週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

お買い得スマホ探しが楽しい! 香港スマホビルのいま

2017年04月06日 17時00分更新

 最近はLCCの就航本数が多く、激安航空券も増えている台湾の人気が高まっています。でも、スマートフォン好きにとっては、台湾より香港が気になるところ。香港といえば「スマホビル」とも言える、先達廣場で最新モデルが安い価格で購入できるからです。

「iPhone」需要が落ち着いた香港スマホビル

 ところが、先達廣場もここ1、2年ですっかり様変わりしてしまいました。ここ数年先達廣場をささえてきたのはiPhoneの転売。ただ、いまや中国国内でiPhoneが普通に購入でき、しかも、価格もそれほど高くないとあって、わざわざ中国から先達廣場にiPhoneを買いに来ていた客が激減してしまったのです。

 人口約700万の香港がアップルにとって重要な市場なのも、香港の住民だけではなく海外、とくに中国からやってきてiPhoneを買う客が多かったからなのです。

先達廣場は新品よりもむしろ中古品のほうがおもしろいものが見つかったりする

 また、最近は大手メーカーのスマートフォンであれば、どこの国でも価格はほぼ同じになっているために、香港で輸入してまで安く売る、というビジネスも成り立ちにくくなっているのでしょう。ということで、最新モデルの掘り出し物は以前ほど探しにくくなってきました。

 とはいえ、最近の製品で売れ行きが悪く、販売ディーラーが在庫を抱えた製品が安く大量に出回る、なんてケースはいまでもよくあります。それらの製品は時には定価の半額で買えるものもあり、メーカー保証もある、なんてお得な製品も見かけます。

 先達廣場でスマートフォンを探すなら、iPhoneやGalaxy Sシリーズ、Xperiaの値引きを気にするよりも、そんな掘り出し物を探す方がおもしろいかもしれません。

少し「メジャーじゃない」スマホを探してみよう

 たとえば、2017年3月に先達廣場を回ってみたところ、あちこちの店でセール品として売られていたのがZTEの「AXON 7」。価格は2080香港ドル(約2万9800円)で、香港の定価よりかなり安いのはもちろん、日本の価格と比べても半額前後くらいですね。

 いくつもの店にあったので、恐らく香港での売れ行きがイマイチだった模様。製品は悪くないだけに、むしろこの価格で買えるのはかなりのお買い得です。

なぜか大量に出てきた「AXON 7」、かなりお安い

 ほかにもレノボの初代ファブレット「PHAB」が850香港ドル前後(約1万2200円)で売られているのも発見。ディスプレーは6.98型HD解像度(720×1280ドット)という低価格大画面モデルで、この手の製品は東南アジアでは人気です。しかし、高性能モデルを求める香港ではパッとしなかったのかもしれません。

「PHAB」は1万円ちょい。ドローンの操縦用にもいいかも

 こんな格安品を探しながら店を回ってみると、レトロな端末もちらほら見かけます。QWERTYキーボードを本体に内蔵、背面を回転させて十字型にしても使えるという、他社にはありえない形状の旧シーメンスの「SK65」が売られていました。新品同様だそうで、いったいどこから出てきたのでしょう?

超レアなSK65。実はBlackBerryのBIS対応らしい(日本語は不可)

 また、ノキアの名機「8250」が箱入りで販売中。これはもしかすると中古品の再生品なのかもしれません。ほかにもBlackBerryの「7100g」がわずか100香港ドル(約1400円)など。このBlackBerryの新品はレアなのでついつい買ってしまいました。

 ちょうどASCII倶楽部の連載「スマホメーカー栄枯盛衰」でBlackBerryの回を書いていたので、記事の写真にも利用。興味ある方は、ぜひどうぞ(ASCII倶楽部は月額1080円の有料会員向けサイト)。

ノキア「8250」、昔は超有名モデル

使い道など考えてはいけないBlackBerry「7100g」

超掘り出し物の「VERTU」も発見!

 さて、先達廣場も何度か同じ店を訪問していると、なじみ客として入荷したばかりのレア品を見せてくれることもあります。筆者がよく立ち寄る、通好みの製品が置いてあるお店の前を通ったところ「いいのあるぞ」と声をかけられました。

 超高級携帯電話、VERTU(ヴァーチュ)のシグニチュアの2015年製造モデルだそう。しかも、箱から出して見せてくれました。

あのヴァーチュを扱う店があるとは

 200グラムを超えるずしりとした重さの存在感は、この端末が通話とSMSしか(ほぼ)できなくても十分、と思わせてくれます。

 ちなみに、定価は100万円をはるかに超えます。ここでのお値段は50万円くらい。「お前なら安くするよ」と言われたものの、一生懸命原稿を書いても買えそうにありません。

この美しさは工芸品級。これはIT製品じゃないのだ

 以前は中国製のマイナーメーカースマートフォンを売る店もありましたが、最近は数店舗のみ。値段も思ったほど安くは無く、低価格品を買うなら素直にシャオミの店に行ってシャオミ端末を買ったほうがいいでしょうね。

 その代わり、日本ではあまり知られていない、中国のきちんとしたメーカーの製品が少しずつ増えてきています。

セルフィースマホとして中国でメジャーなMeitu(メイトゥ)。筆者の好きな製品

プリペイドSIMを買うならスマホビルから少し離れよう

 また、プリペイドSIMを売る店も増えていますが、SIMは地下鉄に乗って2駅先のシャムシュイポ(ShamShuiPo)にある桂林街のSIM屋台に行ったほうが安いので、素直に移動しましょう。

 最近のはやりは海外用SIMですが、タイのAISのローミングSIMが、なぜかシャムシュイポで売られています。アジア8日3GBが90香港ドル(約1300円)、欧米アジア15日3GBが200香港ドル(約2900円)と、海外旅行用に便利な1枚です。

先達廣場でもSIMを売る店が増えてきた

SIMは素直にSIM屋台へ行こう。AISのローミングSIMが最近流行り

 香港もLCCが増えて気軽に渡航しやすい国になりました。いまや香港よりも深セン電脳街のほうがおもしろい、なんていう人も増えています。でも香港のスマートフォンビル、先達廣場もまだまだ掘り出し物が見つかる楽しい場所です。ぜひ訪問してみてください。

山根康宏さんのオフィシャルサイト

「スマホ好き」を名乗るなら絶対に読むべき
山根博士の新連載がASCII倶楽部で好評連載中!

 長年、自らの足で携帯業界を取材しつづけている山根博士が、栄枯盛衰を解説。アスキーの連載「山根博士の海外モバイル通信」が世界のモバイルの「いま」と「未来」に関するものならば、ASCII倶楽部の「スマホメーカー栄枯盛衰〜山根博士の携帯大辞典」は、モバイルの「過去」を知るための新連載!

 「アップルも最初は試行錯誤していた」「ノキアはなぜ、モバイルの王者の座を降りたのか」──熟練のガジェットマニアならなつかしく、若いモバイラーなら逆に新鮮。「スマホ」を語る上で絶対に必要な業界の歴史を山根博士と振り返りましょう!

→ASCII倶楽部「スマホメーカー栄枯盛衰〜山根博士の携帯大辞典」を読む

ASCII倶楽部は、ASCIIが提供する会員サービスです。有料会員に登録すると、 会員限定の連載記事、特集企画が読めるようになるほか、過去の映像企画のアーカイブ閲覧、編集部員の生の声を掲載する会員限定メルマガの受信もできるようになります。さらに、電子雑誌「週刊アスキー」がバックナンバーを含めてブラウザー上で読み放題になるサービスも展開中です。

→ASCII倶楽部の詳細はこちらから!

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

この連載の記事