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ESS DACを4基搭載、バランス駆動用端子がいっぱい

ゼンハイザーが最新ヘッドフォンアンプを世界初公開

2017年04月29日 21時20分更新

HDV 820

 ゼンハイザージャパンは4月29日、「春のヘッドフォン祭 2017」の会場で、開発中のヘッドフォンアンプ「HDV 820」を世界初公開した。ドイツの企業であるゼンハイザーが自社製品の発表を日本で行うことは珍しく、力を入れていることが分かる。

 また、JEITA規格のヘッドフォン・バランス駆動用端子であり、ソニーがウォークマンにいち早く取り入れた4.4mm5極端子(Pentaconn端子)をフロントに2つも装備している。製品を説明した開発担当のアクセル・グレル氏によると、「恋人や家族と一緒に音楽を聴けるから」とのことだが、筆者は何となく6.3mmのPHONE端子よりも小さく、スペースに余裕が出たせいかな、などとも思った。

 これに合わせ4.4mm5極対応のケーブル「CH800P」も投入予定だという。ODUコネクターを持つゼンハイザー製ヘッドフォンに使用できる。

 フロント部にはバランス駆動対応のXLR4ピン、中央に6.3mmジャックもさせるXLR3ピン端子(ノイトリック製、アンバランス)も持っている。背面にはプリアンプ機能を備えたXLR3ピン×2のアナログアウトもあり、ここにパワードスピーカーなどを接続すれば、簡単にスピーカー再生もできる仕様だ。

HDV 820の背面

 なおXLRおよびRCA2系統のアナログ入力に加え、デジタル入力も備えていて、USB(TypeB)のほか、光/同軸デジタル接続が可能だ。内蔵するDAC ICはESSの「ES9018S」で、内部がフルバランスということもあり、実に左右それぞれ2個ずつ合計4つも内蔵している。USB接続時は最大384kHz/32bitのPCMおよび12.4MHzまでのDSD信号を再生できる。

グレル氏

 パワーデバイスは従来と同等だが、電源などの改良によってより高い再生品質が得られるとしている。なお回路がチラ見できる天板の透明パーツはなくなり、筐体はアノダイズドブラックのアルミ合金に変更。従来のシルバーと比較して、より引き締まった印象となった。

 グレル氏は「完璧というものはそもそも存在せず、われわれは常に改良のための努力を続けているが、私の知る限り最高の音質を実現できた。高いポテンシャルを持った製品を提供していきたい。ぜひこの製品で音楽を聴き、旧機種とも比較してもらいたい」と自信をのぞかせた。

 日本での販売時期や価格に関しては未定だが、既存モデルの「HDVD800」よりは高価になる見込みだという。試聴機は発表会後にゼンハイザーブースに設置された。


大橋さんが装着しているのは、プリンのようなカラーでおなじみHD598

 一般来場者向けのイベントを兼ねたトークショーには声優の大橋彩香さんが登場。約10倍の倍率を勝ち残ったヒキの強いファンの前でゼンハイザーについて語った。

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