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『こどもマーケティング白書2017』発売

ドコモ・au・ソフトバンクの「学割」は高校生ではなく「11歳」にすべき!

2017年03月27日 09時00分更新

 こどもが電話ごっこをするときに、板チョコを耳に当てていたという話が最近ネット上で話題になった。最近のこどもにとっては、電話と言えば板状のスマホなのだ。物心ついた頃からデジタルに触れてネットやコンピューターに抵抗感のない世代を「デジタルネイティブ」と呼ぶのはご存じのとおり。

 この「デジタルネイティブ」は、一般に、1980年前後生まれ以降の世代のことを指すとされる。米国では2000年頃に社会に出たことから「ミレニアルズ」(Millennials)と呼ばれる世代だ。それに対して、いまや子ども世代のほとんどはその2000年以降の生まれだ。そんなゼロ年代生まれの子どもたちは、デジタルにどのように触れているのか? その内容を含んだ白書が刊行された。

 『こどもマーケティング白書2017』(発売:カドカワ株式会社)は、5~14歳の子ども世代のエンターテイメントに関する消費傾向をまとめたものだ。つまり、未就学児から中学生までの世代に特化し、 エンターテイメントに関連する様々なプロファイルデータを収録した内容となっている。カドカワが運営するユーザーリサーチシステム『eb-i』を用いて調査を実施したものだ。

※『eb-i(Entertainment Business Insight)』は、カドカワ株式会社が週単位で継続して行っている、エンターテイメント分野の消費動向調査。保有する国内26万人パネルから、全国47都道府県の5~69歳(14歳以下は保護者の代理回答)の男女1万人超のモニターを対象に、週次でWeb調査を実施し、エンターテイメント分野の実態を調査・分析している。

URL:http://www.f-ism.net/

子どもの使用デバイスはDSからスマホへ

 同白書によると、11歳・12歳の中学入学時がデジタルの利用形態の大きなターニングポイントになる。たとえば、情報収集メディアは、小学校中学年までは「TV・ラジオ番組」の割合が大きいが、11歳・12歳で「インターネット検索」の利用が急増する。インターネットを自ら利用しだすタイミングがこの頃なのだ。

インターネットを初めて触るのがこのころ

「インターネット検索」が飛び抜けて増加

 さらに、利用デバイスとしてニンテンドーDS(Newニンテンドー3DS、Newニンテンドー3DS LL、ニンテンドー3DS、ニンテンドー3DSのいずれか)とスマートフォンの比率が大きく変化するのもこの時期だ。小学校入学時をきっかけに、小学生の半数以上がニンテンドーDSを持つようになる。しかし、11歳・12歳をピークとして保有率が下がっていく。一方でそれまで横ばいだったスマートフォンの保有率が11歳・12歳で急上昇する。11歳・12歳ごろの中学入学時に、DSからスマホへの移行が行われているということだ。

ニンテンドーDSの保有率は11歳・12歳をピークとする

スマホの保有率は中学入学時に急上昇

 DSからスマートフォンに移行したとき、こどもが自らインターネットの利用をはじめるため、最初のグラフにあるように、この中学入学時からインターネット利用が増えると考えられる。スマートフォンの保有率は高校入学時に90%にまで到達する。また、タブレットの利用もスマートフォンの保有率が上がるに従って下降していく傾向がある。タブレットからスマートフォン、TVからインターネットと、年齢が上がるにつれて、「家族みんなで」から「個人で」と利用形態が変化するわけだ。

 同白書には、こうした情報メディアの環境やデバイスの保有状況、SNSなどのコミュニケーション手段などのほか、とくにアニメやスマホゲーム、家庭用ゲームに関するデータが充実しているのが特徴(個別タイトルを含む)。とくにエンターテインメント分野に活用できそうだが、いま述べたニンテンドーDSからスマートフォンへの乗り換えなどは、すぐにマーケティングに生かせそうだ。たとえば、各キャリアの「学割」といえば高校生をターゲットにしているが、これからは11歳を狙うべきだからだ。子ども市場をねらってビジネスを展開しようという企業は参考に足りるデータといえる。

※グラフは『こどもマーケティング白書2017~キッズ・エンターテイメント徹底解析』より引用

◆『こどもマーケティング白書2017~キッズ・エンターテイメント徹底解析』概要

発 行:カドカワ株式会社 マーケティングセクション

発売日:2017年3月6日

価 格:37,000円+税

総頁数:PDF(CD-ROM)446頁

本書の紹介ページ:https://www.f-ism.net/report/kodomoMH2017.html

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