2017年02月10日18時02分

東大、高速度カメラで「線香花火」の美しさを物理的に解明

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 東京大学大学院の井上智博特任准教授は2月10日、線香花火が持つ美しさの物理的解明の研究結果を発表した。線香花火はこよりの先端にできた火球から火花が飛び出し、枝分かれして美しい松葉模様を描く。これまで火花が飛び出し、枝分かれする現象が明らかにされてこなかった。

 井上智博特任准教授は、共同研究者の横浜国立大学の伊里友一朗助教と三宅淳巳教授、エクス-マルセイユ大学のエマニュエル・ビエルモ教授と線香花火が持つ美しさの物理的解明を試みた。その結果、火花の発生や分岐の鮮明な高速度撮影に成功し、主要な化学反応をあきらかにし、火花の挙動を理論的に定式化した。

線香花火の液滴の映像


 高速度カメラ「Photron SA-Z」を使用して線香花火の鮮明な時系列映像を毎秒10万コマで撮影した。こよりの下端にできた火球の表面にはたくさんの気泡が存在し、突然気泡が弾けて表面張力に駆動された流れが生じて直径0.1mmの液滴が1m/sの速度で飛び出す。これは、グラスに注いだシャンパンの泡から水滴が飛び上がるのと同じ原理だ。シャンパンのシュワシュワ音と同様に線香花火のパチパチという音も気泡の破裂音で、この飛び出した液滴の残像が火花に見えるという。


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火花の分岐

 今回の研究では、火球を飛び出した液滴が最大8回も連鎖的に分裂しながら描く軌跡が松葉火花を形成することが判明した。通常の固体や液体は1~2回分裂すると安定するが、線香花火では孤立液滴が何世代にもわたって子液滴を作り続ける。線香花火の独特の美しさは、従来知られていた分裂現象とは異なる液滴の連鎖分裂によって生み出されていたことが明らかになったという。線香花火の美しさを生み出す科学が1つ明らかになったが、火花が分岐せず柳のようになるときの仕組みは解明されていないとしている。

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