2017年04月29日15時00分

パリの新名所は24時間営業!? 見に行ったら完全な「起業家トラの穴」だった!!

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 フランスは国をあげてスタートアップの育成に取り組んでいる。政府が「La French Tech」というネットワークを立ち上げ、常に1万を越える起業家が活動中で、CES2017では世界2位の出展数を遂げ、スタートアップへの投資額は欧州1位を誇る。

 そんなアツイ国の中でも、やはりパリはスタートアップの中心地。この春、巨大キャンパス「STATIO F」が完成間近と聞きつけ、取材に向かった。

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こちらが4月末現在のSTATION F正面の状態。外観はほぼ完成して、内装を突貫工事中である

貨物駅をカッコよく改造したパリらしい建築

 場所はパリの中心南東部13区で、STATION Fの建物の全長はなんと310メートルと、ちょうどエッフェル塔を横倒しにした長さ。貨物駅を改造したもので、フロアとしては地下1階地上3階.総面積は3万4000平方メートルと、サッカーコート5面分もある広大さ。3000のスタートアップを収容し、全収容可能人数は9000人にもなる。

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入口にはパリ地下鉄の改札のようなマシンを設置してあった
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奥を見通すと、貨物駅というスケールがよくわかる。手前の半地下にあるのがイベントステージだ

 STATION Fを創設したのは政府ではなく、実業家のザビエル・ニール氏。同氏はフランスで料金革命をおこした通信会社「Free」の創設者で、既存概念を覆す無料学校「École 42」を開校したことでも有名。STATION Fの建設には2億5000万ユーロを投資している。

 施設内には、オフィースやミーティングスペースはもちろん、数百人を収容するイベントステージや、試作工場、もちろんパリらしく、カフェとレストランも併設される。

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入口近くの1階にはfablabという工場があり、3Dプリンターで試作ができる。米国のTechShopが協賛しており、マシンの使い方も教えてくれる
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ちょうど机を組み立て中。起業家の人たちはこのデスクにPCを並べて作業を行なうのだ
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3階通路から見下ろした内部。白い箱がアクセントになっている
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2つずつ並んだ白い箱の中は、ヒミツのミーティングをするための会議室だそうだ

投資会社はもちろんFacebookやAmazonもプログラムを提供

 世界中からやってくるスタートアップのために用意されるプログラムは順次発表中で、ITだけでなく、医療や農業、食品など、ジャンルは広い。

 たとえばSTATION F自身が提供する「FoundersProgram」は、最初期のスタートアップ(シード)のために常設オフィスはもちろん、企業や経営に必要な知識を得てもらうために、専門家による定期的なワークショップも開催。もちろん、相談の場も常に提供され、同じ悩みを持つスタートアップの人たちと常に顔を合わせる環境によって、どんどん問題が解決し、起業を前に進められる構造だ。1ヵ月の使用料は195ユーロと格安である。

 ちなみに、STATION Fの全施設は24時間365日オープンで、ロッカーやシャワールームもあり、ず~~っと働き続けることもできるのだ。

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フロアの中央は巨大な廊下で、左右には地下におりる階段と黒い箱が見える
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下をのぞくと、黒い箱はロッカーでした。この先にはシャワールームもあるので、ここで暮らすこともできますね

 また、スタートアップ企業が成長するにしたがって変化しても、必要となるあらゆるサポートをフレキシブルに提供するのもSTATION Fの特徴で、なおかつ、いたければいつまででも利用できるという寛容さもステキだ。

 設立パートナーとしてVente-priveeやDaphni、Ventech、Kimaといった投資会社、ビジネススクールのHEC、おなじみFacebookも協賛し、それぞれが、スタートアップを支援するための各種プログラムを提供する。

 Facebookのプログラムは「StartupGarage」という名称で、ジャンルとしてデータドリブンという指定がある.同社は人工知能の研究拠点をパリに設置する予定で、スタートアップに対して、今後数年間で数百万ユーロを投資することを発表している。

 また、STATION Fからは、「Fellowship」というお手軽プログラムも発表となった.月75ユーロ(年間契約900ユーロ)を支払うと、毎月5日間だけSTATION Fの全施設(ヒミツといわれている屋上ジャクジーやテニスコートまでも!!)を利用できるほか、オンラインサイトの会員となってSTATION Fの全参加者とコンタクトできる。もちろん、自身がスタートアップであることが必要条件だ。

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正面から300メートル離れた奥側には客車が設置され、1000人を収容する4キッチンのレストランを建造中
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完成するとこんな感じで、客車の中でも食事ができるようになる

 スポンサーは、宿泊サイトのAirbnb、クラウドサービスのZendesk、おなじみAmazon、社会事業のAshoka、食品のFoodTechに建築のImpulsePartnersoが新たに参入を発表しており、STATION Fは世界のスタートアップの中心地になるかもしれない。2018年には近くに、STATION Fで働く人のための居住区もできるそうで。日本のスタートアップもぜひ世界を目指して参加してほしいのだっ!!!!

6月末にグランドオープン(の予定)

 STATION Fは、プログラムに乗れば、授業を受けられて、仲間が探せて、悩みも相談できて、投資家とも繋がるという4拍子そろったまさに「起業トラの穴」だ。日本の通信系大富豪の方も、海外企業を買収するより、ぜひこちらをマネして日本にも作ってほしいものである。

 さて、一番気になるオープン時期は、当初は4月ということで取材したのだが、若干(?)の工事の遅れにより、グランドオープンは6月末に決定だそう。

 カフェはもちろん一般人も利用できるので、ぜひ行ってみよう。ただし、24時間営業の巨大レストランは、夏の終わりにオープンの予定なので、秋にパリに行く人はそちらもぜひ味わってみてくださいね~!!

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元の貨物駅はフランスの建築家ユージン・フレシネ氏が設計し、1929年に完成した。当時としては画期的なコンクリート建造物で、頑丈なのでそのまま利用し、ガラスの天蓋や壁を付け足したカタチだ
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調度品も搬入が始まっており、ある会議室にはこんな像の群れが……。各所にばらまかれるらしいです……
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わがままなオッサンの単独取材に応じてくれた、超美人広報のレイチェルさんありがとう。「日本のスタートアップのみなさん、ぜひ参加してくださいね」とうれしいメッセージをいただきましたよ~~ん
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STATION Fへは、メトロ6番のChevaleret(シュバルレ)駅をおりて、、オリオール通りをセーヌ川に向かって右側の歩道を歩いていく。2つ目の十字路で立ち止まって右を向くと、奥に正面玄関が見える(オリオール通りには面していない)。4月末現在はまだ工事中のため中には入れない。まわりは学校やマンションが並ぶ再開発地区だ

●住所
STATION F / Halle Freyssinet
55 boulevard Vincent Auriol
Paris 75013
France


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