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ラスボス・小林幸子さん“降臨”に米どころの大地が震えた! 「ニコニコ町会議 in 新潟」ほぼ完全レポ

2017年09月06日 17時00分更新

ニコニコ町会議レポート。今回は9月2日に開催された新潟のイベントの様子をお届けする

 8月から10月まで、全国7会場を回るniconicoの地方巡業イベント「ニコニコ町会議 全国ツアー2017」。9月2日には、折り返しとなる4会場目の「新潟県新潟市」にて町会議を行ない、歌手の小林幸子さんやniconicoの有名ユーザーらが出演して、集まった観客を大いに沸かせていた。現地の熱気をレポートしていこう。

年齢層が入り乱れる「カオス」な会場

 町会議は毎年春、千葉県の幕張メッセにて開催する一大イベント「ニコニコ超会議」の出張版という位置付けだ。過去6年間、50会場近くでやってきたわけだが、距離的に東京に近いせいか新潟での町会議は今回が初となる(その代わりか、今年は四国での予定はない)。

 その町会議は、地元のお祭りとのコラボが恒例で、新潟では西蒲区(にしかんく)上堰潟公園(うわぜきがたこうえん)を会場とする「わらアートまつり」との共催となった。わらアートまつりでは、米どころである新潟を象徴する「稲わら」を使い、東京の武蔵野美術大の学生と市民が共同で制作した6つの作品を広大な園内に展示していた。

暦の上では秋だが、青々と晴れた日差しの強い空の下での夏らしい町会議となった。niconicoの公式発表では、リアルの来場者はわらアートまつりとの合計で2万7000人、ネットの累計視聴者は14万5000人と過去の会場を大きく超えた

上堰潟公園はとにかく広くて、作品を見るだけでもいい運動になった。わらアートまつりは今年で10周年ということで、作品テーマは「10」にかけた猛獣の「獣」。ライオン、サイ、ゴリラ、ワニなど、大きいものでは3mにもなる大作が鎮座していた

園内に遊具があるせいか、家族連れも多く見かけた。人は大きなものを見るとテンションが上がるということで、特に子供は中に入ったり走り回ったりと大変な感じでした

町会議は、地元ユーザーからの「うちに来て!」というラブコールがあって、初めて自治体との交渉に入る。オープニングでは今回、初の新潟開催のきっかけをつくった色葉さん(写真ステージ中央、白い服の女性)も登壇し、「『関東での開催ばかりでたまにはこっちでやってほしいと』愚痴を送ったら当たりました」ときっかけを話していた

新潟市長の篠田昭氏も登場。「わらアートまつり、今回はいつもとは違って大変若い方にもいらっしゃっていただいてありがとうございます。今までで最大のライオンなど5体をつくってくれたので、ぜひみなさんにも見ていただきたい」と感謝と期待の言葉を口にしていた

武蔵野大学の学長、長澤忠徳氏や出演者とともに、恒例のテープカットを執り行なって、町会議新潟がスタートです!

 さて、新潟の町会議で筆者がいちばんいいなと感じたのは、年齢層の幅広さだ。歌ってみた、踊ってみた、ボーカロイド、描いてみた、ニコニコ技術部──。niconicoのコンテンツは、普段は混じり合わない人々が同じ場所に集まることで何らかの化学反応が起こり、予測不能のカオスが生み出されるという背景で育ってきた。

 町会議もその文脈に沿っていて、たとえば初年度の八丈島など、普段は絶対にネットでniconicoを見ない層が来てしまい、「なんだかわからないけどやたらと盛り上がって楽しそうなイベントだなぁ」と魅了されて、渾然一体となっていく様が面白い。今回でいえば、小林幸子さん目当てのおじいちゃん、おばあちゃんが大勢集まっていて、客層の地殻変動を起こしていた。

ラスト前、ステージに詰めかける人々。中央の櫓の後ろを大幅に超えてびっしり人がくるというのは、町会議で相当な数だ。小林幸子さん人気はスゴい!

 ご存知の方も多いかもしれないが、小林幸子さんは新潟が地元となる。そしてniconicoでも「ラスボス」と呼ばれてユーザーに非常に親しまれており、超パーティーなどのイベントにも多数登場している。町会議の出演は2015年の大阪以来、2年ぶりだ。大阪ではアクセス性がいいこともあってか見渡す限り若者ばかりだったが、新潟では地元の年齢層高めな方々が午前中の開場からステージ前にやってきて、ラストの小林さん出演まで辛抱強く待っていたというのが大きな違いだった。

 なにせステージ前なので、謎のアニメやボーカロイドの曲が大音量でガンガン流れまくり、DJの「ボカニコ」タイムには観客も含めて飛びまくるわけだ。そんな過酷な環境を超えても「『推し』のステージを見たい!」という情熱は、年齢はまったく違うが、有名ユーザーにひと目会いたくて町会議にやってくる「ニコ厨」(niconicoのファン)と同じだなと伝わって来たのが素敵だった。

 そんな気持ちをニコ厨側でも汲んだのか、ラストの小林さん登場時は、後ろの人でもステージが見やすいように観客が一斉に座るという出来事が起こった。みんなでひとつのステージを楽しもうと、まったく知らない人同士が心を通わせるという「優しい世界」が自然と生まれたのだ。このステージひとつ取ってみても、新潟の町会議は大成功だったと言えるだろう。

町ステージショーの最後、EasyPopさんによるDJタイムにてボカロ曲の「エイリアンエイリアン」が流れると、生放送でもコメントが「ざわ…ざわ…」とざわつき始める

あっ、トレーラーが閉まっていき……!

キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!! 「エイリアンエイリアン」替え歌である「サチコサンサチコサン」を熱唱! これには生放送も「ラスボス降臨」「おおおおおお」と大興奮

「ペンパイナッポーアッポーバーサン!」とノリノリの言葉でしめて、会場と生放送を沸かせていた

 歌たった後、MCの百花 繚乱さんが生放送のコメントに「『この歌い手は売れそう』とか失礼なこと言うな!」と突っ込むと、「そういうコメントありがとう! 頑張ります! ラスボス応援してよ!」と逆手に取って、会場と生放送で「ラスボス」コールを起こしていた。若い世代も含めて、広い世代を沸かせていた小林さんはやはりさすがというしかない!

上堰潟公園がある西蒲区区長、鈴木浩行氏も「みなさんの熱気でこんなに素晴らしい天気、こんなに素晴らしいイベントになりました。西蒲区始まって以来盛り上がったんじゃないかと思います。どうもありがとうございますー!」とうれしそうにお礼を口にしていた

最後はやっぱりこの方、小林幸子さんが衣装替えで再登場!

ボカロ曲「千本桜」の歌声を新潟の大地に響かせて、6時間の祭を締めくくっていた

次回の町会議は9月17日、北海道旭川市にて「北の恵み 食べマルシェ」との併催で実施となります。北海道の方々、ぜひともお越しください~


(次ページは有名ユーザーのフォトレポートをお届け!)

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