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自転車シェアサービス「Mobike」札幌進出も

北海道をイノベーターたちの楽園に!「No Maps 2017」発表会

2017年06月23日 21時15分更新

 北海道・札幌を舞台に行なわれる注目のイベント「No Maps」の発表会が、6月23日に都内で開催された。同イベントの目玉は実証実験。世界的な注目を集めるシェアサイクル「Mobike」の札幌での実証実験や、市街地でのドローン競技開催、ブロックチェーンを利用したライブパフォーマンスなどが発表された。

No Mapsでは、北海道の民間企業・官公庁・大学までを巻き込むことで、従来国内では難しかった新しいテクノロジーの社会実装を目指す

北海道を社会実装の聖地に!

 「No Maps 2017」は2017年10月5日(木)~15日(日)の11日間、札幌・北海道で先端テクノロジーやクリエイティブなビジネスコンテンツをテーマに開催される一大コンベンション。会議、展示、興行、交流、実験の5つの事業区分を中心に、ALL HOKKAIDO体制でイベントが行なわれる。各種チケットは7月から順次発売開始予定で、公式サイトにて随時公開となる。

テーマは「まちに、未来を、インストール」。社会実装の聖地にすることを目指している

 興行の分野では、多数の会場にて国内外で活躍するアーティストが出演。北海道最大級のアイドルフェス「IDOL DIVERSITY」も開催される。また、第12回札幌国際短編映画祭として、世界99の国と地域から応募された3524作品から厳選されたショートフィルムも上映される。

 さらに展示では、地下歩行空間を会場に40社以上の先端技術やサービスを披露するトレードショーを開催。VRの体験イベント「没入祭」など、さまざまな体験型コンテンツが用意される。

 会議・交流では、NEDO・経済産業省北海道経済産業局による起業家誕生を促す起業コンテストを開催。北海道起業家万博とも連携して、新たなベンチャーの掘り起こしを行なう。また、10月3日~6日に開催されるITイベント「CEATEC JAPAN」との連携も発表された。

 そして最も重視されているのが、北海道を特区とした実証実験の展開だ。「ブロックチェーン」や「シェアリングエコノミー」など、既存の規制によって実現しなかった数々の最先端テクノロジーが北海道・札幌に導入される。

1億人突破の巨大自転車シェアリングサービスの「Mobike」上陸!

 連携事業での実験を受け入れるための組織「No Maps Future Lab」がこの夏に設置される。ほかの地域や都市よりも早く実装ができるようにする取り組みで、今回の発表会では、3つの企業の参加が発表された。

 リクルートテクノロジーズが「No Maps」で行なうのは、ブロックチェーンを活用したライブパフォーマンスの実演。ブロックチェーン技術を応用したライブエンタテイメントの実装を行う。具体的な内容はこれからだが、事前のアプリ登録含めて、ライブ演出に注目したい。

 TBSとドローンゲームスは、ドローン・ゲームの市街地開催を発表。「No Maps」ならではの規制緩和で、大人から子供まで楽しめる各種ゲームやレースを実施するという。

中国で急激に普及しているシェアサイクル「mobike」

 利用ユーザーが1億人を突破した自転車シェアリングサービスの「Mobike」。国内では福岡でのサービス開始が発表されていたが、「No Maps Future Lab」のサポートを通して札幌市でもサービス開始が発表された。中国のほか、シンガポール、イギリス・マンチェスター、日本は福岡そして札幌での展開となる。

 Mobikeは、メンテナンスフリーな自転車に搭載されたGPSとSIMによって位置情報や利用情報を収集しつつ、優れたUI/UXを提供する。さらに収集したビッグデータの活用も行なう「自転車版Uber」とも呼ばれるサービスだ。

Mobike国際展開統括のクリス・マーティン氏も登壇。「北海道をイノベーターたちの楽園へ」とエールを送った

 今回発表された3つの実験プロジェクトは、「No Maps」が面白いことを始めるきっかけの1つだという。北海道・札幌を舞台にした実証実験としてのさらなる展開・発表にも期待したい。

No Maps実行委員長は
クリプトン・フューチャー・メディアの伊藤 博之氏

 No Maps実行委員長を務めるのは、歌声合成ソフト「初音ミク」でおなじみ、クリプトン・フューチャー・メディア株式会社代表取締役の伊藤 博之氏。「北海道の広さを生かして、実験場として新しい開拓地にできる。札幌市・北海道庁などの自治体が完全にバックアップしている。東京などでは規制でできないことを社会実験できるようにがんばっていく、やりやすい場所に」と抱負を語る。

 新たなテクノロジーの応用では、とくにリアルを活用した産業化が有望視されている。北海道ではすでに、ASCII STARTUPでも紹介している多くのベンチャー企業が現れている。

 牛の発情を人工知能で解析し、その兆候をアプリに通知して、飼育管理を助けるという酪農ハードウェアを展開するファームノート、世界的な評価を受けている農業版カーナビアプリ「AgriBus-NAVI」の農業情報設計社、さらには観測ロケットの打ち上げを行なう国産ロケットベンチャーのインターステラテクノロジズなど要注目の企業が多い。

 発表会の最後に伊藤氏は、「来年は北海道という名前がついて150年。新しい土地だけにしがらみがなく、いろいろなことをやりやすい。本当に実験地としてふさわしい場所。10月の食べ物のおいしい時期に来ていただいて、新しい出会いやビジネスのヒントを得ていただきたい」と語った。

 地図にない場所を開拓するという願いをこめて名づけられた「No Maps」。この秋、北の大地での映画や音楽、産業、そして新たな社会実装でのテクノロジーや人々の融合に期待したい。

No Maps 2017

メイン会期:2017年10月5日(木)~15日(日)の計11日間
開催概要:
・第12回札幌国際短編映画祭 10月5日(木)~9日(月・祝)
・ビジネスカンファレンス 主に10月10日(火)~13日(金)
・トレードショー 10月7日(木)~15日(日)
・一般向けイベント 主に10月13日(金)~15日(日)
主催:No Maps実行委員会

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