端末価格9万1440円)、「auピタットプラン」で3GBまでのデータ通信を使った場合の「アップグレードプログラムEX」の有り無し、従来プラン+3GBのデータ定額での支払額の比較だ。

(税込) auピタットプラン
(~3GB)
+プログラムEXあり
auピタットプラン
(~3GB)
+プログラムEXなし
従来プラン
+データ定額3
基本料+データ定額
(スーパーカケホ)
5918円 6696円
端末割賦 1905円 3810円
毎月割 なし ー2670円
キャンペーン ー1080円(※1年間) なし
オプション料 390円
月額料金(2年目) 7133円(8213円) 8648円(9728円) 7836円
25ヵ月での合計支払額
  19万70円 22万6430円 19万4760円

 「auピタットプラン」+「アップグレードプログラムEX」は従来プランより若干安くなっているが、旧端末が回収されることを考えると正直割に合わない。ただし、「auピタットプラン」は1ヵ月に利用したデータ通信が、月1GBまで、月2GBまでの場合に料金が下がるため、そこのメリットをどう考えるかだろう。

「auピタットプラン」は月1GBまでや月2GBまでの月があった場合に料金を減らせる。基本的にかなりのライトユーザー向けのプランだ

 次に月20GBのデータ定額で比較するとこうなる。

(税込) auフラットプラン(20GB)
+プログラムEXあり
auフラットプラン(20GB)
+プログラムEXなし
従来プラン
+データ定額20
基本料+データ定額
(スーパーカケホ)
7020円 8640円
端末割賦 1905円 3810円
毎月割 なし ー2670円
キャンペーン ー1080円(※1年間) なし
オプション料 390円
月額料金(2年目) 8235円(9315円) 9750円(10830円) 9780円
25ヵ月での合計支払額
  21万7620円 25万3980円 24万3360円

 約2万5000円の差があるので、これならまずまずと言える。ただ、「アップグレードプログラムEX」を適用するには、次回もauで機種変更する必要がある点は考慮が必要だ。

24回払いのままで1年後に機種変更できるプログラムもあり

 もう1つの「アップグレードプログラムEX(a)」については、2年/24回払いのまま。13ヵ月目以降で機種変更が可能で、それ以降の割賦払いの代金が免除される。また年内の加入であれば、プログラム料も不要だ。

「アップグレードプログラムEX(a)」は24回払いで、13ヵ月目から機種変更可能。さらにその後の割賦代金の支払いも不要になる

 こちらは毎年iPhoneを買い換えるヘビーユーザー向けということで、月20GBのデータ定額で契約から13ヵ月間の支払総額を計算した。

(税込) auフラットプラン(20GB)
+プログラムEX(a)
auフラットプラン(20GB)
+プログラムなし
従来プラン
+データ定額20
基本料+データ定額
(スーパーカケホ)
7020円 8640円
端末総額 9万1440円
割賦免除分 4万5720円
毎月割 なし ー2670円
キャンペーン ー1080円(※1年間) なし
オプション料
13ヵ月での合計支払額
  12万4020円 16万9740円 17万1720円

 従来プランとの差は5万円近く。まだ1年しか使っていないiPhoneを下取りに出すと考えても、なかなかオトク感がある。

「auピタットプラン」「auフラットプラン」なら意味あり
キャリア移行の余地を残したいなら従来プランで

 結論としては、「auピタットプラン」「auフラットプラン」を選択するのであれば、「アップグレードプログラムEX」に加入する価値がある。特に月々の支払額が減少するのは大きい。ただし、次回機種変更時もauを選択するのが前提となっている点は繰り返しになるがデメリットとなる。他キャリアに移行することが頭にあるなら、今なら従来プランを選択するのが良さそうだ。

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