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高所作業や夜間警備、災害時の人命救助、動物などの生態調査に役立つ

プレデターが現実に? ウェアラブルな赤外線スカウターが登場

2017年07月13日 15時00分更新

 産業用ドローンを発売するスカイロボットは7月5日、世界初の赤外線サーモグラフィーカメラ搭載スカウター「Boson/スカイスカウターIR」(以下スカイスカウターIR)を発表した。8月上旬発売予定で、価格は税抜39万5000円。

頭部装着型の赤外線カメラ搭載スカウター

 スカイスカウターIRは本体285gと軽量で、頭部に装着することで視線の先にある対象物を赤外線で解析し、左目の前に装着された解像度1280×780ドットの小型ディスプレーに表示するもの。最大の特徴はウェアラブル化により、ハンズフリーで作業できる点だ。

左が赤外線カメラで、右が小型ディスプレー

光や煙などに幻惑されることなく対象物を確認できる

車のバックミラーを見るような感じで使用する

 スカイロボット代表取締役の貝應 大介氏によると、使用用途としては高所作業や夜間の警備、災害時の人命救助、動物などの生態調査などに有用性が見込まれるとのこと。

さまざまなシーンでの使用を想定

貝應 大介氏は2014年にスカイロボット社を設立し、ドローンを使った事業を展開してきた

左が通常のカメラで、右が赤外線カメラで撮影したもの

超小型赤外線カメラがウェラブル化を実現

 スカイスカウターIRに搭載される赤外線カメラには、大手サーモグラフィーメーカーFLIR Systemsが開発した超小型赤外線カメラ「Boson」を使用。

レンズは使用用途に合わせて交換可能

 Bosonの重さは7.5gで1円玉サイズにもかかわらず、CPUを内蔵しており毎秒60フレームの赤外線画像撮影が可能。-40度から+80度の幅広い温度環境下でも使用できるとのこと。スカイロボット社はBosonのアジア総販売代理店も務める。

毎秒60フレームの高速撮影に対応し、ドローンなどへの搭載にも向く

 操作には“クリッカー”と呼ばれる指に装着するコントローラーを使用する。このクリッカーにより使用者や環境に合わせて8種類の表示モードの切り替えや、動画や静止画の録画撮影のオン/オフ操作などが可能。

指に装着できるので両手が自由に使える利点もある

サーモグラフィーの表示モードは8種類

 スカイスカウターIRは赤外線カメラ付きヘッドマウントディスプレー「スカウター SR-200」、指先に付けて操作するクリッカー「400-MA077」、それらを統括するスティックPC「DG-STK3」で構成される。

それぞれを頭部と腰、指に装着して使用する

 スカウター SR-200は頭部に装着する単眼ディスプレーと赤外線カメラ、それらを駆動するバッテリーを内蔵したコントローラーから構成され、約4時間の駆動が可能とのこと。

コントローラーでは電源のオン/オフやディスプレーの光度調整などが可能

 DG-STK3はCPUにインテルのAtom Z3735F (クアッドコア/定格1.33GHz/キャッシュ2MB)を搭載し、OSにはWindows 10 Home(32bit版)を採用。接続端子はUSBやHDMIなど。これらに加えて専用の再生・赤外線解析ソフトも付属する。

ほかの機器とはHDMIやUSBで接続する

 記者発表会で貝應氏は「セキュリティー関連企業だけでなく、警察や消防署などにも提案していきたい。また、高所作業でのインフラ整備用なども含めて、初年度国内でのスカイスカウターIR販売予定台数は1000台ほどを考えている。また、Bosonを搭載したより小型の作業用ドローンも開発している」と、市場へ訴求や新製品の開発に意欲を見せていた。

スカイロボットの貝應 大介社長(右から2人目)と、Bosonを提供するFLIR Systemsアジア統括ディレクターのグレッグ・ナグラー氏(右から3人目)


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