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子供やペットの撮影もラクラクなミラーレス『EOS M5』で家族撮りがはかどる

2017年01月08日 09時00分更新

EOS M5

 一昨年、筆者はミラーレスカメラを買おうか一眼レフカメラを買おうか迷ったことがあった。だが、当時はそれまでキヤノンの『EOS Kiss X2』をずっと使い続けていたのと、キヤノンのミラーレスがいま一歩な印象だったので、結局一眼レフの『EOS 8000D』を購入した。

 現在も8000Dを使っていて、とくに不満点はない。しかし、今回ミラーレスカメラの『EOS M5』を試用してみて、子供を撮るならこっちのほうがいいかな、と非常に気に入ってしまったのである。

EOS M5
↑キヤノン「EOS M5」と「EF-M15-45 F3.5-6.3 IS STM」の組み合わせ。

 昨年11月に発売された『EOS M5』は、これまでのシリーズとは別路線というぐらいサイズも性能も大きな変化を遂げ、ミラーレスながら小型サイズの一眼レフカメラのような風貌になった。従来に比べて手軽さは薄まったかもしれない。しかし、右手でしっかりグリップして撮影できる新スタイルのほうが一眼レフカメラを使い続けてきた筆者にとっては非常に落ち着くのである。外付けではなく内蔵のEVFも、古くからの一眼レフユーザーにとってはとっつきやすい部分だろう。

 

EOS M5
↑APS-CサイズのデュアルピクセルCMOSセンサーを採用。画素数は約2420万画素。

 撮像素子は約2420万画素CMOSと従来モデルと変わらないが、デュアルピクセルCMOSを採用。各画素すべてに位相差AFセンサーを備えているので、あらゆるシーンで高速合焦できるようになった。AF方式も顔+追尾優先AFやスムーズゾーンAFなど、動く被写体でも追いかけてくれるのは嬉しい。あれこれと動き回る子供たちを撮影するにはピッタリの機能だと思う。

EOS M5
↑液晶は3.2インチ。繊細で見やすく、チルト式でアングルを変えて撮影できる。

 液晶は3.2インチ約162万画素のTFTタッチパネルで、屋外でもとても見やすい。チルト式なので子供目線の高さで撮影したいときも、液晶のアングルを変えて立ったまま撮影できる。180度回せば自撮りも可能だ。

EOS M5
↑親指でシャッターを押せばセルフィーもできる。

 EVFは0.39インチで約236万画素なのだが、若干見にくく感じたのはレーシックを行なった筆者の目のせいもあるかもしれない。しかし、子供を撮影しているときはEVFよりも、液晶パネルを見て撮影したほうが格段にやりやすく感じた。動き回る子供を追いかけるような動体撮影の場合、まわりも見えていたほうが次の行動の予測がつくのと、ファインダー越しばかりで我が子を見るのが、もったいないように思えるからだ。

EOS M5
↑肉眼で被写体とそのまわりを見ながら、チルトした液晶でアングルを確認できる。写真で思い出を残すのもの大事だが、やっぱり肉眼でも子供を見ていたいものである。

 EVF撮影でも良い機能がある。液晶をタッチパッドとして操作して、AFフレームを移動できる“タッチ&ドラッグAF”機能は、フォーカスを任意の位置へ手早く移動できるので非常に使いやすかった。タッチ操作できるエリアは全面、左右半分、上下左右の1/4画面の中から選べるので、どちらの手で操作するか考えた上で設定しよう。

 シャッターボタンまわりには、メイン電子ダイヤルや露出補正ダイヤル、サブ電子ダイヤルがある。サブ電子ダイヤルはDIAL FUNC.ボタンを押すたびに機能が切り替わるタイプで、ISO感度やホワイトバランスなどからセットして利用できる。このあたりは一眼レフカメラを使っている人なら、自分なりにカスタマイズして使いたいところだろう。シャッタースピードは最高で1/4000秒。ISO感度は100から2万5600まで。

EOS M5
↑ダイヤル操作で調整できるので、一眼レフカメラっぽい使い方ができる。

 その他には、Wi-FiやBluetoothを搭載し、スマートフォン用アプリ『Camera Connect』を利用すれば、スマートフォンからリモート撮影ができるほか、撮影した画像の無線転送も可能。ボディー右側にWi-Fiボタンが備わっており、ワンタッチでオン/オフできる。メニューから選択して……といった面倒がないのは嬉しいポイント。

 年末の新宿公園へ子供たちを連れて遊びに行ったときに、実際に撮影してみた。使用したレンズは、『EF-M15-45 F3.5-6.3 IS STM』と『EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM』の2つ。前者は収納時にレンズの飛び出しを抑えられる広角寄りのズームレンズなので、持ち運ぶのにはいいが、もう少し望遠が欲しくなる。一方で、後者は35mm換算で240mmの望遠と250mmまで寄れるクローズアップ撮影が楽しめ、子供が遊んでいる姿を押さえるのにちょうどいい感じだが、長さが86.5mm、重量が300gあるので、持ち運ぶにはちょっと面倒。といった具合で、両者とも一長一短なので、うまく使い分けるのがいいかもしれない。

EOS M5
↑EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STMで都庁を撮影。こちらが広角側(広角側46mm相当、1/1600秒、f/5.6、ISO 200)。
EOS M5
そしてこちらが望遠側で撮影したもの。細かいスリットもしっかり解像している。(望遠側240mm相当、1/1600秒、f/6.3、ISO 200)
EOS M5
↑イチョウが太陽光に照らされて黄金色に輝く様もキレイに表現。(EF-M15-45mm f/3.5-6.3 IS STM使用、56mm相当、1/250秒、f/5、ISO 100)
EOS M5
↑子供の産毛も確認できるほど精細で、背景のボケ具合もいい感じ。(EF-M15-45mm f/3.5-6.3 IS STM使用、72mm相当、1/320秒、f/6.3、ISO 320)
EOS M5
↑猫の撮影時は、液晶を上に向けてローアングルで撮影できるので便利。ISO3200以上は粒子感が出てくる。(EF-M15-45mm f/3.5-6.3 IS STM使用、72mm相当、1/60秒、f/6.3、ISO 6400)
EOS M5
(EF-M15-45mm f/3.5-6.3 IS STM使用、72mm相当、1/50秒、f/6.3、ISO 5000)

 いろいろ撮影してみて感じたのが、液晶に映った子供の顔をタッチし、ピントを追従させての撮影が結構役に立つこと。ピントを合わせたいポイントをタッチ操作で選べるのは直感的で、すぐに使いこなせるだろう。動き回る子供たちにいかにピントを合わせられるかが、親にとっていちばん苦労するポイント。カメラがその部分をサポートしてくれるから、適当にシャッターを切ってもいい写真を残せる。

EOS M5
↑滑り台で、子供の顔をAF追従させて撮影。ピント合わせがラク。(EF-M18-150mm f/3.5-6.3 IS STM使用、91mm相当、1/320秒、f/5.6、ISO 400)
EOS M5
↑こちらはシャッターを半押しにしている間、被写体にピントを合わせ続けるサーボAFを使って撮影。(EF-M18-150mm f/3.5-6.3 IS STM使用、240mm相当、1/1600秒、f/6.3、ISO 200)
EOS M5
↑滑り台で流し撮りに挑戦。子供の顔をAF追従させて撮影してみたが、結構うまく撮れた。(EF-M15-45mm f/3.5-6.3 IS STM使用、1/80秒、f/7.1、ISO 100)

 EOS M5のボディー価格は10万6000円前後、EF-M15-45 F3.5-6.3 IS STMとのレンズキットが12万4600円前後、EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STMとのレンズキットは14万4800円前後。一眼レフカメラのような撮影が楽しめ、タッチ操作でピント合わせできる手軽さを併せ持ったEOS M5は、カメラ初心者はもちろん、ある程度使いこなしている中級層にもぜひ試してもらいたい。特に、動きの予測がつかない子供、あるいは犬や猫といったペットをメインに撮影したいと思っている人にはピッタリのカメラだろう。『EOS』シリーズのユーザーでEFレンズを所有しているなら、マウントアダプターで利用できるので、『EOS Kiss』シリーズからの乗り換えも検討の価値ありだ。

■関連サイト
『EOS M5』製品ページ

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