週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

米国で最適な通信手段は? 旅行者用SIM、Apple SIM、アメリカ放題を試す!

2017年01月07日 15時00分更新

 2017年1月のCES取材に向かう途中、筆者はお正月をロサンゼルスで過ごしています。ここで確保しておきたいのが米国での通信手段です。

ロサンゼルス空港近くのショッピングモール「Westfield Culver City」のショップに行った

T-Mobileの旅行者向けSIMは30ドルで2GB利用可能

 日本で格安SIMを利用している場合、大手キャリアの海外データローミングが使えません。そういう場合に便利なのが、T-Mobile USの旅行者向けSIMカード「T-Mobile Tourist Plan」です。

 価格は30ドルで、2GBのデータ通信、1000分の米国内通話、国際SMS無料がセットになっており、有効期間は3週間。T-Mobile USのお店で購入できます。

さっそく広告が出ていた。「UNLIMITED DATA」とは2GB分の高速通信とそれ以降は2Gの速度になるという意味

 購入にあたっては現金かクレジットカードだけでOK。IDやパスポート、ホテルの住所などは不要でした。なお、ロサンゼルスではカリフォルニア州のプリペイド携帯税(MTSサーチャージ)として5.48ドルの税金がかかり、支払いは35.48ドルでした。

パッケージはなく、SIMカードをそのまま手渡された。アクティベーション済みなので端末に入れるだけで利用できる

 注意したいのはT-Mobile USのバンドです。LTEはバンド4(AWS)を中心にバンド2も用いており、最近ではバンド12が拡大しています。かつては日本で売られている端末では対応できず、米国で手頃なSIMフリー端末を買ったほうが早いという時代もありました。

 しかし、日本でもハイエンドのSIMフリー端末はバンド対応が広くなっており、ファーウェイなら「HUAWEI P9」や「HUAWEI Mate 9」が対応済み。ASUSのZenFone 3 Deluxe、モトローラのMoto Zなど、端末の選択肢は確実に増えています。

バンド4、2、12対応の「HUAWEI Mate 9」でT-Mobile USに接続。APN(fast.t-mobile.com)も自動的に設定された

すぐに4Gにつながり、スピードテストでは30Mbps程度の速度が出た

iPad ProからT-Mobile USのプランを直接契約

 Apple SIMに対応したiPadを持っている場合、米国ではデバイス上からデータ通信のプランを直接購入できます。

 筆者が使っているNTTドコモ版のiPad Pro 9.7型モデルは、SIMロックを解除していないものの、海外ではSIMフリーとして使えるため、そのままでも米国で利用できています。

 さらに、以前ならアップルの店舗でApple SIMを購入する必要がありましたが、iPad ProならApple SIMが本体に内蔵されているため、物理的なSIMカードは不要。契約にあたって特別な通信回線を利用することから、既存のLTE通信やWi-Fiも不要です。

iPad Proの設定画面からT-Mobile USのデータ通信プランを契約できる

 T-Mobile USでは5GBで10ドルという特別なプロモーションプランを提供しており、初めてのユーザーは格安で契約できます。一方、通常プランでは5GBで40ドル、7GBで50ドルとそれほど安いわけではないものの、米国ではこれくらいが相場です。

日本の感覚でそのまま使える「アメリカ放題」

 ソフトバンクを契約している場合、もっとも便利なのが米国のSprintで日本と同じように携帯を使える「アメリカ放題」です。月額980円のオプションですが、日本で5GB以上のデータ容量を契約していれば無料になります。

 Sprintの問題はネットワークの弱さです。今回もロサンゼルス空港で、T-Mobileがつながる一方、Sprintが圏外になる場所がありました。ただし、ソフトバンクの協力により改善は進んでいるとみられ、ラスベガス中心部ではT-Mobileが圏外なのにSprintがつながる場所も。速度はおおむね1~10Mbpsといったところです。

最近ではソフトバンクの孫正義社長がトランプ次期大統領と会談し、Sprintが5000人分の雇用を海外から米国に移転することを発表した

 ソフトバンクを契約中の筆者が個人的に失敗したのが、大容量プラン「ギガモンスター」です。米国出張前に20GBプランに変更しようと考えていましたが、適用されるのは申し込みの翌月から。筆者の場合、締め日は毎月20日なので、1月上旬の米国で使うためには12月20日より前にプランを変更しておく必要があったわけです。

 アメリカ放題自体は申し込み後すぐに使えるものの、ギガモンスターはそうではないという点に注意が必要です。それでも頻繁に渡米する人にとっては、このためにソフトバンクと契約する価値があるほど便利なサービスである、という点は変わっていません。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう