2017年04月22日15時00分

オンキヨー「GRANBEAT」のワイヤレスハイレゾ“aptX HD”の実力に迫る

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 オンキヨーから発売されたハイレゾスマホの“GRANBEAT”こと「DP-CMX1」。前回掲載した購入直後の自腹レビューではマニアックにイヤホンのリケーブルを試しましたが、今度はちょっとライト(?)に、Bluetoothのワイヤレスのイヤフォン・ヘッドフォンを聴き比べてみます。

 しかし、現在ではBluetoothのワイヤレスと言えども“ハイレゾ”ですよね! オーディオライターがCDクオリティーの音質なんて今さら聴いていられない、とばかりにDP-CMX1に搭載された「aptX HD」によるハイレゾ再生を試してみましょう。

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ハイレゾスマホ「GRANBEAT」のaptX HD再生を検証

 その前に、少しだけBluetoothの高音質関連の情報をご説明します。Bluetoothのサウンド伝送の音質はBluetoothのバージョンやプロファイルではなく、Bluetoothで伝送する際に圧縮する“コーデック”で決まります。標準コーデックのSBCはなかなか音質の評判が悪く、現在の伝送は48kHz/24bitではiPhoneではAAC、AndroidではクアルコムのaptXなどのコーデックが追加されています。

 そして次世代、Bluetoothのハイレゾコーデックとして業界標準化を競っているのが、クアルコムのaptX HDとソニーの「LDAC」です。両者の違いは、aptX HDは最大48kHz/24bitで最大576kbps。ソニーのLDACは最大96kHz/24bitで最大990kbpsと、スペック的にはLDACのほうが上です。

 ただし、LDACは現状ではほとんどソニー製品中心のみという対応で、両方に対応した機器もないため、どちらか片方でも対応すれば十分優秀というのがというのが正直なところです。ちなみに、次期Androidの「Android O」は高音質BluetoothコーデックとしてaptX HDとLDAC両方への対応を予定しています。

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ハイレゾ対応のaptX HDコーデック

 さて、目の前にあるDP-CMX1は、非ソニー陣営のハイレゾスマホとしてaptX HDに対応、イヤフォン・ヘッドフォン側も非ソニー陣営の製品として、LGエレクトロニクスの「TONE PLATINUM」、オーディオテクニカの「ATH-DSR9BT」が日本でも発売済みです。これらを使ってハイレゾ音源のリスニングに挑戦しましょう。

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LGエレクトロニクスの「TONE PLATINUM HBS-1100」。実売価格は2万7000円前後
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オーディオテクニカの「ATH-DSR9BT」。実売価格は6万5000円前後

 音質比較用には同じ条件の揃うLDAC対応機器はないため、aptX対aptX HD用に手持ちの「Xperia Z1」を使いました。ソニーもLDAC登場前はaptXを採用していたのです。

手軽にaptX HDが味わえるネックバンドイヤフォン
LG「TONE PLATINUM」の実力をチェック

 まず最初に試聴したのはイヤフォン型の「TONE PLANITUM」。2万円台後半のハイエンドイヤフォンです。LGエレクトロニクスというとイヤフォンメーカーというイメージはあまりないのですが、「isai Beat」以降のスマホがaptX HD対応なので、グローバルでの戦略がうかがえます。形状は最近流行りのネックバンド型で、BAドライバー搭載とイヤフォンとしての音質設計もこだわったモデルです。

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LGエレクトロニクスの「TONE PLATINUM」で検証
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ペアリングが完了するとaptX HDのロゴが現れる
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TONE PLATINUMのケーブルを伸ばしてハイレゾ音源の試聴を開始

 まず、DP-CMX1とのペアリングは通常のBluetooth接続とまったく同じで、AndroidのBluetooth設定画面から登録すると、自動的にaptX HDのロゴまで現れます。音源は前回記事と同じく映画「ラ・ラ・ランド」オリジナルサントラよりジャズの音源「アナザー・デイ・オブ・サン」(48kHz/24bitハイレゾ音源)です。

 DP-CMX1のaptX HDで聴いたTONE PLATINUMの音ですが、かなりアタックが鋭く非常に情報量志向、ウッドベースの音の質感、ジャズの音源らしい音の空気感、そして多彩な音のすべての質感も現れ臨場感は抜群です。

 J-POP音源としてRADWIMPSの「前前前世(movie ver.)」を聴いても、ボーカルとエレキギターのアタックの鋭さだけでなく、バンドの演奏まで見通し良く聞こえます。特にベースの音がソリッド、低音の中のニュアンスが聴こえ、パーカッションの音まで見通せる発見もあります。

 同じ音源をaptXで確認するべくXperia Z1で聴いてみると、まずストレートに音がこもっているうえ、低音も量的には現れても締りや低音の中の情報が現れていません。オーディオの世界では「比較試聴をする時にはエントリー製品から順に聴け(ハイエンド製品の後に低価格製品の音を聴くとガッカリするから)」と言われていますが、aptX HDからaptXへの切り替えは、ハンパなくガッカリ感がありました。

個性派「ピュア・デジタル・ドライブ」搭載ヘッドフォン
「ATH-DSR9BT」がaptX HDの実力をフルに発揮

 続いて聴いたのはaptX HD対応イヤフォン・ヘッドフォンで国内初の製品となったオーディオテクニカのヘッドフォン「ATH-DSR9BT」です。

 実売で6万円以上もするBluetoothのワイヤレスヘッドフォンですが、新技術“ピュア・デジタル・ドライブ”とφ45mm“トゥルー・モーション”D/Aドライバーにより、Bluetooth経由で入力した信号をいちどもアナログ信号に変換することなく振動板の直前までデジタルで伝送。そんな技術的な背景もあってか、普通にiPhoneなどとペアリングしても、かなり個性的な鳴りをするヘッドフォンです。

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オーディオテクニカのATH-DSR9BTで検証

 DP-CMX1とのペアリング手順はTONE PLATINUMとまったく同じ。ちなみにATH-DSR9BTは本来NFCによるタッチ接続に対応するのですが、なんとDP-CMX1はNFCを搭載していません。今さらではありますが、オーディオ用のスマホとしてNFCは必須機能なのではないでしょうか?

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ATH-DSR9BTとNFCで接続…‥はできません
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手動で接続するとこちらもaptX HDのロゴが表示される

 さて、同じ音源の「アナザー・デイ・オブ・サン」(48kHz/24bitハイレゾ音源)から聴くと、なかなかの高音質。ATH-DSR9BTの元のサウンドはすべての音を、空間を広げずに克明に鳴らすものだったのですが、音源の伝送がaptX HDになるとピアノもリアルさが出るし、ドラムの音の正確で目をつぶると音源のすべて見通せるかのようです。

 RADWIMPSの「前前前世(movie ver.)」はボーカルとエレキギター、そしてもうひとりのエレキギターの音と重なっている音がすべて分離していることが聞き分けられるイメージ。

 同じ音源をaptXで聴くと中域が抜けてしまい、高域も通りが悪くなります。ATH-DSR9BTは、もしかしたらaptX HDで聴くこと前提でチューニングされているのではないかと思ってしまいました。

 以上、ワイヤレスでハイレゾ音源を楽しめるaptX HDの試聴ですが、予想を遥かに越える効果がありました。特に今まで結構音が良いと思っていたaptXとaptX HDで、こんなにも差が現れるのは衝撃的です。

 そんなコーデックをきちんとサポートしている所が、DP-CMX1のハイレゾスマホとしての抜け目ない所ですね! ただ、残念ながらNFCは非搭載ですが……。

「DP-CMX1」の主なスペック
ディスプレー 5型液晶(1080×1920ドット)
CPU Snapdragon 618
1.8GHz+1.4GHz(ヘキサコア)
メモリー 3GB
ストレージ 128GB
カメラ アウト:16メガ(F2.0)
イン:8メガ(F2.2)
SIMスロット nanoSIM×2
対応バンド LTE:1/3/8/19/26
3G:1/5/6/8/19、4バンドGSM
無線LAN IEEE 802.11ac
Bluetooth 4.1
DAC ESS「ES9018C2M」×2
+「SABRE 9601K」×2
音声出力 2.5mm4極バランスヘッドフォン
3.5mm4極アンバランスヘッドフォン
実用最大出力 75mW×2(アンバランス)、150mW×2(バランス)
S/N比 115dB以上
再生周波数帯域 20Hz~80kHz
ボリューム 61ステップ(0含む)
L/Rバランス調整
バッテリー 3000mAh
サイズ/重量 72×11.9×142.3mm/約234g

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