2017年08月12日19時50分

Core Xに完全勝利!?「Ryzen Threadripper」で究極のマルチスレッド性能を堪能

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性能が出るぶん、消費電力はかなり大きい

 最後に消費電力と発熱をチェックしよう。ラトックシステム製「REX-BTWATTCH1」でシステム全体の消費電力を計測する。“アイドル時”とはシステム起動10分後の安定値、“高負荷時”とは「OCCT Perestroika 4.5.0」の“CPU Linpack”テスト(64bit、AVX、全論理コア使用)を30分回した際のピーク値である。

Ryzen Threadripper
システム全体の消費電力

 高負荷時の消費電力は1950Xで300Wに到達したが、コアが16基もあれば無理もない話。Gameモードにすると消費電力はぐっと下がるが、Ryzen 7 1800Xよりもかなり大きい。マザーの装備の差(ROG ZENITH EXTREMEの方が重装備)やメモリーチャンネル数の差などが影響していると思われる。

 ライバルCore i9-7900Xと比較すると、Core i9-7900Xの方がコアあたりの消費電力は大きい(25.3W対18.8W)が、Core i9-7900Xはクロックが高いぶん消費電力も大きいといったところだろう。

 続いて温度は上記のOCCT実施中の温度推移を「HWiNFO64」で計測した。このツールではCPU温度は「Tctl」と「Tdie」、およびマザーボードのセンサーが読み取る「CPU」の3つの数値を読み取ることができるが、HWiNFO64で読み取れる「Tdie」はダイ温度(Tj)を示すので、これをこのままグラフにした。ちなみにTctlはファン回転数制御に用いられる値で、Ryzen Threadripperの場合Tj(Tdie)+27℃になっている。

Ryzen Threadripper
「HWiNFO64」で1950Xの温度を拾ってみたところ。このツールでは「Tctl」「Tdie」「CPU」の3つの数値が取得できる
Ryzen Threadripper
Tdieの推移を追跡したもの。最初の1分はアイドル、そこから30分CPU Linpackテストを実施、31分から先はアイドル状態となる

 今回はOCする時間がなかったため定格運用だが、物理12コア/16コアのCPUをOCCTした割には温度は大人しい印象を受けた。全コアブースト時のクロックが3.7GHzに抑えられているせいもあるが、CPU中央の一部だけカバーした簡易水冷でも十分運用できる印象だ。

 Gameモードにするとピーク時の温度がほぼ半減してしまうのが面白いが、これはTdieがコア温度ではなくダイ全体の温度として報告されているためだろう。

突き抜けたパフォーマンスと面白さは最高だ(ただし価格)

 以上でRyzen Threadripperのレビューは終了だ。今年はKaby Lake-S→Ryzen 7→Core X→Ryzen Threadripperという激しいCPUの性能競争が展開されてきたが、Ryzen Threadripperは筆者にとってこれまでで一番興奮したCPUといえる。シングルスレッド性能はRyzen 7+α程度とはいえ、突出したマルチスレッド性能にはまさに脱帽。シングルもマルチも速いCore i9-7900Xも魅力ではあるが、Ryzen Threadripperの“強者感”は半端ではない。

 さらにDistributedとLocalモードの使い分けも面白いところだ。レイテンシーの低いLocalモードで常に性能が稼げるという訳ではなく、処理によってはDistributedモードも使う必要がある。試行錯誤しながら設定を詰めたい人にとっては、かなり楽しめるCPUといえるだろう。

 このRyzen Threadripperの欠点は? と問われればシングルスレッド性能がインテル製CPUよりも低いことと、国内価格の圧倒的割高感と答えざるを得ない。フタを開けてみればCore i9-7900Xと1920Xがほぼ同等性能なケースが多々みられ、その部分だけを見ればインテル製CPUに対し“性能と価格のバランスがとれた”値付けになっているという強引な結論を付けることもできる。

 だが、コスパというRyzen Threadripper最大のメリットを、日本の消費者に提供できなかった点はかなり残念と言わざるを得ない。この価格設定では、ファンの自作意欲を削いでしまい、自作市場のさらなる縮退を招きかねない。早々に価格改定が行われることに期待したい。

(提供:AMD)

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